自分らしくいられる至福の時間を持ってみよう<キャリアコンサルタントがアドバイス! 両立のヒントVol.3>

【コラム】暮らしをワンランクアップ

「仕事も家庭も自分の時間も、すべてを充実させたい!」それは多くの働くママが思うこと。では、どうすれば、両立がうまくいくのでしょうか。このコラムでは、キャリアコンサルタントの山田真紀子さんによる両立のヒントをご紹介。今回のテーマは、自分自身を満たす方法です。

好きだったものに興味がなくなった!?これってアイデンティティクライシス!?

仕事と家庭の両立に悩む方の相談のなかで最近多くなっているのが、アイデンティティクライシス(自己同一性の喪失)です。

育児、家事、看護、介護などにより常に何かの役割を演じている時間が続いたりそれらを優先する時期が続いたりすることで、本来の自分が見えなくなり、好きなこと・したいこと・在りたい状態がわからなくなってしまうことがあります。

「親なのだから、子どもが小さいうちは自分の好きなことを我慢すべき」「介護できるのは自分しかいないから、自分のことより親の介護を優先するべき」と自分に強く言い聞かせ続けることで、ストレスがたまりイライラしたり、落ち込んだり、好きだったものに興味がなくなってしまったりなど、心身の不調につながることもあるので要注意です。

両立のコツは「自分」優先

演じている多くの役割の最上位に「自分」はいますか? シャンパンタワーの一番上にいる「自分」が一番に満たされるからこそ、その下層にある役割の自分や家族や周囲の方に力を注げるのです。空っぽのグラスからは何も注げませんし、下層のグラスから上層のグラスに注ぐこともできませんので、まずは「自分」を満たすことを大切にしてみましょう。

• なんの制約もなく時間とお金があったら何をしたいですか?
• 育児、家事、看護、介護などをする以前に好きだったことや続けていたことは何ですか?
• 「いつかやりたい」と思ってこっそり温めていることは何ですか?
• 「本当は行きたいけど……」と思いながらも諦めたことは何ですか?

自分を大切にすることは、家族や周囲の方を大切にすることでもあります。自分が心地よく余裕のある状態でいられることで、すべての役割を効果的に演じることができるのです。

至福の時間をスタートしてみましょう

子育て中の女性から「独身時代は温泉巡りが好きだったんです。広いお風呂で、ひとり、何も考えずに過ごす時間が癒しだったのですが……」と相談をいただいたことがあります。子どもと一緒でも温泉には行けるけれど、子どものペースに合わせるとせっかくの温泉もカラスの行水で、癒されるどころか疲れて帰ってきたそうです。

このようなお悩みの方におすすめしているのは、「要素を分ける」「代替案」です。

まず、やりたいことを要素に分けます。前述の女性の例であれば「温泉・1人・広いお風呂・何も考えない時間」の4つ。次に要素の中の優先順位や絶対条件を決めます。この女性は絶対条件を「1人・広いお風呂」の2点に絞りました。ここから、今の環境の中でできるだけ理想に近い状態を作ることはできないかを考えます。4つの要素が完全に一致していなくても、そのうちのいくつかを満たすことができる方法を見つけるのです。

女性が見つけた代替案は、お住まいの地域にあるスーパー銭湯に行くことでした。子どもやパートナーや両親に「1人で温泉に行かせてほしい」とは言えなくても、「1時間半だけ1人でスーパー銭湯に行かせてほしい」であれば言えたそうです。また、ショッピングがしたいママ友と意気投合して交代で子どもを見ながらお互いにやりたいことをできる時間を作れるようにもなったそうです。

自分の時間を作れるようになったことで日々のイライラが減り、いつか家族でゆっくり温泉に行ける日が楽しみになったとおっしゃっていました。

たくさんの役割を演じることができるのは両立生活の醍醐味でもあります。日々の生活をもっと豊かに楽しむために、本来の自分でいられる至福の時間を作ってみましょう。


山田真紀子

IT系企業の会社員、キャリアコンサルタント。
IT系企業の会社員、キャリアコンサルタント。会社員として人事(教育・採用・労務・ダイバーシティ推進)業務に約12年従事、社内の女性活躍推進プロジェクトへの参加を機に、ライフワークとして社内外で女性のキャリアの充実や働くママのワーク&ライフの充実を支援する活動をしている。配偶者の転勤に伴い2012年より札幌市在住。プライベートでは7歳と5歳の2児のママ、趣味は朗読とコーラス。
http://mamaganbatte.com/