このコーナーでは、保険の選び方やお金にまつわる情報をお届けします。
さらに、「お金に関するネタ」や「季節のネタ」、「ちょっぴり気になる女子の疑問や悩み」について、全国の男女にアンケート調査を行った結果や解説もご紹介。あなたの「知りたい!」に答えます。このコーナーを読めば、お金や保険、ライフプランについて詳しくなれるはず。
子どものいない夫婦で、ふたりとも40代に突入しました。
将来、パートナーに先立たれてひとりになったら、高齢者施設に住み替えることを考えています。
住み替えに対して、保険で備える方法はありますか。
FPからの回答
高齢者施設への住み替えのために、保険を活用する方法は主に2つあると思います。
ひとつめは、入居一時金に充てるために、終身保険を活用する方法。
もうひとつは、月々のランニングコストに充てるために、個人年金保険を活用する方法です。
まず、終身保険を活用する方法からご紹介しましょう。ご夫婦それぞれが、相手側(夫なら妻を、妻なら夫を)保険金の受取人として終身保険に加入して、先に亡くなった方の死亡保険金は、入居一時金などをはじめとする、入居時の費用に充てる方法です。
実はこの方法。我が家でも実践しています。
私、あるいは夫のどちらが先に亡くなっても、遺された側が自宅を売却したり、手元の貯蓄に手を付けずに高齢者施設に入居できるように、お互いを保険金の受取人として終身保険に加入しているのです。
インフレなどに備えて、一部には変額終身保険を利用しています。
次は、個人年金を活用する方法について。パートナーに先立たれてからの住み替えの場合、公的年金の受給額は2人で年金を受け取っていたときよりも減ってしまいます。
減った年金で月々のランニングコスト(管理費や食事、住居費など)を支払うと、月の収支が赤字になってしまうケースが少なくありません。赤字が1~2万円程度ならよいのですが、ひと月5万円を超えるようなケースでは、長生きすればするほど「貯蓄が底を突くのではないか」という不安を抱えることになってしまいます。
そのような不安を軽減するためには、自宅を売却して貯蓄を増やす方法もありますが、住み替えたところを終の棲家にできるか、否かを見極めるまでは、つまり戻る自宅がなくなっても暮らしていける自信が持てるまでは、自宅の売却をお勧めできません。
そういう意味では、個人年金保険からの年金が定期的に受け取れると、高齢者施設へ住み替えたときでも、月々のランニングコストの赤字を抑えたり、施設に支払うお金以外の生活費のねん出もできて、不安を軽減できるのではないでしょうか。
(出典:保険クリニック「高齢者施設への住み替えのために、保険を活用する方法/ファイナンシャルプランナー 畠中 雅子」、健康保険や介護制度をFPが解決!、2013年4月掲載、https://www.hoken-clinic.com/teach_qa/pension/)