思いを受け止め、認める親子コミュニケーション<アナウンサーに聞く! コミュニケーションのひみつVol.2>

【コラム】暮らしをワンランクアップ

ビジネスにおいても、プライベートにおいても、コミュニケーションは重要です。このコラムでは、フリーアナウンサーとして活躍中の河田京子さんに、コミュニケーションの極意を伝授していただきます。今回のテーマは親子のコミュニケーション。どんなことに心掛けたら良いか、伺ってみましょう。

みんなちがって、みんないい。

子どもを授かった時は、無事生まれてきてくれさえすれば……と願っていましたが、誕生するとこんな子に育ってほしい、幼稚園や学校に通うようになると将来のためにと習い事や教育にと忙しくなり、いただいた子どもの命を愛おしく育てていたのが、いつの間にか子どもを叱ったり追い回していたり……

金子みすずさんの「みんなちがって、みんないい」私も大好きな詩です。それぞれ顔や性格が違うように、みんな素晴らしい個性を持って、ものすごい確率でこの世に生を受ける。これだけでも本当に奇跡の事! その感謝がつい当たり前になってしまわないように、私も11歳の息子を持つ親として、自戒の意も込めて(笑)親子のコミュニケーションについてお伝えします。

 

思いを受け止める

私はアナウンサーという仕事柄、これまでテレビやラジオなど、老若男女問わず様々な方にインタビューをしてきました。中でも、子どもへのインタビューはとても勉強になり、私の子育てにも役立っています。何か少しでも皆さんのヒントになれば嬉しいです。

大人と違って、子どもは真っ白いキャンバスのようなもの。概念や捉われがなく、感受性が強く、とてもピュアな存在です。また成長段階なので、当然大人よりボキャブラリーも少なく、インタビューで答えを引き出すことにテクニックを要します。

例えば「楽しかった?」と聞くと、大人の場合は「はい。すごい楽しかったです!特に〇〇が……」と会話が続いていきますが、子どもの場合は「うん。」で終わってしまいます。聞き方のテクニックとして「これはどうだった?」とか「どんな感じだった?」と聞かなければ子どもの気持ちを引き出すことはできません。

そして必ず向き合って背丈も目線も合わせること。子どもがホッと安心して話せるよう柔らかな表情や笑顔でしっかりと聞きます。この時に腕組み(ゴリラポーズ)や後ろで手を組む姿勢(ハンドカフポジション・手錠を意味する)などをしていると、上から目線で偉そうに見え拒絶のメッセージになるので、受け入れる心を態度でも示していくことが大事です。

語り始めたら、ちゃんと最後までよく聞いてあげること。聞いてあげることで、子どもの思いや考えが整理され、心が安心します。これは夫婦間や大人も一緒ですね。そして「それはすごいね」「嬉しいね」「悲しかったんだね」「辛かったね」と思いを受け止めて、心に寄り添い、同調、共感してあげることで、子どもはどんどん心を開いていきます。それを、お母さんが忙しいからと聞かないでいると、子どもは不満を覚えていきます。

 

できたことを認めてあげる

親はできていないことをつい注意しがちですが、どんな小さなことでもできていることを認めていくことが大切です。「よくできたね」「これで良いよ」。もし上手にできなかったとしても、「ここまでできて良かったね」「今それがわかったことが良かったね」そして最後に「絶対大丈夫」と。一つ一つをプラスに変えて褒めてあげる。そのことで子どもは容認され自信となり、自己肯定感の高い大人へと成長できます。

親の姿を通して子どもに伝える

そして、私も息子に友達のように日々の生活の話をします。時に「これはどう思う?」などと息子に相談したり、つい怒ってしまった時はすぐに「ごめんなさい」と謝り、失敗した話もするようにしています。

また、どんなことにもチャレンジすることを分かち合えたらと、趣味の韓国語を学んだり、仕事の技術を磨いたり、息子の小学校での読み聞かせ委員を引き受けるなど、頑張っている姿を見せることで、働く喜びや、人の役に立つ姿を感じてもられたらと思っています。

我が家は会話がとても多い家庭です。主人は最近息子と銭湯に行きます。裸の付き合いというか、思春期が近づけば男同士の付き合いも大切だと思います。子どもが変わるのではなく、親が工夫して変わっていくことで、子どもとのコミュニケーションが育まれ、子どもが変わっていくのですね。そうすることで何でも打ち明けてくれる関係性が培えます。

私も日々試行錯誤ですが、いただいた命を大切に、明るく温かく笑顔で子育てに、皆さんと一緒に向き合っていきたいと思います。


河田京子

フリーアナウンサー、話し方・コミュニケーション術講師
K・アナウンススペース合同会社代表
NHK初め民放各局でMCやリポーターなど現役アナウンサー歴25年以上。みのもんた氏と長期に渡りラジオ番組共演、テレビ朝日生CMなど出演多数。またフリートークを得意とし、著名人とのトークショーも多数。イチロー選手、高橋尚子、尾木ママ、柴崎コウなどと共演。
長年の経験とスキルを活かし、アナウンス、話し方、コミュニケーション術、ビジネスマナー講師としても多岐にわたり活動。企業向けセミナー、個人向けレッスンなど受講者からも好評を得ている。
http://kyokokawada.com/