これからを生き抜くために。「自己感情の理解」が『共感力』と『想像力』を生む<子どもが「自分を愛する力」を育むために親ができることVol.2>

ハートマークに顔 【コラム】暮らしをワンランクアップ

このコラムでは、小学生2人の子育てをしながら、学童保育施設3校舎を運営し、一人ひとりの才能を引き出し・活かすためのワークショップ、自己肯定感アッププログラム、キャリア教育プログラムを提供している赤井友美さんに伺い、子どもが「自分を愛する力」自己肯定感を育むために親ができるポイントを紹介していきます。

第1回目は「自分を肯定する感覚」自己肯定感について教えていただきました。
2回目となる今回は、「自分の感情を理解する」ために親子でできるポイントについてご説明いただきます。

第1回目のコラム:自分を愛する力って何?

 

目次

他者からの評価を受け取り続ける環境にあるからこそ、自己理解が大事

生物学などでは、人間のことをソーシャルアニマル(Social animal)と呼ぶことがあります。
これは文字の通り「社会的な動物」という意味であり、人間が他の人と関わることで社会を形成する動物であるということを表しています。
「嫌われる勇気」というドラマで話題にもなったアドラー心理学では「人間の悩みは、全て、対人関係の悩みである」といわれています。

これらの言葉に表されるように、私たち人間は産まれたその瞬間から、他者と関わりながら人生を送っています。

相関図

例えば、産まれてすぐにも「目がぱっちりした子ね」「髪の毛がふさふさね」など見た目に対する言葉を受け取ります。
そして、少し大きくなると「元気でいいわね」「活発ね」反対に「ちょっと落ち着きがないわね」「言葉が遅いわね」といった行動に対する評価が日常的になっていきます。
また、更に大きくなっていくと「○○できて偉いわね」「○○ができたからご飯食べようか」と達成したり出来たことに対して褒められたり、肯定されることも出て来ます。

このように私たちに人間は他者と関わる中で、様々な「他者の主観による評価・判断」を集めて、「自分ってこういう人なんだ」と思ったり、「こういう風にすると褒められるんだ」「こういうことをすると好かれるのかな」と考えて行動を選択していくようになるのです。

女の子を褒めるママ

しかし、ちょっと冷静に考えて見ましょう。
それらの「他者の主観による自分に対する評価」は本当の自分を全て表しているでしょうか。

他人から言われた言葉に傷つき「わたしはそんな人間じゃないもん!」と思ったことや「実は言えなかったけれど、本当の自分はそう思っていない」などと思ったことはありませんか?

下図は『ジョハリの窓』といって、就職や転職の際の自己理解ワークなどで使われることもある図です。

ジョハリの窓

 

この図を見ていただくと分かりやすいと思いますが、誰にも

  • 「解放の領域」と「盲点の領域」は他者と関わることで自己理解も深まり活用できる領域
  • 「秘密の領域」と「未知の領域」は自分が自己理解を深めていかないと活用できない領域

があります。

私たちは、ソーシャルアニマル(Social animal)であるが故に、他者と良い関係、社会をつくりたいという欲求があります。
それは、好かれたい!素敵だねって言われたい!できるねって誉められたい!という承認欲求です。

他者からの承認が欲しいために、つい周りの目や評価を意識しすぎてしまう傾向にあるのですが、周りを意識しすぎてしまうと「本当の自分がわからなくなってしまう」さらには「自分がわからないから自分を愛せない」という状態になってしまうのです。

では、私たち大人でさえ周りが気になってしまうことがある中で「私たちが子ども達にできること」には何があるのでしょうか?

感情の価値を知る

まず最初の1歩は『感情の価値』を正しく認識するところからです。

感情はどんな時に生まれるでしょうか?
よくある4種類の感情だけ取り出してみましょう。

  1. 喜び・楽しみ:良いことがあり嬉しい!楽しい!と思う時
  2. 怒り    :不満や不愉快なことに我慢できない時
  3. 悲しみ   :何かを失った時
  4. 恐れ    :心身へのリスクがある時

そして、これらの感情は下記のような行動を生み出すエネルギー源でもあります。

  1. 喜び・楽しみ:生きる力そのもの
  2. 怒り    :自分の自尊心を保ち、傷つかないように守る。正義感などから変化を促す
  3. 悲しみ   :自然や人などに寄りそい、優しい心を育む
  4. 恐れ    :危険を避け、命を守る

人は喜びや楽しみに触れるととてもパワーがみなぎります。起業家の方々に起業したキッカケを伺うと「怒りや悲しみを感じたから」という方も多いことがわかっています。
このようにどの感情も私たちには必要なものなのです。

 

感情に関わる言葉がけをちょっと変える

そうとわかっていても、ついつい子どもたちに次のような言葉をかけてしまうことはありませんか?

