離乳食は親の食事の見直しの機会にもなるチャンス <無理をしない!親子で美味しく楽しめる離乳食のすすめ Vol.2>

離乳食 【コラム】暮らしをワンランクアップ

離乳食時期の乳児がいる家庭では、「大人が食べるものとは別のものを」と食事の準備が煩雑になりがち。一生懸命作ったのに、子どもの食が細いと心配になったり、心のどこかでイライラしてしまったり悲しくなってしまったり。

しかし、離乳食とは「頑張るもの」ではなく、「親子で美味しく楽しむ」ものだと管理栄養士の亀崎智子さんは言います。亀崎さんに「親子で美味しく楽しむ離乳食の進め方」について教えていただくシリーズ、第1回目は「離乳食ってそもそもどんなもの?」というテーマでお話しいただきました。第2回目となる今回は、「大人と一緒に楽しむ離乳食」についてご紹介いたただきます。

新型コロナ自宅や療養施設でも保険金・給付金は請求できる
新型コロナで入院

離乳食って作らなくても大丈夫

「離乳食って作らなくても大丈夫」
この言葉だけを聞くと誤解されてしまいそうですが、離乳食って別に特別なご飯ではないのです。

離乳食プレート

離乳食専用の本には、「離乳食をいっぱい作り置きしてレンチンすればらくちんですよ」という情報も溢れているかもしれません。それを全否定するつもりはありませんが、そんな風に、私たち大人が毎日食べるごはんと赤ちゃんの離乳食を全くの別物として考える必要がそもそもないのではないでしょうか?

全く別物として考えるから、時間をかけて作ったものを食べてもらえなかった時に「せっかく作ったのに……」「なんで、食べてくれないの……」というママの嘆きに繋がり、ただでさえ疲れているのにさらにストレスが溜まってしまう原因にもなってしまうのです。

ママとパパの日々のごはんからちょっとおすそ分け。そんな形に離乳食を考えることができると、成長して幼児食になり、大人と同じ食事になるそんな過程もスムーズに進んでいきますよ。

ベースを同じ食事にしておくととても便利

離乳食の次は幼児食と呼ばれ方をするけど、その次は?

突然、大人と同じ食事を食べることができるタイミング。意外と考えたことがある方は少ないのではないでしょうか?

最初はとても気をつかっていたのに、気づかぬうちに一緒のものを食べている、というお家がきっと多いはずでしょう。そんなことを気にしなくても良いように、離乳食の時からベースは同じ食事を家族全員で食べておくことがおすすめなのです。

離乳食のベースは、ママやパパの食べ物の味付けをしていないものにしておくことで、別のごはんとして調理をする必要がなくなり、ママの負担がかなり減るのではないでしょうか?

離乳食が始まったら気をつけたいこと

ただし、食事のベースを同じにするということは、もし、それまでの大人の食事が乱れている場合には、見直していくことが必要にもなります。

ママと子供の食事

ママは、妊娠をきっかけにそれまでの食事を見直すという人も多いかもしれません。しかし、再度、赤ちゃんの離乳食のスタートするタイミングで大人の食事を見直すことで、家族全員が同じ食卓で同じものを食べることができる喜びを感じることもできます。そのためにも、今一度、口にするものを見直す絶好の機会でもあるのです。

最初は大変かもしれませんが、慣れると、いろいろなごはんの作り分けが不要になるので、最終的にはストレスフリーで離乳食を楽しめるようになります。ぜひとも、チャレンジしてもらいたいです。

基準は「親も美味しいと食べられる」

赤ちゃんは五感を使って離乳食を楽しもうとします。そのため、味は薄く感じてしまうかもしれませんが、基本は親も美味しいと感じることができるものを離乳食とするのが、赤ちゃんも美味しいと感じてくれるポイントです。

赤ちゃんの食事

親子で同じものを食べるこれも心を育てるという意味ではとても大切なことです。離乳食がスタートしたら、気をつけたいポイントはたったの5つです。

 

  1. 大人の食事の味がないものが基本
  2. 冷凍・レンジはあまり多用しない
  3. 調味料は本物のものを使用しよう
  4. 量ではなく質が大事
  5. 旬のものを取り入れよう

 

慣れてしまえば、家族揃ってヘルシーで美味しい同じ食事を楽しむことができます。そうすると、ママが気合入れて離乳食を作らなくちゃ、はなくなり、ストレスフリーに過ごすことができるはずです。

 

ガチガチに固めずに離乳食はすすめよう

人の食事が整えば、味付けをする前の取り分けで離乳食の準備は完了してしまいます。極端な話になりますが、毎日、しっかりとお味噌汁を飲むお家であれば、最初のうちは、お味噌汁用に煮た具を1つずつ離乳食として食べさせるそれだけで十分なのです。これだと、とても簡単にできそうじゃないですか?

こんな簡単なことで、実は問題ないのです。そして、赤ちゃんの側からしてみると、離乳食は日々未知との遭遇の出来事でもあります。そのため、大人が食べさせるのではなく、「自発的に赤ちゃんが食べたい!」「食べてみる?」のスタンスで進めてあげることがおすすめです。

特に、初期の段階においては、いくら栄養があるものであっても、嫌がる食べものを無理に食べさせる必要はありません。加えて、「〇時だから食べようね」というように、決められた時間に決められた量を食べさせるなどもする必要はありません。食べてくれたらラッキーくらいの気持ちで、食事の時間を楽しんでみるのがよいでしょう。私も経験者なので、大変なのは分かりますが、同じ時間に食卓を囲み、一緒に食事を楽しむそんな時間を持ってあげる方が、実はとても大事なことなのです。

家族みんなで楽しめる食事の時間を確保しよう

大人の食事の取り分けで離乳食を準備できるとできあがるタイミングもほぼ同じくらいになるはずです。そうすることで、一緒に食卓で温かい食事を囲むことも可能になります。同じ釜の飯を離乳食の時から共有できるそんな食卓を目指してみてはいかがでしょうか。

亀崎 智子
亀崎 智子

管理栄養士・マスターファスティングコンシェルジュ「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室(福岡市)を主宰。乾物だけで作る無添加のふりかけを、月に1回販売。コンビニなどの商品開発業務に従事した経験から、食の大切さに気づく。現在は5歳双子の男の子を育てながら、ストレスフリーにゆるいナチュラル生活の実践の仕方をお伝えしています。昔ながら季節の手仕事や発酵食品、オーガニック食品などカラダの喜ぶ食の簡単な取り入れ方についての発信もしています。

教育資金バナー