共働き夫婦の夫が退職した場合、年金と健康保険はどうなるの?【お金と保険のQ&A】

お金と保険のQ&A

目次

保険を学ぶQ&A

このコーナーでは、保険の選び方やお金にまつわる情報をお届けします。
さらに、「お金に関するネタ」や「季節のネタ」、「ちょっぴり気になる女子の疑問や悩み」について、全国の男女にアンケート調査を行った結果や解説もご紹介。あなたの「知りたい!」に答えます。このコーナーを読めば、お金や保険、ライフプランについて詳しくなれるはず。

Question
私たちは30代の夫婦で、お互い正社員として共に働いております。しかし、最近私(夫)は同僚が会社を次々に去っていく姿を目の当たりにしており、会社の将来に不安を抱くようになってしまいました。そこで近いうちに自己都合退職をしようかとも考えています。もし私が退職した後しばらく仕事が見つからなかった場合、年金と健康保険はどのような制度に加入することになるのでしょうか

FPからの回答

会社員であるあなたが退職した後しばらく仕事が見つからなかった場合、年金と健康保険は次のようになります。

年金

退職後、あなたは厚生年金保険から外れますので、速やかに国民年金の手続きをする必要があります。手続きの方法は以下の2つの場合が考えられます。

  1. 退職後、妻の扶養に入れない場合
    妻の健康保険の扶養に入れない場合、あなたは国民年金の第1号被保険者となり、自分で年金保険料を納めることになります。なお、国民年金の第1号被保険者の手続きも会社ではやってくれませんので、自分たちで行う必要があります。手続きは住所地の区役所(市役所)で行います。
  2. 退職後、妻の扶養に入れる場合
    妻の健康保険の扶養に入れる場合、あなたは国民年金の第3号被保険者となることができます。国民年金の第3号被保険者は自分で年金保険料を負担しなくてよいので、しばらく仕事が見つからないなどあなたの収入が不安定な場合は検討をしてみると良いでしょう。手続きは妻の会社を通して行います。

健康保険

退職後、あなたが入る健康保険は以下の3つの場合が考えられます。

  1. 任意継続被保険者として辞めた会社の健康保険に加入する
    あなたが会社の健康保険に2カ月以上加入していれば、退職後も2年間は辞めた会社の健康保険に加入することができます。この場合の健康保険の被保険者を任意継続被保険者と言い、自己都合退職、会社都合退職を問わずなることができます。なお、任意継続被保険者になった後の健康保険料は会社が半分負担してくれることはなくなりますので、保険料全額を自分で負担することになります。したがって任意継続被保険者の健康保険料は退職時の2倍になりますが、月々の上限金額が決められているので後述する国民健康保険料よりは低く抑えられるのが一般的なようです。任意加入被保険者の手続きは管轄している健康保険組合を通して行います。
  2. 国民健康保険に加入する
    任意継続被保険者の2年が過ぎた後は、国民健康保険に加入することになるでしょう。もちろん退職後にすぐに国民健康保険に加入することもできますが、国民健康保険の保険料は前年の所得で決められるので、任意加入被保険者の保険料よりも割高になってしまうのが一般的なようです。したがって、任意継続被保険者から外れる2年後に国民健康保険の手続きをする方がよいと思われます。手続きは住所地の区役所(市役所)で行います。
  3. 妻の健康保険に扶養親族として加入する
    退職後しばらく仕事が見つからなかった、見つかってもパート等で健康保険に加入してないという場合、妻の健康保険に扶養親族として加入することも検討しましょう。ただし妻の健康保険の扶養親族になるためには、夫の年収が130万円未満でかつ妻の年収の半分未満という年収制限をクリアしなければなりません。また、妻の健康保険が組合けんぽの場合、その組合独自の規定があったりしますので、夫が扶養親族に該当するのかどうかあらかじめ組合けんぽに確認をするようにしてください。

(出典:保険クリニック「共働き夫婦の夫が退職した場合、年金と健康保険はどうなるの?/ファイナンシャルプランナー 浜田 裕也」、健康保険や介護制度をFPが解決!、2013年3月掲載、(https://www.hoken-clinic.com/teach_qa/health_insurance/1.html

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