このまま妊活をするのと田舎にマイホームを建てるかで迷っています。【お金と保険のQ&A】

お金と保険のQ&A

目次

保険を学ぶQ&A

このコーナーでは、保険の選び方やお金にまつわる情報をお届けします。
さらに、「お金に関するネタ」や「季節のネタ」、「ちょっぴり気になる女子の疑問や悩み」について、全国の男女にアンケート調査を行った結果や解説もご紹介。あなたの「知りたい!」に答えます。このコーナーを読めば、お金や保険、ライフプランについて詳しくなれるはず。

 

Question
今、2歳と0歳の子供がいます。子どもはもう1人欲しいのですが、妊活を優先した方がいいか悩んでいます。育休明けには職場復帰の予定で、保育園は申請していますが、妊娠することで職場に迷惑をかけてしまったり、出産後の保育園継続などを考えるとためらってしまいます。実は、田舎の方に安い土地を見つけたので、自宅を建てて転居することも考えています。その場合は、私が専業主婦になりますので、もう1人は難しいと思います。ただ、近隣の幼稚園の環境が良いのと、老後のことを考えると持ち家があった方がよいので、迷っています。

問題を整理して、大枠から考えましょう。

いただいたご質問を拝見すると、家計のことから、ご家族、お仕事のことまで、さまざまな心配があり、悩みが複雑になってしまっているようです。ここは、問題点を整理して、より良い方法を考えましょう。

まず、今は賃貸住宅にお住まいで、3人目のお子さんが欲しいと思っていますね。育児休業が終わったら、お子さんを保育園に預けて、職場復帰される予定です。その場合の問題点は、妊娠することで職場に迷惑をかけてしまうのではないか、という点と上の子の保育園が継続できるかという点です。

一方、田舎に戸建て住宅を建築し、移り住むことも考えていますね。すでに条件の良い物件が見つかり、子どもや老後のことを考えると、魅力的です。ただ、こちらの場合を選択すると、仕事を続けるのが難しく、少なくとも下のお子様が幼稚園に入るまでは専業主婦となりそうです。収入減を考えると、3人目のお子さんはあきらめなければと考えています。

さまざまな要因を考慮すると、選択が難しくなります。一挙にすべてを解決することはできませんから、どちらを選んでも必ず困難なことにはぶつかります。周りに迷惑をかけたり、協力してもらうこともあるかと思いますが、今から心配していたのでは、夢はかなえられません。

問題が起きたら、その時その時に解決していくとして、ここでは「家計が成り立つか」という大枠だけ考えましょう。

ご夫婦の働き方次第で、両方の夢をかなえることも可能です。

グラフ1

いただいた条件に基づいて、将来の家計状況を分析してみました。

「今の賃貸住宅のまま、3人目の子供を授かり、保育園に預けてご主人の扶養の範囲内で働く」場合を見てみます。家族が増える分、生活費や教育費が増加しますが、ご相談者様が年収120万円程度の収入で働き続けられれば、家計が行き詰ることはないでしょう。

ただ、家賃の支払いが続くと老後の生活に余裕がなくなりますので、いずれはご自宅の購入を検討したいところです。

グラフ2

「田舎でご自宅を建築して転居する。3人目は断念し、子どもが幼稚園に入園したら働く」場合はどうでしょう。この場合、当面の収入は少なくなりますが、支出も抑えられますので、将来に心配はありません。住宅ローンが終わると住居費が少なくなり、老後には余裕も生じてきます。資金的な計算だけで比較すると、田舎に転居する選択肢の方が老後の余裕が大きくなります。

ただ、どちらを選んでも、家計が行き詰ってしまう心配はありませんので、ご夫婦のご希望で選んでいただくことができます。

グラフ3

もう1つ、選択肢を加えてみてはいかがでしょうか?

必ずしもどちらかを選んで、田舎暮らしや3人目のお子さんをあきらめる必要はありません。田舎暮らしと3人目のお子さんの両方の夢をかなえた場合も分析してみました。

すると、お子様が幼稚園に入って扶養の範囲内で働いた場合は、やがて貯蓄が枯渇し、家計が破綻する可能性があります。しかし、年収120万円程度の収入が得られれば、なんとかやっていけます。勤務先によっては社会保険に加入することになりますが、その分老後に受け取る年金額も増えてきます。

最近は、地方の方が保育園に入りやすい傾向がありますので、十分に実現可能です。もちろん、お子さん3人となればご主人様の協力も必要です。

最終的にはご夫婦での判断となりますが、いずれを選んでも多少の困難は生じます。その時に前向きに乗り越えられるように、希望をあきらめずに、できるだけ実現されるようにお勧めいたします。

 

 

(出典:保険クリニック「このまま妊活をするのと田舎にマイホームを建てるかで迷っています。/ファイナンシャルプランナー村井 英一」、FPが教える家計の学校、2018年3月掲載、https://www.hoken-clinic.com/teach_qa/detail223.html

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