伝わる話し方とは? すぐに実践できる3つのコツ <伝え上手になるヒミツ Vol.3>

【コラム】暮らしをワンランクアップ

「伝え上手」になるための3つのステップを、伝達のプロ・板羽 柚佳(いたは ゆか)さんに3回に渡って伝授していただくシリーズ。第1回目は、伝える作業は伝える前から始まっていること、そして、きちんと最後まで伝えきるために必要な準備の部分、すなわち<目的意識>について、そして第2回目は、より、聴き手に興味を持ってしっかり聴いてもらうための極意について、教えていただきました。

最終回となる今回は、板羽さんが実際にナレーションをする際や司会でフリートークをする際にも活用されている、伝わる話し方のテクニックをいくつかご紹介いただきます。

 

新型コロナ自宅や療養施設でも保険金・給付金は請求できる
新型コロナで入院

今すぐ実践できる伝わる話し方の3つのコツ

実践していただきたいのは、<印象の良い声で話すコツ> <より効果的な目配せのコツ> <より深く聴いてもらうコツ> この3つ。
特に自分の声がどうしても好きになれない、なんだかやっぱり聴いてもらえてない……という方は、この3つのコツをうまく掴めば変わることができます。最後まで是非読んでください。

 

印象の良い声で話すコツは?

まず、口角を上げます。次に、頬の中央あたりにチカラをいれます。この2つを意識して声を出すと、良い声が出やすくなります。その理由は、この状態を意識して話すと、母音が「オ」である文字の言葉を発する際に自然と力が入り、声に響きが加わるようになるからです。

といっても、これら2つのことをしながら、声を出す、というのは難しいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。実はこの2点、もっと簡単にできてしまう方法があります。それは、<笑顔>です。是非、一度、鏡の前で笑顔を作って、話してみてください。いつもと少し違う声が出ていることに気づくと思います。これを、わたしは、ナレーションの現場で、“声を笑わせる”と表現しています。

 

伝わる効果的な目配せのコツ

大きく2つのパターンに分けて、お伝えします。

まずは、マンツーマン、あるいは2、3人程度の少人数で対面距離が1メートル以内の場合。人は目線がきっちりと合うと本能的に怖さを感じ、緊張してしまうことがあります。聴き手はもちろん、話す側も自ら緊張を招いてしまう可能性があります。そこで、相手の目を見ているように見えて、実はそうでない目線の置き場をお教えします。それは、聴き手の目の少し下のあたりです。そこを見ながら話をすると、お互い、緊張することなくコミュニケーションを取ることができます。是非、一度、ご家族やお友達と話すときに試してみてください。

また、10人以上の大人数に対してスピーチなどをする際は4点目配せが効果的です。話をしながら、自分のおでこにサーチライトがついているイメージで、会場の左側、右側、手前、奥、の順に会場内を順番に照らしてくイメージで目配せをしてみましょう。聴き手は、目線があったと感じ、親近感がわき、話を聴く態勢が強化されていきます。

 

より深く聴いてもらうコツ

では次に、とても簡単なのに知っている人が少ない、とっておきのコツをお伝えします。

時々、とにかく話さねば!と、一生懸命話している人を見かけますが、実はそれ、NGです。前回、お伝えしましたが、人は、自分事になって初めて、相手の話に興味を持ちます。自分事にしてもらうためには、伝えている内容について共感をさせたり、考えてもらう必要があります。考えたり、感情が動いたりしているのに、さっさと次の話に移られてしまったら、どうですか?聴いている側としては、興ざめしてしまいますよね。

では、どうすれば、より自分事と捉えてもらえるのでしょうか?

話している内容についてどう思うか、あるいはどう考えるか、聴き手に投げかけて、話すことを少しの間、止めるのです。これを<余白、間をつくる> <行間を空ける>といいます。話すことを少しの間止めるという作業、話すことをやめるだけ、つまり黙るだけですので、とても簡単だと思うのですが、これがなかなかに勇気のいる作業のようで、トレーニングを受けに来られるクライアントさんの多くがここで悩まれます。

黙っている間、どうしていたらいいのですか?とよく聞かれます。簡単です。引き続き、口角を上げて、頬にチカラを入れた状態をキープしておくだけでいいのです。先にお伝えした、印象の良い声が出るようにしておくだけでよいのです。笑顔でいることで聴き手側へ安心感を与えることもできます。

いかがでしたか? 伝え上手になる3つのステップ。
伝え上手ということで、どうしても話すことにフォーカスしがちですが、実は話すことよりももっと他に大切なことがあるということをお伝えさせていただきました。実は、まだこのほかにも、伝え上手になれるいろんなコツがあり、もっとお伝えしたかったのですが、それは、また、何かの機会にできればなと思っています。

日本人は世界的に見ても謙虚で自己アピールなどがあまり得意ではない民族です。でもその特性を生かして、話す以外の部分でコミュニケーション力をアップしていけたら素晴らしいと思い、お伝えいたしました。少しでもお役に立てると嬉しいです。是非、今日から実践してみてください。もちろん、その前に準備をお忘れなく!

 


板羽 柚佳(いたは ゆか)

オフィスシナジー代表伝達のプロ。「いたはゆか」としてレポーター、ラジオDJとしてデビュー。以来、関西をベースに、ナレーター、声優として活動。有名企業のCMや番組などを多数担当。現在は、MBS系で人気のスポーツ番組「戦え!スポーツ内閣」を担当している。パラレルキャリア推進派。自宅にフラスタジオを構えフラを教えるかたわら、コミュニケーションコーチングやスピーチトレーニングなども行っている。20年以上のキャリアの中で確立させてきた、さまざまなシチュエーションでの、効果的な伝え方を、誰にでもできる方法でわかりやすく教えている。1973年生まれ、乙女座、B型、2人の娘を持つ母でもある。
教育資金バナー