2019年10月の参考純率※の改定(平均+4.9%)を踏まえ、損害保険各社は2021年1月より保険料改定を予定しています。
2018年度は大型台風やゲリラ豪雨等の自然災害が増加しており、特に関西を中心に大きな被害をもたらした台風21号での損害保険金の支払総額は1兆円を超えたと日本損害保険協会は発表しています。
今回はこの2018年度の自然災害の影響を踏まえた改定となります。
※参考純率:各保険会社が保険料を設定するときにに参考にする料率
目次
保険料を決める基準となるデータ(参考純率)改定率の例
建物構造の種類
T構造:鉄骨造等の耐火構造などの建物
H構造:木造住宅等のM、T構造以外の建物
上の図は、建物構造別に「三大都市圏のうち東京都、大阪府、愛知県」、「今回改定における改定率が最大、最小となる都道府県」が示されています。
参考純率改定の理由
今回の改定の理由は、自然災害や水漏れ損害による「保険金支払い」が近年急増しているためです。
特に関西を中心に大きな被害をもたらした台風21号での損害保険金の支払総額は1兆円を超え、過去最大の保険金支払総額といわれています。
■過去の自然災害と被災した地域(2017年度~2018年度)
2017年度 | 平成29年7月九州北部豪雨による被害 |
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2018年度 | 平成30年7月豪雨による中国地方を中心とした被害 台風21号による関西地方を中心とした被害 |
■2019年度以降の災害は加味されていない!?
今回の改定は、2018年度までに被災した地域、被害金額から算出されています。しかし、それ以降も自然災害は各地で発生しています。
2019年度 | 令和元年8月豪雨による九州北部地方を中心とした被害 台風15号による伊豆諸島・関東地方南部を中心とした被害 台風19号により関西地方を中心とした被害 |
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2020年度 | 令和2年7月豪雨による九州・東海・東北地方を中心とした被害 台風10号による南西諸島・九州地方の被害 |
火災保険料は今回で2019年10月に続く2年連続の値上げとなります。
これまでのように自然災害の発生が続けば、今回のような改定は近い将来また行われるかもしれません。
■築浅割引の導入
水濡れ損害などは建物の老朽化による影響を受けるため、築浅住宅を対象に保険料を割り引く「築浅割引」を導入します。各社の火災保険商品にはもともと「築浅割引」がありましたが、参考純率改定に伴い、一部の保険会社ではその割引率を拡大します。