世界を駆け巡った20分超の地震 驚きの理由が判明!【20にまつわるエトセトラ】

20にまつわるエトセトラ

1999年、東京都文京区に第1号店が誕生した来店型保険ショップ『保険クリニック』は、今年20周年を迎えます。

そこで、20周年を記念して、「20」をキーワードに様々なことをみなさまにご紹介。20年前の出来事や現代との比較、20に関するトリビアなど、懐かしの話題から「へぇー!」という情報まで、楽しくお届けします。

2018年11月アフリカ東沖で発生しハワイにまで1万7000キロ以上離れた地震計にも記録された地震がありました。

何より驚きなのが、揺れはなんと20分間も続き、あまりに周期が長いため、”揺れ”だと感じた人がいなかったということ。

謎の地震とされたこの地震ですが、様々な理由が見えてきたそうです。

 

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20分間続いた地震は誰も気が付かなかった?

2018年11月11日に起きたこの地震、アフリカ大陸の東海岸とマダガスカルの北端とに挟まれる、フランス領マヨット島の24キロメートルほど沖で発生しました。
震動はザンビア、ケニア、エチオピアといったアフリカ諸国のみならず、チリ、ニュージーランド、カナダ、そして1万8000キロメートル近くも離れたハワイにまで到達した広範囲に及ぶものでした。しかし、20分という長い周期で起きたため、誰も揺れに気が付かなかったというこの地震。

この地震に気づいたのは米国地質調査所のリアルタイム地震観測モニターを見ていた、ハンドルネーム「@matarikipax」という地震マニアだったそうです。

彼がこの地震を示す奇妙なジグザグの波形の画像をツイッターにアップロードしたことが、世界中の研究者たちが震動の原因を探ろうとするという、別の波紋を広げたのです。

 

「似たものを今までに見たことがない」単調で奇妙な揺れ

地質学者たちを困惑させた理由の一つが、今までに記録されたどの揺れとも異なった、単調で奇妙な揺れでした。

通常の地震では、地殻にたまったひずみが解放される際に、ものの数秒で揺れが起こる。このとき、震源から「波束」と呼ばれる一連の波が生じる。そう教えてくれるのは、英国サウサンプトン大学の地震学者スティーブン・ヒックス氏だ。

最も速い波はプライマリー波、略してP波と呼ばれ、波が進む方向に伸び縮みが伝わる圧縮波である。次に来るのがセカンダリー波、略してS波と呼ばれ、波の進行方向に対して横に揺れる波だ。これらはいずれも実体波と呼ばれ、比較的高い周波数を持っている。「轟音というよりも、短い“ピン”という音のような感じです」とヒックス氏は言う。

最後に来るのは、ゆっくりとした揺れが長く続く表面波だ。マヨット島の奇妙な震動はこれに似ている。ヒックス氏によれば、強い地震になるとこの表面波が地球上を何度も回り、まるでベルを鳴らすようなのだと言う。

ところが、マヨット島沖で記録された地震には、表面波を引き起こすような大きな地震は先に起きていなかった。加えて、科学者が「単調」と表現する不思議な性質があった。大抵の地震は多くの異なる周波数の波を生じさせるが、マヨットの場合は、きっかり17秒ごとに繰り返す、きれいな波形が1種類だけ記録されていたのだ。

ナショナル ジオグラフィック「謎の地震が世界を駆け巡る、20分超継続、原因不明」より引用

 

原因は新たな火山の誕生だった!?

実は今回の震源地となったマヨット島では群発地震が続いており、この奇妙な地震も住民の心を穏やかではないものにしていました。

この地震も含め、フランス国立科学研究センターは、群発地震の震源地を探るため、パリ地球物理研究所(IPGP)のナタリー・フイエ氏とフランス海洋開発研究所のステファン・ジョリー氏が率いる調査船マリオン・デュフレーネ号を現場の海域へ派遣するなど、多方面から調査を続けてられています。

そんな中、ひとつの事実が見えてきたのです。

それは、どうやら新たな海底火山が生まれたことが大きな原因ではないかというのです。

2019年5月16日、このフランスの共同声明発表に合わせて、調査に関わっていたパリ地球物理学研究所のロビン・ラカシン氏は、ツイッターに2枚の画像を投稿。
そのうち1枚は「妊婦の超音波検査写真と同じ原理で撮影された」とされる写真で、新しく誕生した火山のエコー画像だったのです。

しかし、この地震についてはまだ全てが解明されたわけではありません。
現在も研究は続いており、また新たな事実が判明する日もそう遠くはないのかも知れません。

火山

 

自然と共に生きている

まさに自然の神秘。当たり前ではありますが、地球は今も活動をし、変化を続けているのです。

私たちはどれだけ文明が進み、様々な機械が発明されようとも、自然の一部であることに変わりはないことは、人間がこの地球に誕生してから今も変わってはいません。

地球の活動のひとつにより起きる地震などは「起きるかも知れない」のではなく、自然と共存する限り「必ず起きるもの」と考えて備えることが必要なものだという認識が不可欠なのかも知れません。

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今回の20分に及ぶ地震は幸いにも被害はなかったようですが、改めてご自宅などの備蓄を確認するきっかけとしてみてください。

 

<参考>
■ナショナル ジオグラフィック > ニュース > 謎の地震が世界を駆け巡る、20分超継続、原因不明
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/120400530/
■ナショナル ジオグラフィック > ニュース > 世界を20分以上駆け巡った謎の地震、驚きの調査報告が発表される
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/052300295/

<地震に対する備えは大丈夫? こちらで学びましょう!>
■春は見直しのチャンス!?学資保険・自転車保険・地震保険の気になるアレコレ<ラジオ番組H-Style Radio レポート>
https://media.hoken-clinic.com/news/7251/
■地震保険は必要?地震大国“日本”地震保険のすすめ
https://www.hoken-clinic.com/teach/column/earthquake/

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