いつもと同じ生活なのに、急に手の甲が痒くなったり指先がガサガサしてきたり、お肌の不調を感じられている方に向けて、日常に取り入れやすい手の乾燥対策と、乾燥に効果の高いミツロウと植物オイルを使ったハンドクリーム作りをご紹介します。
※1回目、2回目のコラムもチェック!
「集中力を高めるルームスプレーの作り方」
「鼻水・咳・インフルエンザ対策にも。アロマの活用法」
目次
すぐに出来る 手荒れ対策
お湯の温度は35℃以下に
手や食器を洗う際、寒くなってくるとつい熱いお湯を使いたくなってしまいますよね。
でも、皮膚の油分はお湯で落ちてしまいますので気をつけて。
給湯器の温度が設定できる場合は、生活用水をあらかじめ低めの温度に設定しておくと、手荒れ防止に役立ちます。
食器を洗う時はゴム手袋を使用する
お湯だけでなく食器用洗剤でも皮膚の油分は失われます。面倒に思えるかも知れませんが、ゴム手袋も慣れてしまえば大した手間ではなくなります。
このちょっとしたひと工夫で赤ぎれやひび割れが起きにくくなりますよ。
洗濯物をたたむ前にハンドクリームを塗っておく
これにはちょっと驚く方が多いのではないでしょうか。
皮膚の油分は衣類からも奪われるため、洗濯物をたたむことも手の乾燥を招く原因となるのです。
特にバスタオルなどのリネン類をたたむ時にはあらかじめハンドクリームを塗っておくと予防になります。
乾燥対策にオススメ!ミツロウと植物性オイルを使ったハンドクリーム
ミツロウを使ったハンドクリームは、乾燥により硬くなってしまった皮膚をやわらかくし、潤いを保つのにおすすめのアイテムです。
ミツロウ独特のしっとり感は病みつきになる使い心地ですので、ぜひお試しください。
まずはハンドクリームに使用する材料についてご紹介しますね。
ミツロウ
ミツバチが巣を作る時に分泌するロウ(動物性ワックス)のこと。
精製されたものと未精製のものがあり、精製されたものはあらかじめ脱臭・漂白されており成分臭もないため、練り香水やキャンドルなど精油の香りを活かしたクラフト作りに適しています。
未精製のものは黄色く、ロウに含まれる香りやその成分が残っているため、ハンドクリームやリップクリームなど、本来ロウがもつ作用を活かしたクラフト作りに適しています。
ホホバオイル
砂漠に生息するホホバ科の植物・ホホバの種子から抽出したロウ(植物性ワックス)のこと。
耐熱性が高い油脂のため、熱を加えるクラフト作りに適しています。また、安定性も高く他の植物オイルよりも品質を長く保てる点でも扱いやすい油脂です。ミツロウと同じく精製されたものと未精製のものがあり、それぞれに適したクラフト作りについても同様です。
低温で固まる性質をもちますが、常温で元に戻ります。
ハンドクリーム作りにおすすめの精油
未精製のミツロウには成分そのものの香りがありますので、精油は出来るだけ香りの強いものを選ぶことをおすすめします。
特に樹脂から抽出したベンゾインはバニラのような甘い香りでお子様にも大変人気があり、柑橘精油のオレンジをプラスすることで香りの豊かさが増します。
ベンゾインを始め、フランキンセンスなど樹脂から抽出された精油は乾燥やひび割れた肌にも良いとされる成分が多く含まれているめ、ハンドクリームのクラフトとしても最適です。
実践!ミツロウ&植物性オイルのハンドクリームの作り方
<材料>
- ミツロウ(ビーワックス) 3g
- ホホバオイル 15mL
- お好きな精油(エッセンシャルオイル)3〜4滴
- ガラス製のクリーム容器(20〜30mL 対応)
※プラスチック製の容器は熱により変質する可能性があります。必ず耐熱性のあるガラス製の容器を使用してください。
(アロマショップや手作りコスメサイトなどで購入できます)
<作り方>
- ウォーマー(※)でミツロウを溶かします。
※専用のウォーマーをお持ちでない場合は湯せんで溶かすか、チーズフォンデュなどをキャンドルで温める道具でも代用できます。
- ミツロウが溶け始めたらホホバオイルを入れ、ミツロウが完全に溶けるまで温めます。
- 中身を竹串等でよく混ぜ合わせてから、ガラス製のクリーム容器に流し入れます。
- 精油を加え、手ばやく静かに混ぜます。
※クリーム容器が熱くなっていますのでご注意ください。 - そのままふたを閉めないで冷ます。完全に冷めたら完成。
ミツロウが付着した用具は、熱いうちにティッシュペーパー等でよく拭き取っておくと後のお掃除が楽になります。
出来上がったクリームは、蓋を閉めて保管をしてくださいね。
アロマテラピーを安全に楽しむために
<保管方法>
- 窓辺など直射日光の当たる場所・台所や洗面所など高温多湿の場所を避け、涼しい場所で保管してください。
- ハンドクリームを入れたバッグ等を床暖房の上や暖房機器の近くに置いておくと、熱により再びミツロウが溶けて柔らかくなりますのでご注意ください。
- 中身に直接触れることになりますので、出来るだけ清潔な手でお使いください。
- ハンドクリーム作成後、3〜4週間を目安に使い切るようにしてください。
リップクリーム作りや練り香水作りも
ミツロウと植物オイルの比率を変えることで、クリームの硬さを調節することができます。
もう少し柔らかいハンドクリームにしたいという方は、ホホバオイルの量を5mL 多くしてみてください。
なお、今回のレシピはミツロウ1:植物オイル5の比率でハードタイプでご紹介しましたので、リップクリーム作りにそのまま代用することも可能です。
ご紹介したレシピではリップスティックケース2〜3本分が作れますよ。容器はアロマショップや手作りコスメサイトなどで購入できます。
練り香水として作る場合は、精油の量を倍量(8〜10滴)にしてみてください。
その場合、手首や首元、また香りをまとったネイルオイルとしてなど、部分的にお使いいただくことをおすすめします。
いかがでしたか?
ぜひお好きな香りのアロマを使って、この冬を乗り越えるお手製ハンドクリームを作ってみてくださいね。
高橋美穂子
英国最高峰の国際アロマセラピスト資格(IFA/IFPA)を取得したビューティアロマセラピスト。ニールズヤードパートナーシップ認定講師として資格取得対応の講座を開講する他、教育機関での講演活動(東京学芸大学附属世田谷中学校、法政大学、他)、商業施設でのセミナー実績(伊勢丹新宿店、京王百貨店、メルセデスベンツ麻布AMGパフォーマンスセンター、他)、プロダクトの香り監修(花王 フレア フレグランス アーユス)、NHK・ラジオ・セラピスト専門誌などメディアへの出演も多数。ミスユニバースジャパン2014千葉大会審査員。
http://takahashimihoko.com
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