先生や保護者とのコミュニケーションは大切<育児休暇からの復帰に備えて vol.3>

【コラム】暮らしをワンランクアップ

仕事の間はお子様を保育園に預ける方も多いことでしょう。安心して子どもを預けるためには、コニュニケーションも大切です。「育児休暇からの復帰」をテーマにジョブ・クラフティングコンサルタントの石田映子さんにお話しいただく第3回目。

第1回目の「育児中かから復帰する極意」、第2回目の「慌ただしい生活に『ゆとり』をつくる工夫」に続いて、最終回となる今回は「先生や親同士のコミュニケーション」についてご紹介いただきます。

 

新型コロナ自宅や療養施設でも保険金・給付金は請求できる
新型コロナで入院

園の先生とは積極的にお話ししましょう

保育園の先生方は、いくつものシフトを組んで勤務されています。担任の先生でも、シフトによって送迎時にお会いできないこともあります。連絡ノートなどで先生とのコミュニケーションを取ることが多いと思いますが、送迎時に先生を見かけたら、挨拶だけでなく少し子どもの様子をお話してみましょう。

保育園の先生と子ども
と言うのも、保育園での様子を子どもがお話してくれることもありますが、帰宅したら家での遊びに夢中になり保育園でどう過ごしたか「忘れちゃった」と言う子どももいるからです。連絡ノートを書いてくれる先生と、他の先生が見てくれている場面が違うこともあるので、色々な先生とお話すると、園での子どもの様子がよくわかります。

また、同じように子どもを預けている親同士も、送迎時の挨拶はもちろんのこと、お話できる関係になれると、助け合いもでき、心強い仲間になります。親の関係が希薄な園もあるようなので、一概には言えませんが、助けてもらえる人が多いに越したことはありません。

 

自宅での生活面の気がかりも相談を

子どもは子どもなりに、保育園で頑張って過ごしているものです。自宅では甘えん坊でも、保育園ではしっかり者と聞いて、ずいぶん違うなと感じることもあるでしょう。また、勤務時間や通勤時間の関係で、一般的に理想とされる早寝早起きの時間帯に子どもを寝かしつけられないこともあります。

そのようなちょっとした自宅での生活や気になることを相談してみると、先生方も親身になって話を聞いてくれるし、子どものことをちょっと注意して見てくれます。

親の事情も理解しながら、子ども目線でのアドバイスや対応のヒントを教えてくれるのは、とてもありがたいこと。特にベテランの先生は、働く母としても先輩ですし、何よりも、たくさんの子どもたちと接しているので、引き出しも豊富です。「こんなときどうする?」と迷ったら、どんどん先生方とお話して、もやもやした気持ちをなくしていきましょう。

保育園で遊ぶ子ども

 

トラブルが起きたら……?

外で遊ぶ子供たち

保育園生活では、おもちゃの取り合いでひっかき傷ができたり、子ども同士の悪気のない行動で怪我をした等のトラブルも起こります。

事前に防げるトラブルもあるかもしれませんが、先生方がいくら目を凝らして見ていても、動き回る子ども全員に目が行き届くとは限りません。

子ども同士も、様々なトラブルを通じて、社会性を身につけていく学びの場です。トラブルが起きたことを聞いたら、再発防止にこだわらないことも大切です。大らかな気持ちで、その場面を想像し、先生方がどのように子どもたちとお話をしたかをぜひ、聞いてみましょう。子どもの気持ちを聞き、共感し、悪いことは悪いと根気よく伝えるような、さすがプロ!と感じる対応を知ることは、育児にとても役立ちます。

けれど一方で、先生方も人間です。子どもたちと体を動かして遊び、食事やおやつの準備をし、着替えやトイレ、怪我の手当てなど一日中動きっぱなしで、夕方は疲れてしまい、きつい言葉が出てしまうこともあるでしょう。先生方の目に余る行動をみたら、保育園に改善を申し入れてもいいと思いますが、その場面だけを切り取って、先生方の対応を責めるのは、ちょっと違うなと感じます。親だっていつも笑顔で子どもと接しているわけではなく、イライラもするし、怒ることもありますからね。

 

親同士のコミュニケーションも大切

保育園の送迎では、親同士、顔を合わせても挨拶する程度で、ゆっくり話をする時間はありません。送迎時刻が違えば、全く顔を合わせない父兄もいます。

忙しい時に、無理して話そうとしなくてもいいと思いますが、例えば休みの日に公園や出先で会った時などは、自然にお話できるようになれたらいいですね。子ども同士は「お友達だ!」と喜びますし、働く親同士、理解し合えることも多いはずです。親同士の関係が築けていたら、保育園で起きたトラブルも、深刻にこじれることはないでしょう。

子どもにとって、お友達と関わる時間は大切な時間です。保育園で十分、その時間を持てているかもしれませんが、家族ぐるみでお付き合いできる相手がいると、親にとっては、大人の目が多いので、子どもたちのお世話も軽減されます。家族で過ごす時間の一つに、お友達家族と一緒に過ごす時間も加えられたら、遊びのバリエーションも増え、楽しい時間が増えます。仕事で関わる人達とは、違う感覚の人もいて、人間関係も広がります。難しく考えず、子どものためだからと無理をしない範囲でお付き合いできるといいですね。

育児休暇から復帰してしばらくは、生活のペースに慣れることに必死で、体調管理を最優先に考えて当然です。親子ともども生活に慣れて、体調も安定してきたら、少しずつ人間関係を広げたり、仕事の幅を広げていけるようになるので、焦らず、無理せず、周りの力も借りて、ひとつ成長できたら素敵だなと思います。


石田 映子

20年間、大手IT企業にて数少ない女性のシステムエンジニアとして勤務した後、ベンチャー企業にて従業員が業務に没頭できる環境づくりをコミュニケーション面からサポート。出産、子どもの不登校を機に、自らの働き方を見直しながら、現在は男性中心社会で働く女性のキャリア支援や、仕事に対する意欲を高める活動を行っている。7歳の娘、夫との3人家族。
http://job-crafting.jp/
教育資金バナー