確定申告する前に! 後から後悔しないための「医療費控除」のお話【お金と保険のQ&A】

お金と保険のQ&A

新型コロナウイルス感染症によって日常生活にも大きな影響が出ている方も多いのではないでしょうか。なかなか落ち着かない日々が続く中でも、確定申告の時期が近づいてきています。もう間もなく始まる確定申告に向けて、「事前に知っていれば良かった・・・」とならないための『医療費控除』についての情報をお届けします。確定申告前に是非チェックしてみてくださいね。

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【確定申告期間】
申告開始日:2021年2月16日(火)
●所得税および復興特別所得税・贈与税 415日(木)までに申告・納税
●個人事業主の消費税および地方消費税 415日(木)までに申告・納税

目次

そもそも、「医療費控除」って何?

「医療費控除」とは、確定申告する前年の1月1日から12月31日までに、医療機関で自分や生計を一にしている配偶者・子供などのために多くの医療費を支払った場合、その年の税金を減らしてくれる制度です。

支払った医療費が一定の金額を超えた場合に、その翌年に確定申告することで、納めすぎた所得税が還付されます。所得税の確定申告をすることで、6月から新年度に切り替わる住民税でも医療費控除が適用されて、住民税額を減らすことができます。

この医療費控除を受けるためには、会社員の方も確定申告が必要になりますので、まずは「医療費控除を受けるために必要な条件」を知っておきましょう。

医療費控除の「対象」と「対象外」

治療が必要なものは「医療費控除の対象」となりますが、健康増進や見た目を良くするために使った費用は「医療費控除の対象外」となります。

ここで注意しなければならないのは、条件によって医療費控除が「適用になる」のか、それとも「適用にはならない」のかが決まるものがあるということです。

医療費控除の「対象になるもの」と「対象外とされるもの」の具体例を見ていきましょう。

【医療費控除として認められるもの】

■病院に支払った診療費、治療費、入院費など
■処方箋による薬代、治療のために購入した市販薬代
■歯の治療費(入れ歯や差し歯など、保険対象外の治療費でもOK)
■治療のためのマッサージ、はり、灸の費用
■医師が発行した「おむつ使用証明書」のあるおむつ代
■介護保険制度による施設、および居宅サービス費用のうち医療費として認められる費用
妊娠中に支払った定期健診費の自己負担分や分娩、出産に関わる費用(出産育児一時金を引いた金額)
■通院にかかった交通費、出産時などで通院に必要と認められたタクシー代

 

【医療費控除として認められないもの】

健康診断や人間ドックの費用(病気が見つかった場合は、医療費控除の対象になる)
予防のための健康食品やビタミン剤、健康補助食品の購入費用
見た目をよくするために受けた美容整形代
健康維持のために通うスポーツクラブ代
美容のための歯列矯正費用
入院中のテレビ視聴代や着用したパジャマ代
自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車料金
肩こりなどを楽にするマッサージ代
赤ちゃんの紙おむつ代
■メガネやコンタクトの購入費用

あくまでも一例ですので、みなさまが確定申告する前年の一年間で医療に関して支払った費用がどのような内容だったかを領収書や診療明細書などでチェックしてみてくださいね。

次に、医療費が控除の対象となる場合のケースを見ていきましょう。

医療費控除が受けられるかをチェック!

確定申告の際に「医療費をいくら以上支払った場合に医療費控除の申告ができるの?」思われている方も多いのではないでしょうか。

下記の条件であれば医療費控除の申告ができます。

①1月1日から12月31日までの医療費が10万円を超えた場合
所得が200万円未満の場合で、医療費が所得の5%を超えた場合

但し、医療費が年間10万円を超えたとしても、高額療養費から給付があったり、医療保険から入院したときに支払われる「入院給付金」や手術したときに支払われる「手術給付金」を受け取った場合は、受け取った金額は医療費から差し引く必要があります。

出産した場合は、支払った医療費の金額から出産育児一時金を差し引く必要があります。例えば、支払った医療費の合計が60万円だった場合の医療費控除額はいくらになるか計算してみましょう。

<医療費 60万円 - 出産育児一時金 42万円 - 10万円 = 医療費控除額 8万円>

上記の計算で見てみると、この場合は医療費控除額は8万円ということになります。出産の場合は健診を受け始めた時期と分娩した時期によっては年をまたぐケースもあります。こういったケースの場合は医療費を計算する際に注意が必要ですね。

年金生活者は所得の5%を利用したほうが効果が高い?

