このコーナーでは、保険の選び方やお金にまつわる情報をお届けします。
さらに、「お金に関するネタ」や「季節のネタ」、「ちょっぴり気になる女子の疑問や悩み」について、全国の男女にアンケート調査を行った結果や解説もご紹介。あなたの「知りたい!」に答えます。このコーナーを読めば、お金や保険、ライフプランについて詳しくなれるはず。
FPからの回答
海外留学中の年金加入はどうなるのか、万が一大けがをした場合、障害年金はもらえるのか、親御さんとしては、わが子の留学は希望と同時に、様々な心配もわいてきますね。
国内の学校に在籍している場合は、20歳になると、収入の有無に関わらず国民年金の第1号被保険者となり、保険料を納付しなければなりません。ただし現実には、多くのお子さん(学生)が、『学生納付特例制度』を申請して保険料納付の猶予を受けているかと思います。さて、留学中の国民年金加入はどうなるのでしょうか。海外在住者の年金加入については、働き方や立場によって様々ですので、今回は、「若年者の海外留学中」に絞って、その間の年金の義務についてご説明します。その後で、留学中に障害を負った場合に障害年金はもらえるのかについてもご紹介します。合わせて、『海外在住者の国民年金任意加入制度』についても、最後にご紹介しておきたいと思います。
留学中に加入義務はないが、任意加入すれば障害年金の資格を得る
1 海外留学中は、国民年金に加入するのか?
結論からいいますと、留学中は加入の義務がありません。その理由は、国民年金第1号被保険者の条件が「日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者」となっているため、海外への「転出届」を提出した段階で、第1号被保険者ではなくなる(被保険者の資格を失う)ということになります。加入の義務がないので、当然、保険料の納付もありません。
2 海外留学中に障害を負った場合、障害年金はもらえるのか?
国民年金の被保険者資格を失っている間に障害を負うような病気やケガをしたらどうなるのでしょうか。
障害年金を受給するためには、そもそも、その障害の原因となるケガや病気の「初診日」が、被保険者の期間中でなければなりません。ということは、海外留学中に、障害を負うような病気やケガをした場合は、初診日が被保険者の資格を失っている間になってしまうので、障害年金はもらえない、ということになります。
3 海外在住中の国民年金任意加入制度について
留学(海外に転出)と同時に国民年金の被保険者としての資格を失うことになりますから、万一に備えるためには、別途に手続きをして国民年金に加入していればよいことになります。国民年金には「任意加入」という制度があり、2のリスクをカバーできます。つまり、海外在住中は加入の義務はないが、任意に加入の手続きをすることで、海外在住中も1号被保険者としての資格を持つことができる、ということです。
なお、任意加入した場合、海外の大学等は学生納付特例制度の対象外ですから、保険料の納付猶予制度はなく、保険料を払うことになります。
海外在住中に障害を負うようなことは稀でしょうが、絶対にないとは言い切れません。また、納付した保険料は無駄になるわけではなく、将来の年金額に反映されますので、できるだけ任意加入をした上で、海外に行かれることをお勧めします。
(出典:保険クリニック「二世帯住宅を建てると、税制面で有利になると聞きました。どのように有利になったのでしょうか/ファイナンシャルプランナー 守谷 三枝」、住宅の購入や住宅ローンをFPが解決!、2013年11月掲載、https://www.hoken-clinic.com/teach_qa/pension/)