将来は海外で活躍!? グローバル人材に必要とされる7つの能力と子育て時にできること<子どものグローバル感覚 vol.2>

【コラム】暮らしをワンランクアップ

日本にいながらにして、さまざまなグローバル体験もできる時代。グローバル人材のニーズもますます高まっています。
子どもには世界で活躍できる人になってほしい!と思い描き、色々な習い事を嗜ませている保護者の方も多いでしょう。
本記事では、海外はスイスをはじめとしたヨーロッパの国々や東南アジア、日本国内では東京と八ヶ岳を行き来しながら多拠点生活中、グローバルに精通した藤森茉莉さんに、グローバル感覚や国際的な教養を身につける上で重要な要素をご紹介いただきます。前編では、グローバル感覚や国際的な教養を身につける上で重要な要素の1つである土地勘について教えていただきました。後編の今回は、グローバル人材に必要とされる7つの能力と子育て時にできることについて教えていただきます。

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ポジティブで分かりやすい意思疎通ができる! 【語学・コミュニケーション能力】

ここでいう語学力とは、意思疎通をするための基本的な“手段”である言語の能力のこと。コミュニケーション能力とは、双方向の意思疎通全般を意味し、言語以外の非言語領域も含みます。相手の話への理解力、わかりやすい書き方話し方、伝わりやすさなどの能力は、コミュニケーション能力です。

想像する子どもたち

当然ですが、語学力は重要で、海外でのコミュニケーションの主軸となります。特に世界の共通言語である英語力は基本中の基本です。しかし外国語を流暢に話せても、コミュニケーション能力が低い人は、グローバルに活躍できる人材の素質が足りないと言えます。筆者も海外で仕事をしながら、そのような人をたくさん見てきました。

例えばアジアの国々において、ビジネスの世界では英語が共通言語となりますが、国によって特有の訛りがあります。そのため欧米では完璧と思われる英語の発音やスピードで話をしても、アジアでは逆に伝わらないこともあります。ハイレベルな熟語やスラングも、伝わらないことも多くあります。相手の反応をよく見ながら、誰にでもわかる、誤解を生まない発音と単語を選びながら英語で話をする必要がありました。

世界で活躍できる人材になるためには、ただ語学が堪能であるだけでは不十分で、そこにコミュニケーション能力も伴っていることが重要です。

語学力・コミュニケーション能力の培い方についての詳細は、また別の機会に紹介できればと思います。日本語も外国語も含め、子どものうちから言語感覚の基礎固めができるといいですね! 特に3歳までは、親や周りの大人の語りがけが重要だそうです。         

失敗をダメなことだと思わない! 【積極性・チャレンジ精神】

海外で活躍するグローバル人材になるためには、自ら道を切り開いていける主体性や積極性が必要です。

当たり前ですが、海外にいる時に日本人はアウトサイダー。誰かの指示を待っているだけでは、何も起きずにその場に埋もれていく一方。たとえ答えがない状況でも、自ら考えて自ら行動できることは、海外で活躍する上で大事な要素です。

日本の教育プログラムも、指導要領の上では以前よりも子どもの主体性を促すことがより意識される内容へと変わってきているようで、“習得した知識をもとに自分で考え、表現したり判断したりできるか”ということが評価対象となっています。(参照:文部科学省公式サイト

保護者が思い込みに囚われることなく、子どもたちが自ら学び、考え、表現できる環境をサポートしてあげたいですね!

また、積極性の延長として、常識にとらわれず新しいことへチャレンジできるメンタリティも必要です。世の中の大半の人はチャレンジしないと言われています。チャレンジすることは楽ではありません。周りの大人は子どもの好奇心を潰すことなく、様々なことにチャレンジさせてあげるようにしましょう。

そして、失敗しても立ち直ってまたチャレンジできる様な声がけをしてあげられると良いかもしれません。

IDEAを模したイラスト

相互理解のキホンのキ! 【多様性への理解・柔軟性】

海外では島国日本とは全く違う、多様なバックグラウンドをもつ人々と関わる中で、予想できないことや自分にとっての常識を超える出来事もたくさん起こります。人との関わりだけでなく、気候や環境の違いもあり、日本にいる時よりも身体のコンディションを整えることも容易ではありません。

グローバルなフィールドでは、自分の感覚や日本のやり方が当たり前だとは限らないということを自覚し、多様性への理解を深め、想定外の状況でも冷静に対応できる柔軟性を持ち合わせる人材である必要があります。

また、多様性の中での自分を認識するためには、自分のこと、日本のことへの理解も重要です。保護者も、日本から見た他国、他国から見た日本など多角的な視点があることを自覚しながら子どもに接することで、自分の知る世界だけが全てではないという感覚が身についていくかもしれません。

映画や本に積極的に触れることも、自分の知らない世界のことを知るきっかけになり、教養も身につきます。

プチ成功体験の積み重ね! 【やりぬく力・責任感】

前項同様、海外では予想外の出来事や、日本の感覚では解決が困難なことも起こり得ます。

国内でも海外でも同じですが、ビジネスの世界ではあらゆる逆境をもっても諦めずにやり抜くことができる責任感があることは重要です。

保護者としては子どもが何かしていると手伝ってあげたくなってしまうものですが、どんなに小さなことでもいいので年齢に応じた役割を与えてあげながら、“やり遂げる”という経験を積めるといいですね。

人から信頼されるポイント!【総合的な人間力・論理的思考】

やはり、海外でのやり取りでも信頼されるのは、人間力のある人。

知性、優しさ、リーダーシップを兼ね備え、他責にせず、自分を反省する勇気のある人格が形成されるまでは、それなりの時間がかかるでしょう。

子どもは幼少期に接する大人たちから多くの影響を受けているそうです。大人も一緒に、いつまでも成長するつもりで子どもに接したいですね。

そして、論理的思考の力。
本記事で挙げられている、コミュニケーション能力、失敗を恐れない積極性、多様性への理解や柔軟性、責任感、人間力、これら全てを培う上で非常に重要になるのが、論理的思考です。

ひとつひとつの能力を磨いていくには、論理的思考が必要不可欠です。

論理的思考を養う方法は色々あるでしょう。

本をたくさん読むこと(多読)は子どもが論理性を育む有効な方法としてよく例に挙げられますが、本が好きじゃないという子どもにはパズルやアプリでも良いかもしれません。普段の会話で、大人が“それってどういうこと?”、“なぜそう思ったの?”、“じゃあどうしたらいいのかな?”など質問をして子どもが答えを考える機会を増やすことも有効と言われています。

 

本記事では、特に仕事の上でグローバル人材に必要と言われる7つの能力について紹介しました。将来グローバルに活躍できる人材になれるような子育てをしたい、と考えている方は、子どもの可能性を広げるヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。

 

藤森茉莉
大学で社会学や教育を学び、人類学的視点に興味を持ったことをきっかけに友人らとスリランカへ足繁く通い、現地の人々と南国での共同生活を経験。
2015年に大学を卒業後、就職先でスリランカやミャンマーでの海外事業責任者を経験。2021年のミャンマー軍事クーデターによる緊急帰国をきっかけに、WEBマーケティングで独立。
現在は、海外はスイスをはじめとしたヨーロッパの国々や東南アジア、日本国内では東京と八ヶ岳を行き来しながら、多拠点生活中。

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