このコーナーでは、保険の選び方やお金にまつわる情報をお届けします。
さらに、「お金に関するネタ」や「季節のネタ」、「ちょっぴり気になる女子の疑問や悩み」について、全国の男女にアンケート調査を行った結果や解説もご紹介。あなたの「知りたい!」に答えます。このコーナーを読めば、お金や保険、ライフプランについて詳しくなれるはず。
ある保険会社から、一時払の外貨建生存給付金付養老保険への加入をすすめられています。外貨建て保険は、加入しても大丈夫な保険なのでしょうか?
加入がおすすめであれば、米ドルと豪ドルではどちらの通貨を選択すべきでしょうか。自分自身で加入する保険が、これがはじめてで迷っています。
父から受け取った死亡保険金を活用するため、銀行預金で寝かせておくよりは、少しでも運用して、増やせればうれしく思います。自分が受け取って使うというよりは、自分の子どもに継承する形で、遺せればと考えています。
目次
FPからの回答
まずは、外貨建て保険に入ることの是非について、お答えしたいと思います。
結論から申し上げますと、保険料の運用にかかわる予定利率については、円建て保険よりも外貨建て保険のほうが、有利な利率になっています。
「外貨の変動」というリスクはつきまとうものの、加入するのはキケンな保険ではありません。
外貨初心者であれば、米ドル建てから入るのがおすすめ
初めて外貨建て保険を利用されるのであれば、基軸通貨でもあり、為替レートの変動がわかりやすい米ドル建てが無難だと思います。
現在の積立利率は、米ドルの場合3%台半ばから、中には4%台のものもあります。
ちなみに、円建ての保険に入ろうとすると、予定利率は1%以下になっているのが一般的です。
とはいえ、為替の変動については、この先の動き方を的確に見通すのは困難なため、米ドル建てと豪ドル建てに分けて加入する方法もあります。
オーストラリアは世界でも有数の資源国でもあり、面積に比べて人口は少ないものの、経済面でも好調に推移している国ともいえます。格付け面も高い国ですので、2つのドルに投資するつもりで、分けて加入されるプランも検討されてはいかがでしょうか。
いずれのケースでも一時払いで加入する場合は、保険料を支払う時点の為替で、その後、運用に回されますので、為替レートの動きを見つつ、少しでも円高に動いたタイミングで保険料を支払うことをおすすめします。
また満期のある養老保険に加入する場合は、満期を迎えた後、保険金をそのまま受け取らずに、外貨のまま、置いておけるか、否かを確認することが欠かせません。
加入した時点よりも、円安方向に為替が動いていればいいのですが、万が一、大きく円高に動いてしまった場合は、しばらく外貨のままに置いておけるほうが安心だからです。
そういう意味では、当面、使う予定のないお金であれば、養老保険ではなく、終身保険のように満期のないタイプを選択する考え方もあります。養老保険と終身保険の両方の提案書を作成してもらって、比較検討することをおすすめします。
(出典:保険クリニック「外貨建て養老保険をすすめられていますが、おすすめの保険でしょうか。おすすめであれば、米ドルと豪ドルのどちらを選択するべきですか。/ファイナンシャルプランナー 畠中 雅子」、健康保険や介護制度をFPが解決!、2018年5月掲載、(https://www.hoken-clinic.com/teach_qa/hoken/34.html)