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目次
五月人形の本来の役割を説明するマンガ
今では「こどもの日」とも呼ばれている5月5日の端午の節句。
もともと男の子をお祝いする日であったことは広く知られており、五月人形を飾る風習は残っているものの、その本来の役割を知っているという方は多くないのではないでしょうか。
節句・伝統文化の啓発と振興のために活動している一般社団法人日本人形協会は、端午(たんご)の節句の5月5日に先立ち、五月人形の本来の役割を説明するマンガを公開しています。
五月人形は次男が生まれても用意してあげたい
マンガは小さな息子が二人いる夫婦の物語です。ある日、母親が息子二人を連れて友人の家に遊びに行くところから物語が始まります。
その友人の家についた子どもたちはびっくり。なんと五月人形が2つあるのでした。「こっちはぼくの分で、もう一つは弟のだよ!」そう説明されてもピンとこない主人公親子。すると友人の母親が、五月人形はこどもの身代わりになって災いを肩代わりしてくれるお守りなので、一人に一飾りがよいことを教えてくれました。
その日の午後、主人公の母親は夫に相談。うちももう一つ五月人形を用意しよう!という話になったものの端午の節句飾りはいくつも種類があるからどれを買えばいいのか迷わないかと心配する夫。そこで、友人の母親に聞いた「節句人形アドバイザーという資格を持つ人がいるお店なら説明してくれる」という話をして、休みの日にみんなでそのお店に行くことにしました。
▼マンガはこちらからご覧いただけます
一般社団法人日本人形協会「漫画でわかる節句人形の飾る意味」
五月人形えらびに迷ったら節句人形アドバイザーのいるお店に
後日、アドバイザーのいるお店にやってきた主人公の夫婦と子どもたち。まずはアドバイザーから五月人形の詳しい説明を聞くことにしました。
男の子の健やかな成長を祈念する五月人形ですが、鎧(よろい)や兜(かぶと)のものと、人形のものがあります。
前者は、江戸時代の武家社会から生まれた鎧兜を飾る風習に始まります。5月5日には古くから災いを受けないよう祈る行事がありました。その中で「自分の身を護ってくれる」ものの象徴としての武具が、厄から身を護るものとして飾られるようになり現在に至ります。
後者は武者人形と呼ばれ、桃太郎や金太郎などといった童話や歴史上の人物をモチーフにしてつくられたものです。元気で立派なさまをかたどったその姿は持ち主である我が子の成長を見守る守り神のような存在として、こちらも古くから親しまれています。
アドバイザーの説明を聞いた主人公の夫婦は、お兄ちゃんの五月人形は武者人形だったから弟のものは鎧と兜にしようと意気投合。無事に、五月人形えらびができました。
立身出世を祈るこいのぼり
ところで、こどもの日と呼ばれる端午の節句には、もう一つ定番の飾るものがあります。それは“こいのぼり”です。「コイってなんだかたよりないなー」とつぶやく息子さんですが、ここでもまたアドバイザーがこいのぼりの由来を説明してくれます。
鯉のぼりは、こちらも江戸時代の町人階層から生まれました。鯉という魚は、流れが強くて早い川でも元気に泳ぎ、滝をものぼってしまう魚。つまり、こいのぼりにはどんな荒波もたくましく乗り越えて立派に成長してほしいという立身出世の願いが込められているのです。
このようにマンガでは五月人形にまつわる素朴な疑問に答えながら、その本来の意味を解説し、節句行事の啓発と振興に貢献する内容となっています。
近年、核家族化などの生活スタイルの変化によって伝統を継承する機会は減り、節句の人形を飾らないご家庭も増えているかと思います。
日本の伝統文化を知って、時代が変わっても日本の伝統文化に息づく「日本の心」が受け継がれていくといいですよね。