このコラムでは、生前整理アドバイザー認定指導員、片づけ収納マイスター認定講師である鈴木祥子さんに、整理収納のコツとポイントを伺いご紹介しています。
理想の人生を実現して、少しでも後悔の少ない人生を過ごすこと。そのために必要なモノのお片づけについて、そのメリットと方法についてこれまでお伝えしてきました。
第1回のコラム:「お片づけをすることによるメリット」
第2回のコラム:「どのようにお片づけを進めていけばよいのか、具体的な方法」
今回は、心と情報のお片づけについてお伝えします。
目次
モノの中でも最も手放しにくいものは?
モノの中でも一番手放しにくいものって何でしょう?
そうです、写真です。家族での写真、旅行先での写真、記念日の写真、色々あると思いますが、人の顔が入っているだけで、一気に手放しにくくなりますね。そして、似たような写真がたくさんあったり……
また、昔からよくあるタイプの分厚いアルバム、ご家庭に残っていませんか? 分厚いアルバムだと、重さや大きさの兼ね合いで持ち運びしにくいですよね。アルバムの接着剤が写真を劣化させてしまうということもあります。
ここでおすすめしたいのが、”マイベストショットアルバム”です。自分のこれまでの人生で撮った写真の中から、30枚厳選します。それを時系列で並べていき、その時の日付とエピソードを添えておくと、持ち運びもしやすく、すぐ思い出を振り返ることができます。
そして、このマイベストショットアルバムの最後のページには、“エターナルフォト(遺影写真)”を入れておきます。人生100年時代と言っても、明日何が起こるかわからない時代。遺影写真は、その人の最後を印象づける写真です。ぜひ、自分のお気に入りの写真で見送ってもらいたいですよね。この“エターナルフォト(遺影写真)”も5年ぐらいを目安に撮り直していきましょう。
自分の人生を振り返る
モノのお片づけができたら、心の整理に取り掛かります。
少し自分の人生について、振り返る時間を取ってみましょう。自分の生まれた時のこと、幼かった頃のこと、学生時代や仕事のこと、家族や親族のこと、そして、現在の自分について書き出し、人生を振り返っていきます。何が好きだったか、どんな曲が流行していたか、趣味や好きな場所なども書き留めていきます。今までの自分を振り返ることで、現在の自分や未来の自分を見つめなおすことができます。
また、3年後の自分の葬儀をプロデュースしてみるのも面白いですよ。どんな場所で葬儀をしてほしいのか、どれぐらいの規模で執り行ってほしいのか、これも自分が居なくなってからでは、残された者には分かりません。自分のことをどのように紹介してもらいたいかなども書き残しておくといいですね。自分のことですから、定型文ではなく、ぜひ自分の言葉で伝えてもらいましょう。
そして、大切な人をリストアップしてみましょう。あなたが一番親しくしている人をご家族はご存知ですか?普段は話題にも出てこない人が、実は大切な人という場合もありますよね。
やりたいことや5年後の自分をプランニングするということも非常に大切です。これについては、第4回で詳しくお伝えします。
情報の整理
情報の整理では、自分のお葬式の仕方やお墓をどうするのか、所有している銀行の口座の整理などが挙げられますが、最もおすすめしたいのが、“万が一ファイル”です。
1冊のファイルに自分の個人情報を集約する方法です。各銀行でイメージカラーがありますから、通帳の表紙はぜひカラーコピーにしましょう。これならすぐにどこの口座を持っているか分かりますよね。その際、キャッシュカードも一緒にコピーしておきましょう。
その他、パスポートやマイナンバーのコピーなどもあると助かります。また、個人情報が厳しい時代です。ログインコードやパスワードを一覧にしたものも一緒にファイリングしておくと、自分自身もそうですが、“万が一”の時、家族も助かりますね。
さて、ここまで「モノ・心・情報の順にお片づけしましょう」とお伝えしてきました。次回はいよいよ最終回!お片づけを通して、“理想の人生を叶えるために見つめなおすこと”についてお伝えします。
鈴木 祥子lotusroot代表。大学卒業後、キッチンメーカーのショールームアドバイザーとして勤務。キッチンメーカーで整理収納について学んだことをきっかけに、元々お片づけの苦手だった自身の生活に取り入れる。長女出産後、11年勤めたメーカーを退職し、lotusrootを立ち上げ。西宮市を中心にお片づけセミナー、生前整理セミナーを開催中。子どものお片づけから生前整理まで、お片づけすることの大切さを知っていただくことによって、幅広い世代の方がより暮らしやすく、後悔の少ない人生を過ごせるようお手伝いしている。生前整理アドバイザー認定指導員、片づけ収納マイスター認定講師、整理収納アドバイザー1級。
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https://media.hoken-clinic.com/column/6847/