子どもをきっかけにはじまる地域活動には楽しいことがたくさん<地域とどう関わる? Vol.1>

【コラム】暮らしをワンランクアップ

子育てをしていて、切っても切れないのが地域の方々との関わり。煩わしいと思う反面、核家族化が当たり前、共働きが当たり前となりつつある日本の子育て事情を考えると、地域活動に乗り出すことは多くのメリットがあります。このコラムでは、「NPO法人ファザーリング・ジャパン」の橋謙太さんに地域との関わり方についてアドバイスいただきます。

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目次

子育て世帯の地域活動の大切さ

地域との関わりはとても大切です。子育て世帯同士であれば地域の貴重な情報交換をすることもでき、場合によっては育児の助け合いができることも。もちろん親が積極的に地域活動に乗り出すことは自分の子どもを見守る大人の目が増え、子どもがとても生活しやすい環境になり、危険からも守ってくれます。そして地域に楽しく遊べる友人ができることは、あなたの生活を豊かなものにしてくれます。

筆者が所属する「NPO法人ファザーリング・ジャパン」という父親の育児支援等を行なっている組織では“子どもは地域のパスポート”と言い、子どもをきっかけに地域活動を楽しんでいる父親(母親)がたくさんいます。そんな地域との関わり方をお伝えしましょう。

第1回目の今回のテーマは、PTA(保護者会)です。


まずは、“保護者会”について補足しておきましょう。

“保護者会”と呼ばれるものは、保護者が主体となって活動している保護者会と言われる“団体“と、保育園や学校が学期始めや終わりに開催する“集まり”の2種類があります。本記事ではわかりにくいため、以後は保育園、学校が開催するものを“保護者会”とし、保護者会の組織は“PTA”と同義とします。ただし保護者会はあくまで保護者のみの組織であり、PTAは先生も会員となっています。

地域の子育ての登竜門“PTA”


子どもが保育園や幼稚園、そして小学校に入ると多かれ少なかれ関わることになるPTA。年度はじめの保護者会、もしくは年度終わりの保護者会は、PTAの役員決めの場であることが多く、指名されるのでは、とかジャンケンやくじ引きで負けてしまってはどうしよう、と思っている方が多いのではないでしょうか。確かにいわゆる“ブラックPTA”と言われる、強制的に役割を与えてくる、こちらの都合を考慮せずにスケジュールを組んでくる、明らかに時代に合っていない無駄と思える活動を前年度世襲という名目で押しつけてくるところもあります。避けて通れるものなら避けていきたい、というのは至極当たり前かと思います。

ところで筆者は、そんなPTAに、子どもが保育園に通いはじめて、学童保育を含め、中学校を卒業するまで、長い間、会長、役員等をつとめながら、もちろん嫌なこともありましたが総体としては楽しく過ごしてきました。
ではPTAを楽しむにはどうしたらいいでしょうか?
たった一つのコツがあります。

ネガティブな気持ちを一度リセットとするとPTAの楽しさが見えてくる

PTAの委員決めと言えば、ジャンケンで負けた人がやる、くじで当たった人が悔しがる、といった現象が見られ、本来であれば、ジャンケンで負けた人が委員になれず悔しがる、くじに当たって喜ぶ、だと思いますが、そうはなっていません。子どもに色々なことに積極的に取り組みなさい、と多くの保護者が子どもに言っているにも関わらず、その子どもに一番近いところにある保護者の団体には消極的で、じゃんけん、と、全国的に楽しくない、大変、などと思われているのが大半のPTAです。

そして料理、洗濯、掃除、さらに仕事と、子育て世帯は子どもの成長という喜びはあるものの毎日が戦争。そこへPTAの活動となれば、できれば避けて通りたいと思うでしょう。おまけにPTAの連絡は事務連絡的なものが多く「ああ、また何かやらされる」と拒否反応。

でもちょっと待ってください。こんなことがありました。
朝のパトルール運動。朝、登校する子ども達のために交差点等で旗を持って案内する活動です。朝食の用意を早めに済ませて、会社へ出社する前の約20分。交差点に立って子ども達に挨拶をすると「おはようございます!」と元気な声が返ってきます。これを繰り返していると、こちらの気持ちは晴れやかになりますし、朝の貴重とはいえたったの20分、時間を割くことによって一日を気持ちよくスタートさせることができます。

こういった思いを周辺の保護者の方々に伝えたところ、最初は嫌々だった方々が、どんどん積極的に参加してくれるようになりました。要は活動への捉え方です。PTAの活動は、押し付けられるもの、という先入観や、忙しいから無理、ということによって、実は楽しめることを、楽しめなくしていることが多いのです。

子どもへの絵本の読み聞かせ。
子ども達が、とても熱心に聞いてくれます。笑ってくれます。会社の会議で、ここまで熱心に自分の意見を聞いてくれる人はないな、と思えるくらいです。

保護者同士の意見交換会は、普段聞けない子どもの様子や地域の状況を知ることのできる貴重な時間です。また活動に関わることによって先生とも気負わず話せるようになり、自分の子どもの様子を聞きやすくなります。

ネガティブな感情で活動を捉えず、その活動の先にあることを、ちょっとだけイメージしてみるとPTAの活動は180度変わったものに見えてきます。せっかく子どもがいるのだから、この貴重な機会を逃すのはもったいないです。

PTAへの関わり方はそれぞれ

とはいうものの先を見通しても、どうしても総体としては楽しめそうもない、または意義のあるものに見えない、という場合には楽しく活動できそうなものをチョイスして上手に関わっていってください。また、全ての方にお勧めはできませんが、そういった活動を通してやる気の出てきた方、楽しくなってきた方は、役員に立候補、推薦されたらやってみることも決して悪いことではありません。

現在、多くのPTAでは強制入会や重すぎる総会等、多くの課題があります。役員になりPTAをより意義のある活動にしていくことは、苦労も多いですがその分、充実度も高く友人も多くでき、地域での生活が潤いのあるものに必ずなります。

橋謙太
東京都稲城市在住。兼業主夫。父親の子育て支援の活動等をしている「NPO法人ファザーリング・ジャパン(FJ)」メンバー。「日本パパ料理協会」副会長。父親の子育て、地域活動の楽しみ方、パートナーシップ等をテーマに講演等を行なっている。またFJにて、発達障がい児を支援する「メインマンプロジェクト」を立ち上げ講演、執筆、イベント等の活動も行っている。地域活動にては、保育園や小中学校、学童保育にて、保護者会、親父の会、PTAの代表、役員を歴任。また稲城市内の約20の“親父の会”が加盟する全国的にも珍しい連合会「いなちち(稲城父親の会)」を仲間と設立。代表を務めた後、現在は顧問。

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