「香りのある暮らし」は日々の生活の中に心の豊かさを与えてくれる最高のエッセンス。植物から抽出された天然の香りを取り入れることで、彩り豊かな空間を演出してみませんか。「アロマで豊かな暮らしを」のテーマに沿って、「アロマで豊かな生活を Vol.1」では加温効果のある精油(エッセンシャルオイル)とおすすめのアロマ活用法を、「アロマで豊かな生活を Vol.2」では毎日のスキンケアへのオイル美容の取り入れ方をご紹介いただきました。シリーズ最終回の今回は、四季の移り変わりごとにおすすめの精油(エッセンシャルオイル)をご紹介いただきます。
目次
日本の春の風物詩「桜の香り」
日本の春の風物詩として代表の「桜」。桜の香りと言ってもちょっとピンとこないかもしれませんが、アロマセラピーには「桜の香り」を連想させる素敵な香りがあるのです。
おすすめの精油
トンカビーンズ、ベルガモット、など。
ドイツのクリスマスのお菓子「シュトレン」の香料として使われているトンカビーンズですが、日本の春の和菓子として知られる桜餅の香りがすることで有名な天然香料です。また、桜の葉に含まれているクマリン類はアロマセラピーでも人気の高い「ベルガモット」に含まれている特徴成分でもあります。
春のアロマクラフト「桜の香りのルームスプレー」
いつもの空間にシュッとスプレーするだけで、満開の桜の光景が目に浮んでくるような気持ちに包まれます。
ルームスプレーの<材料>・<作り方>・<注意事項>は、こちらより過去の記事をご覧ください。
暑い夏に体感温度を下げてくれる「グリーン調の香り」
日本には「森林浴」という言葉があり、特に緑の豊かな空間は夏の避暑地としても好まれます。香りを取り入れることで自宅でも気軽に森林浴気分を味わうことができます。
おすすめの精油
ヒノキ、パイン(松)、ペパーミント、など。
ヒノキ科やマツ科の精油に含まれるピネン類には、森林浴と同じリラックス効果をもたらしてくれる作用があります。また、清涼感あふれるハッカ系の香りは体感温度を5度下げてくれると言われており、まだ冷房はつけずに窓を開けて過ごしたいという夏日の暑気払いにも役立ちます。
夏のアロマクラフト「アロマ芳香ジェル」
どの家庭でも夏になると大量に溜まってくる保冷剤を活かして作ります。
<材料>
お好みの精油 10~20滴
保冷剤2~3袋
竹串など
ジャムなどの空き瓶
<作り方>
1. 空き瓶の中に保冷剤の中身を入れます。(瓶の大きさに合わせて量を調整してください)
2.(香りを確認しながら10~20滴くらいを目安に)お好みの精油を入れ、竹串などでよく混ぜたら完成です。
小さなお子様やペットのいるご家庭は誤って飲用しないようご注意ください。
秋の訪れを感じる「金木犀の香り」
小さなオレンジ色の花が特徴的な金木犀。日本では庭木や街路樹として見かける機会が多く、街を歩いていて金木犀の香りが漂うと秋だなぁと感じたり、子どもの頃の思い出が蘇り懐かしい気持ちになります。
おすすめの精油
金木犀。
最近では「金木犀」という名前で売れられている精油も多数見かけるようになりました。別名「オスマンサス」「オスマントゥス」とも呼ばれており、これらも同じく金木犀の香りの精油になります。学名の「Osmantsus」は「香りのある花」を意味します。
秋のアロマクラフト「金木犀の香りのルームスプレー」
ルームスプレーの<材料>・<作り方>・<注意事項>は、こちらより過去の記事をご覧ください。
寒い冬に心と体を温めてくれる「クリスマスの香り」
クリスマスツリーやイルミネーションなど街中がクリスマスムードで賑わう冬。季節感のある香りの演出で、体だけでなく心もポカポカ温かな気持ちで過ごすことができます。
おすすめの精油
オレンジ、ジンジャー・クローブ・シナモンなどスパイス系の精油。
昔ながらの日本の冬というと「こたつに入ってみかんを食す」イメージがありますね。柑橘の中でもオレンジは心と体を温めてくれる作用があると言われています。西洋の加温効果のあるスパイス系の香りともとても相性が良いのです。
冬のアロマクラフト「オレンジのポマンダー」
西洋では「香りの魔除け」としてオレンジにクローブを刺してシナモンなどのスパイス類をまぶしたオレンジのポマンダーを作る風習があります。日本ではクリスマスの手作りオーナメントとしても人気があります。今年の冬は手作りのオーナメントで冬を楽しんでみてはいかがでしょうか。
<材料>
オレンジ
クローブ(ホールタイプのもの)
シナモンパウダー
マスキングテープ
リボンなどの飾りをお好みで(リボンとマスキングテープは同じくらいの太さだと良い)
竹串
ビニール袋
<作り方>
1. オレンジにマスキングテープで十字を作り、あらかじめリボンを巻くスペースを空けておきます。
2. マスキングテープ以外の部分に、竹串で穴を空けながらクローブを刺していきます。(皮の内側までクローブが届くようにしっかりと刺します)
3. 全体にクローブを刺しきったらマスキングテープを剥がし、オレンジをビニール袋の中に入れてシナモンパウダーを全体にまんべんなくまぶします。
4. 風通しの良い場所で2~3週間ほど乾燥させたら、お好みでリボンを巻いたり飾りをつけて完成です。
クローブやシナモンの抗菌作用により長期保存ができますが、万が一オレンジが痛んでいたりカビが生えてしまった場合は使用をお控えください。
▼インフルエンザや、鼻水・咳・風邪が流行したときのアロマの活用法
高橋美穂子
英国最高峰の国際アロマセラピスト資格(IFA/IFPA)を取得したビューティアロマセラピスト。ニールズヤードパートナーシップ認定講師として資格取得対応の講座を開講する他、教育機関での講演活動(東京学芸大学附属世田谷中学校、法政大学、他)、商業施設でのセミナー実績(伊勢丹新宿店、京王百貨店、メルセデスベンツ麻布AMGパフォーマンスセンター、他)、プロダクトの香り監修(花王 フレア フレグランス アーユス)、NHK・ラジオ・セラピスト専門誌などメディアへの出演も多数。ミスユニバースジャパン2014千葉大会審査員。
http://takahashimihoko.com