音楽で自己表現できる子供になるとどうなるのか?<音楽を通して自分らしく幸せに生きる子供の育て方Vol.2>

笑顔の女の子 【コラム】暮らしをワンランクアップ

卒園・卒業・入園・入学に進級と、子供たちが新たなチャレンジを迎える春。
子供たちのお歌や演奏の発表を聴く機会も多い時期でもあります。

彼らが一生懸命に歌う姿に心打たれた方も多いのではないでしょうか。

音楽は生活に潤いを与え、人生を豊かにします。
その音楽を通して、自分らしく幸せに生きる子供の育て方を4回シリーズでピアニストの楠木由希子さんにお伺いし、お伝えしていきます。

初回は「音楽での自己表現」について自己表現とは何かについてお話をいただきました。
2回目となる今回は「音楽で自己表現できる子供になるとどうなるのか」についてです。

音楽を通して自分らしく幸せに生きる子供の育て方シリーズ

 

新型コロナ自宅や療養施設でも保険金・給付金は請求できる
新型コロナで入院

子供が自分自身を受け入れるためには周りの存在が不可欠

第1回目のコラムでもお伝えしたように、「自己表現をする」ことは、自分自身を受け入れることから始まります。

自分自身を受け入れることが難しい環境にあると、子供は常に人の顔色を伺う、向上心がない、挑戦しようとしない、失敗を極度に恐れる、自分に自信がない、警戒心が強い、感情を表に表すことができない、劣等感が強い、攻撃的、相手を妬む、いじめる等の行為が、サインとして表れる傾向にありあます。

ではどうすれば自分自身を受け入れやすくなるのでしょうか。
自分の感情を自由に羽ばたかせることができて、一番身近なコミュニティである家族(特にお母さん)や周りに受け入れられる安心安全な場が必要とされます。

床で並んで寝そべる親子

また、子供が人格を形成していく上で最も重要となるものは、生命の源であるお母さんが自分自身を受け入れることです。
お母さんが自分自身を受け入れることにより、子供も自分自身を受け入れることができるようになります。
その結果、親子間で良い循環が起こってきます。そうすることにより、子供が自信を持って自己表現できる安心安全な場が培われ、子供が自分の存在に価値を感じられるようになっていきます。

 

「自分を受け入れること」は自分を慈しみ愛すること

「自分を受け入れること」とは、あるがままの自分を受け入れることです。
自分の中にあるあらゆる感情に蓋をしないで、そこにある感情を認めることです。
自分が笑顔になること、自分の好きなこと、そして自分の魂が喜ぶことをすることを自分自身に許すことです。
自分を慈しみ愛することが、自分自身を受け入れることに繋がります。

自らの存在をお母さんに受け入れられた子供は、自由に感情を羽ばたかせることができるようになり、どんどん自己表現が楽しくなっていきます。
音楽で自己表現を学ぶときに、その点を踏まえておくと子供も自信を持って自己表現でき、音楽が好きになり、のびのびと楽しく子供が育っていく入口が出来上がります。

前回でも触れましたが、子供が音楽で自己表現できるようになるためには、子供の感情を素直に表現できるように引き出していくこと、子供の素直な反応を楽しむこと、そして本物の音楽に沢山触れていくこと。
最初の導入にはこの3つが大切です。

ピアノを弾く子ども

 

チャレンジ精神が旺盛になり、踏ん張りのきく子供に

この過程を継続し積み重ねていく中で、音楽を通して自己表現できるようになっていった子供は、音楽が楽しくなり、向上心を持つようになります。
そして、どんどん弾きたい曲も出てきて、難しい曲にも挑戦していくようになります。
途中で壁にぶつかったとしても乗り越えられる心の基盤が育まれてきているので、頑張りがききます。
その心の基盤とは、お母さんからの承認と、「何があっても大丈夫、私はできる!」という自信です。
その心の基盤のもとで次々と課題をクリアしていくことにより、自分との約束を守ること、その積み重ねにより得られた自信と達成感、失敗から立ち直り回復する力、チャレンジ精神を得られることにより、音楽を愛する気持ちが育まれていきます。

楽器で専門的な領域まで自由に自己表現できるようになるには、とてもとても長い年月がかかります。そして毎日の練習が必要です。
音楽を通して幼い頃から培ってきた、豊かな感性、想像力、約束を守る、時間を守る、継続する力、集中力、諦めないでやり抜く力、挑戦し続ける力、思いやり、そして何よりも慈しみ愛する心・・・
これらはこれからの時代を生き抜いていくうえで必要不可欠なものとなることは間違いないでしょう。

音楽の中で身に付けていったこれらの要素は、子供の頃から日常生活の様々なシーンでもどんどん応用できるようになっていきます。そうすることで彼らの活躍の場もどんどん増えていきます。
表情が生き生きとして自信もつき、すると自身を取り巻く世界が変わってくることに子供は気づいていきます。

このように自分を受け入れることができるようになった子供は、次に相手を受け入れることを学んでいくのです。

公園で遊ぶ子どもたち

 

自己表現は子供自身にとっても、そして周囲にとっても良い循環を生みますので、ぜひこの点を意識しながら音楽を導入していただければ幸いです。

コラム第3回目は、相手を受け入れることから始まる「人間関係でハーモニーを奏でる」をテーマにお話ししていきます。

楠木 由希子さん
楠木 由希子
ピアニスト・コンサート企画プロデュース・ピアノ教室主宰
国内外や大使館で演奏活動をし、演奏を高く評価されドイツの新聞紙上に掲載される。ザルツブルグやポーランドを代表とする室内楽と共演。教育活動にも力を入れ、これまでに音楽教室、音楽専門学校、大使館公邸にて1年以上継続して指導した生徒は650人以上に渡る。生命の源であるお母さん達が自分らしく生きることの重要性を感じ、教育系一般社団法人理事として協会設立に参画。「自分らしく生きる愛と平和の世の中を創る」を志に、現在、クラシックを中心とした演奏活動の他にコンサートの企画プロデュース、地域コミュニティを育む音楽プロジェクトを各地で行う。自分らしく輝ける人を育てるピアノ教室を東京都目黒区で主宰。人と地域と音楽をつなぐ、音楽家が住まう集合住宅「音楽のいえ+」を監修。
教室HP http://kusunoki-yukiko.com/

音楽を通して自分らしく幸せに生きる子供の育て方をまとめて読みたい方はこちら

☆子育てに興味のある方なら、こちらの記事もおすすめ☆
『子供が「自分を愛する力」を育むために親ができること』

教育資金バナー