  • 笑っていた方が可愛いよ
  • ずっと泣いてたらカッコ悪いよ
  • 怒ってても仕方ないでしょ
  • 怖がってないでやりなさい

などなど。

私たち現代の大人は「正確に、決められたことを、言われた通りにやる」ことが褒められ、良いとされた子ども時代を送ったという方が多いのではないのでしょうか。

しかし、時代は変わりました。
「正確に、決められたことを、言われた通りにやる」のは人工知能やAIの大得意な分野となったのです。

それにより、これからの子どもたちは「人間だからこそできる力」特に『共感力』と『創造力』が求められます。
どちらも『感情』があって初めて発揮できるものです。

だからこそ自分の感情を抑えたり、隠したりするのではなく「今、自分は何を感じているんだろう」「何が大事なんだろう」「どんなことがあればこの気持ちが満たされた気持ちに変わるのかな」など、自分の感情を理解していくことが大切となってきます。

ハートマーク

余談となりますが、「インサイド・ヘッド」というアニメを見たことあるでしょうか?

「インサイド・ヘッド」は人間の頭の中が舞台で、感情がキャラクターになってストーリーが繰り広げられます。
全ての感情が必要であること、行動と紐づいていること、感情が成長とともに複雑化していくことなどがストーリーの中から学ぶことのできる、『感情の価値』を感覚的に理解しやすい映画になっています。
お子さんがいらっしゃる方には、ぜひお子さんと一緒に観ていただきたいものの一つです。

例えば、「インサイド・ヘッド」をご覧いただいた後であれば、その感情のキャラクターになぞらえて感じるのも一つの方法です。
子どもが泣いていたら「今は『カナシミ』が出て来てるのかな?」「『カナシミ』は何が悲しいって言ってる?」と聞いてみると理解しやすくなるかも知れません。
小学生以上であれば「悲しい気持ちになったのはなぜだろう?」「心の中にどんな願いが本当はあったのかな?」と一緒に考えてみてください。

笑っているときも同様です。「『ヨロコビ』が出て来てるのかな?」と聞いてもいいですし「嬉しいね(楽しいね)。何が嬉しいって気持ちにさせてくれたのかな?」と聞いてみるのも良いと思います。

想像する子どもたち

今ある感情を受け止め、自分の中に何が起きているのかな?と考えてみる。そうやって感情に寄り添うことをぜひお子さんと少しずつ行ってみてください。

もちろん、これはメンタルトレーニングと同じく練習が必要ですので、お母さんお父さんができることも大事!

夫婦喧嘩でイライラした時、子どもにムッとした時「今は私はどんな気持ちかな?」「私は何が満たされなくてイライラしてるのかな?」とぜひ自身の感情にも寄り添ってみてくださいね。

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赤井友美
赤井友美
株式会社4smiles代表取締役、一般社団法人子供教育創造機構 理事.
東京都生まれ。(株)リクルートに新卒入社し、約12年間でIT部門、広報、人事などを経験。その途中、中学生向けキャリア教育プログラムを新規事業として起案・立ち上げを経験し、教育の世界に足を踏み入れる。その後、教育系NPO法人設立準備に参画し、初代理事に就任。2度の出産をきっかけに人材育成にますます興味が移り、2012年に一般社団法人子供教育創造機構を設立。翌年リクルートを退職し、東京都中央区に民間学童施設「キンダリーインターナショナル」を仲間と共に設立。
根底にある思いは「一人ひとりが自らの才能を生かして主体的に生きること」「才能の多様性が活かされる文化をコミュニティで育むこと」
現在は小学生2人の子育てをしながら、学童保育施設3校舎を運営し、一人ひとりの才能を引き出し・活かすためのワークショップ、自己肯定感アッププログラム、キャリア教育プログラムを、東京・九州・東北を行き来し、各地で提供している。
http://learningcreation.org/

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