医療費から差し引く金額について、年金生活者の場合は10万円ではなく、所得の5%を利用したほうが効果が高いのが一般的です。所得の5%のほうが、医療費から差し引く金額を少なくできるからです。

たとえば65歳以上の人は、公的年金控除が120万円になっています。65歳未満の方の公的年金控除は70万円です。65歳未満で年金のみで暮らしている方は、税金を納めていないケースがほとんどなので、ここでは65歳以上のケースで、計算例を挙げてみます。

年金額が200万円と仮定して、差し引く金額を計算してみましょう。公的年金控除の120万円を引けるので、所得は200万円-120万円=80万円になります。所得80万円の5%は4万円なので、医療費から4万円を引いた金額が医療費控除になります。

 計算例
  年間の医療費は30万円

    30万円-10万円=20万円
 30万円-4万円=26万円

  医療費控除額を6万円も増やせる!

医療費控除は、生計を一緒にしている家族であれば、家族の誰が申告してもOK。収入がダントツに多い家族がいれば、その人が申告すると効果が高いのが一般的ですが、年金暮らしやパート勤務などで税金を支払っている方がいれば、差し引く金額が少なくなるため、その方が申告するほうが効果が高いケースもあります。税金を払っているご家族が複数いる場合は還付される税額を比較して、一番効果が高い方が申告しましょう。

知っておきたい!「セルフメディケーション税制」

2017年に新しく導入された「セルフメディケーション税制」という制度があります。普段から健康に留意している方には是非知ってほしい制度です。

予防接種や健康診断を受けるなど、普段から健康維持や病気への予防に対して取り組みをされている方が1年間に12,000円を超える「スイッチOTC医薬品」を購入した場合、その医薬品の購入費用に対して所得控除を受けることができます。

「スイッチOTC医薬品」というのは、制度導入前は医師の診断でしか使用することができなかった医薬品が街中の薬局でも購入できるようになった医療品のことです。どのような医薬品が対象になっているかは厚生労働省のホームページで調べられますよ。

スイッチOTC医薬品には必ず下記の目印が入っていますので、購入する際に確認してみましょう。

 

「セルフメディケーション税制」のポイントや所得の計算式などはこちらから!

※一人の人が医療費控除とセルフメディケーション税制の両方の申告は不可です。但し、セルフメディケーション税制の対象になっている医薬品を購入した際の費用を一般の医療費控除の金額に加算することは可能です。

確定申告前に医療費と併せて確認しておくことは?

確定申告で医療費控除を受ける時に併せて是非チェックしていただきたいのは、医療保険やガン保険の保障内容です。医療機関に行って治療を受けると医療費を支払うことになりますが、この医療費は家計にとってはかなり大きな負担となっています。

医療保険やガン保険の保障を確認しておくことで、いざ入院や手術をしなければならなくなった時に、「入院給付金が思っていた金額より少ない」「受けた手術が手術給付金の支払い対象にならなかった」ということにはならないかもしれません。

そんな心配をしないためには事前に医療保険やガン保険が「どういった場合」に「いくら支払われるのか」の確認が必要ですね。

医療保険やガン保険など、「自分の保険はどういう時にいくら支払われるの?」「保険に入ってないけど、自分や家族のためにいろいろ聞いてみたい」という方は、お近くの来店ショップ「保険クリニック」でご相談してみてくださいね。

 

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