話題になった二千円札はいまどこに?【20にまつわるエトセトラ】

20にまつわるエトセトラ

1999年、東京都文京区に第1号店が誕生した来店型保険ショップ『保険クリニック』は、今年20周年を迎えます。

そこで、20周年を記念して、「20」をキーワードに様々なことをみなさまにご紹介。20年前の出来事や現代との比較、20に関するトリビアなど、懐かしの話題から「へぇー!」という情報まで、楽しくお届けします。

2019年5月1日から、日本は新たな『令和』という節目を迎えます。
和暦の変更を祝して、様々な記念品が巷には溢れ、またビジュアル系エアーバンド『ゴールデンボンバー』が新年号の発表1時間後には「令和」という曲を発表し、まさに盛り上がりは絶好調。

また千円、五千円、一万円とお札の顔が変わることも決定。
500円玉も新技術が導入され、より偽造が難しいものへと変わるというニュースも日々流れています。

そんな中、ふと懐かしく思うのは1999年、20年前に発案され、20世紀最後の2000年を記念して作られた「2000円札」

しかしなかなか見なくなったよ、という方が日本ではほとんどかと思われます。
もしかして出回らなくなったのかしらと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でも実は○○では日常的に今も使われているのです!

2000円札対応の機械をどうするのかなど、過去、日本の経済に大きな変化を与えた2000円札の今を追います。

 

目次

そもそも2000円札はどうして作られたの?

さて世間を賑わせた2000円札でしたが、そもそも誰が発案したのでしょうか?

第26回主要国首脳会議(沖縄サミット)と西暦2000年(ミレニアム)をきっかけとして、1999年(平成11年)に当時の小渕恵三内閣総理大臣の発案で、2000年(平成12年)7月19日に森内閣の元で発行された。

出展:ウィキペディア「二千円紙幣」

実はアメリカやイギリスでは100ドル札・100ポンド札よりも、20ドル札・20ポンド札の方が流通量が多いという実例を受け、日本でも利便性があるはずだと考えられたため、発行されたそうです。

また理論的には1000円札の半分くらいの流通量が2000円札に変わるであろうと想定されていました。

 

どうして普及しなかった?

しかし結果として2003年度までに8億8000万枚が製造されたのですが、流通量は2004年の約5億枚をピークに減少し、近年は1億枚弱で推移していると言われています。

先ほどのような根拠や理論があったにも関わらず、どうして日本中で普及しなかったのでしょうか。

大きな理由にATMなどの銀行の対応が追い付かず、またレジでも2000円札の場所がないなど、不便さを感じたところが大きな原因ではないかと考えられています。

ATM

 

○○では人気!定着していた2000円札

ここまでお話をしてきたのは、ある県を除いてのお話。

じつはあの県では2000円札は今でもしっかり流通しており、むしろ定着しているのです。

それはお札の絵柄となった「首里城の守礼門」のある沖縄県。
沖縄県では流通促進が功を奏し、流通量は右肩上がり。
日銀那覇支店によると、沖縄県内の発行高は約637万枚とされています。

首里城

 

沖縄で行われた「促進運動」って?

2005年に沖縄県で発足した「二千円札流通促進委員会」は当時の県知事や銀行・企業などが参加。
ATMや両替機での供給対応、小売店やホテルでのおつりを2000円札で行うよう依頼するなどの活動が行われました。
実は2011年に解散しているのですが、その名残が強く残っているため、今でも流通量が上がっているのです。

琉球銀行のATMには「2000円札優先ボタン」
沖縄銀行のATMでは「2000円札不要ボタン」を押さない限りは2000円札が優先的に出てくるよう設定されているそうです。

 

残念ながら日本全体の流通量は減りつつあり、新たな製造の予定もない2000円札ではありますが、沖縄県の方々の強い郷土愛からも沖縄で流通し続けます。
しかしお札自身の寿命は流通量の多いものでも1~2年と言われているのも事実。
増刷されない限りはどうしても流通量は減り続けます。

もしかするとどんどんプレミア価値が増しているのかも知れません。

あなたのお家に今、2000円札はありますか?

 

<参考>
■ITmedia NEWS > 紙幣刷新のなか……あの2000円札はどうなった?
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1904/12/news066.html
■FNN Prime > 刷新されない2000円札…そもそもどんな“流通意図”で発行されたのか聞いた
https://www.fnn.jp/posts/00044630HDK

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