子どもを連れて、ハワイに行きたい。確実に貯めるために旅行積立を利用したいのですが、注意点はありますか。【お金と保険のQ&A】

お金と保険のQ&A

目次

保険を学ぶQ&A

このコーナーでは、保険の選び方やお金にまつわる情報をお届けします。
さらに、「お金に関するネタ」や「季節のネタ」、「ちょっぴり気になる女子の疑問や悩み」について、全国の男女にアンケート調査を行った結果や解説もご紹介。あなたの「知りたい!」に答えます。このコーナーを読めば、お金や保険、ライフプランについて詳しくなれるはず。

Question
小学生の子どもがいる30代夫婦です。2~3年のうちに、子どもを連れてハワイに行きたいと考えています。旅行積立を利用しようかと思うのですが、仕組みなどがよくわかりません。メリットとともに、注意点などもあれば教えていただけると助かります。

旅行積立は大手旅行会社で扱っている商品で、一時払いや月払いでお金を払い込むと、満期時にサービス額が上乗せされた旅行券が受け取れます。サービス額を金利に直すと、1~3%程度になり、預金と違って税金もかかりませんので、旅行費用に限定した金融商品と考えれば有利な条件の商品です。

旅行積立は一時払いなら、6か月後から受け取れるものもあります。積立の場合は、1年以上は積立てるのが一般的です。今回は2~3年先のハワイ旅行ということで、積立形式の旅行積立を利用する流れになるでしょう。

金利が高めだという点以外にも、旅行積立をおこなうと、旅行費用を家計費とは切り分けて、準備できるメリットもあります。「ハワイ旅行に行きたいなあ」と願っていても、金融商品で貯めている場合は、車の買い替え費用として使ってしまったり、住宅ローンの繰り上げ返済費用に充てたくなるなど、別の用途に使ってしまうケースも少なくありません。その点旅行積立は、旅行費用に充てることを目的に、家計の貯蓄とは取り分けて考えられるので、旅行を実現しやすくなると思います。

利用したいツアーを調べてから申し込みを

メリットをご紹介した上で、注意点もあります。旅行積立を選ぶ際、利率の高さだけに注目せず、自分が参加したいツアーを多く扱っているかを調べてみる必要があります。最近では、他社のツアーを扱うケースが増えているとはいえ、自分が利用したい価格帯や宿泊先、航空会社のツアーを扱っているとは限りません。積立期間が無事に終了して、サービス額が付いた旅行券を受け取ったにも関わらず、その会社では扱っていないツアーに参加したくなってしまったら、積み立てた意味が半減してしまうからです。

ハワイのような人気の旅行先は、どの旅行会社も売れ筋プランを持っているはずですから、どの会社のツアーに参加したいかを考えてから、旅行積立を利用する会社を決めましょう。
私自身も旅行積立は、20年くらい前からずっと利用してきています。いろいろな会社の積立てを利用してきましたが、過去に何度か、旅行積立は終了したのに、別の会社のツアーに参加したくなって、チケットショップで換金した経験があります。当時は、積立利率が5~6%くらいありましたので、換金しても元本割れはしませんでしたが、今の利率ですと、元本割れする可能性があります。換金せずに、旅行費用に使えるように、慎重に旅行会社を選んでからスタートさせてください。

旅行券は郵送の必要あり

また航空会社の旅行積立を利用する場合、ツアーではなく、航空券の購入に旅行券を使いたいと考える方もいるでしょう。旅行券を航空券代の支払いに使うこともできますが、ネットで航空券を予約した場合でも、旅行券は空港のカウンターに持参するか、指定された場所に簡易書留などで郵送しなければなりません。ふだん、クレジットカードで航空券代を決済しているならば、郵送の手間を面倒に感じるかもしれません。

そして、もうひとつ。受け取った旅行券には、旅行券が発行されてから5年や10年など、有効期限が設けられているのが一般的です。有効期限内に使わないと、紙切れ同様になってしまいます。しかも有効期限が近づいてからチケットショップで換金しようと思っても、有効期限が近い旅行券は引き取ってもらえない可能性もあります。

満期時の設定にも、注意点があります。サービス額が上乗せされた旅行券を受け取って、有利にハワイに行きたいと思うなら、旅行に行く時期の半年くらい前を満期に設定するのがおすすめです。半年くらい前を満期にするのは、旅行の申し込みをする時間を確保するためです。旅行に行く時期を満期にしては、代金支払いに間に合わない可能性もありますので、満期時期は少なくとも半年くらい前に設定されることをおすすめします。

(出典:保険クリニック「子どもを連れて、ハワイに行きたい。確実に貯めるために旅行積立を利用したいのですが、注意点はありますか。/ファイナンシャルプランナー畠中 雅子」、FPが教える家計の学校、2016年9月掲載、https://www.hoken-clinic.com/teach_qa/detail161.html

教育資金バナー