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保険を学ぶQ&A
このコーナーでは、保険の選び方やお金にまつわる情報をお届けします。
さらに、「お金に関するネタ」や「季節のネタ」、「ちょっぴり気になる女子の疑問や悩み」について、全国の男女にアンケート調査を行った結果や解説もご紹介。あなたの「知りたい!」に答えます。このコーナーを読めば、お金や保険、ライフプランについて詳しくなれるはず。
<4月からの給料(総支給額)>
4月 203,250円
5月 210,063円
6月 245,637円
7月 236,185円
8月 220,145円
9月 216,814円
10月 199,950円
11月 198,150円
原則として、来年8月の改定まで同じ金額が続きます。
健康保険や厚生年金の保険料(社会保険料)は、給料の一定割合となっています。勤務先から支給される報酬(給料)は、残業の有無などによって毎月変わります。それに応じて保険料も毎月変わると煩雑だということで、1年間は同じ金額としています。9月から翌年の8月までを1年としていますので、原則として9月の金額が翌年の8月まで続きます。ただ、固定給部分の変動があり、支給額が大きく変わった場合など、一定の条件に該当すると変更になります。ご相談者様の場合も変更の条件に該当しなければ、来年の8月までは、9月に上がった金額が続くことになります。
では、改めて社会保険料の決まり方を見ていきましょう。毎月支払われる報酬を、区切りのよい幅で区分した等級に当てはめ、その幅の範囲内は同じ保険料が適用されます。この報酬には、固定給だけでなく、残業手当や通勤手当なども含まれます。
新規で採用された場合などを除いて、通常は4、5、6月の報酬の平均額を、等級区分に当てはめ、それに該当する健康保険料、厚生年金保険料の金額がその年の9月から翌年の10月まで続きます。これを「定時改定」といいます。
ご相談者様の場合、昨年の9月から今年の8月までは健康保険の17等級(厚生年金保険では14等級)という等級区分に該当していました。今年の4、5、6月の支給額の平均額は291,650円ですので、同18等級(同15等級)に該当し、等級区分が変わります。(東京都の場合。以下同)これによって社会保険料は上昇します。
随時改定が適用され、2等級上がりました。
先ほども触れたように、一定の条件に該当した場合にも変更があります。「随時改定」です。随時改定は次の3要件すべてに該当した場合に、固定的賃金の変動があった月から4か月目に行われます。(育児休業が終了した場合の改定は別途規定があります。)
1、昇給または降給などにより固定的賃金に変動があった。
2、変動月からの3か月間に支払われた報酬(残業手当などを含む)の平均額を等級区分に当てはめ、現在の等級区分と2等級以上の差が生じた。
3、変動月から3か月間の賃金支払いの対象となった日数が、いずれも17日以上である。
ご相談者様の場合、6月に固定給が上がりました(1)。そして6、7、8月はいずれも17日以上出勤しており(3)、その支給額の平均は233,989円で健康保険の19等級(厚生年金保険の16等級)と、それまでの同17等級(同14等級)と2等級以上の差が生じています。上記の3要件すべてに該当することになり、9月から随時改定で保険料が2等級分上がることになります。
ところでご相談者様は、9月からの定時改定では健康保険の18等級(厚生年金保険の15等級)、随時改定では同19等級(同16等級)となります。この場合、どちらが優先されるでしょうか?
7月から9月までの間に随時改定が行われる場合は定時改定が行われないことになっており、随時改定により変更された金額が翌年の定時改定まで続きます。ご相談者様の場合は、10月からは残業がなく、報酬が減っています。ただ、降給がない限りは随時改定の条件に該当せず、改定された金額が来年の8月まで続きます。
等級区分が2等級上がったので、保険料も2等級分上がっています。そのため、かなり上昇したように感じられたのでしょう。健康保険では保険料が上昇したことによるメリットは感じられませんが、厚生年金は老後に受け取る年金額が増加するなど、プラス面もあります。
(出典:保険クリニック「社会保険料が上がりました。いつまでこの金額が続くのでしょうか?/ファイナンシャルプランナー 村井 英一」、健康保険や介護制度をFPに相談、2018年1月掲載、https://www.hoken-clinic.com/teach_qa/health_insurance/24.html)