子どもを育む~子どもとの向き合い方のコツ<感情的にならない子育て vol.2>

【コラム】暮らしをワンランクアップ

子どもと毎日向き合っていると、理想論だけでは語れないことの連続に気づかされます。ダメだとわかっていながらも、ついきつい言葉を浴びせてしまったり、手が出る足が出る……など子ども相手とわかっていながらも堪えきれない感情をむき出しにしてしまったり。1日1日、今日こそは!とリセットしても、全くうまく行かない……子育てってこんなにしんどいの?と思うこともあるでしょう。

前回から3回にわたって、子育てアドバイザーの高祖常子さんに「感情的にならない子育て」のコツを教えていただくシリーズ。第1回目感情的にならない子育て」がなぜ必要なのか?を教えていただきました。第2回目となる今回は、感情的になってしまうことの弊害と、子どもへの向き合い方のコツを教えていただきます。

■第1回目 「感情的にならない子育て」がなぜ必要なのか?日本の現状について
■第2回目 子どもを育む~子どもとの向き合い方のコツ~ ←この記事はこちら
■第3回目 感情的にならない、親自身の心と生活の整え方

 

新型コロナで入院
新型コロナで入院

体罰や暴言が子どもに与える悪影響

この記事を読んでくださっている方の中にも、「親から叩かれたことがある」「いつも怒鳴りつけられていた」という方も少なくないでしょう。今までは、そのように対応することが、「子どもの成長のために(場合によっては)必要」と思われていました。

しかし、前回の記事でも紹介した「愛の鞭ゼロ作戦」のリーフレットにも紹介されていますが、体罰や暴言は子どもの脳によくない影響を与えています。「激しい体罰により、前頭前野(社会生活に極めて重要な脳部位)の容積が19.1%減少」「言葉の暴力により、聴覚野(声や音を知覚する脳部位)が変形」という福井大学の友田明美教授の研究結果(2009年、2011年)が出ています。

ハートと手

さらに、コロンビア大学エリザベス・ガーショフ氏による約16万人分の子どものデータに基づく分析(2016年)により、幼児期の体罰により「親子関係がネガティブになる」「反社会的行動を起こす」「攻撃性が強くなる」などが明らかになりました。

これらはまだ比較的新しい研究結果です。つまり、親世代が幼いころにはまだ、明らかになっていなかったけれど、「体罰や暴言による悪影響がわかった」ということ。筆者も講座で伝えていますが、「悪影響がわかったのですから、今日から今から、子どもへの体罰や暴言をやめましょう」ということです。

子どもに怒りをぶつけない!怒りをコントロールしよう

手のひらを見せる女の子

体罰等をせず、ではどうしたらいいのかと言うことですが、まずは、目の前の子どもに怒りをぶつけないことが重要です。

もちろん、だれでもストレスを感じたり、イライラすることはあります。叩く、怒鳴るという行為は、怒りの爆発ですから、怒りをコントロールすることが大事です。これは最近よく言われるアンガーマネジメントです。

イライラして怒鳴ったり、叩きたくなったら、以下のような方法を試してみましょう。

・深呼吸する
・ゆっくり数を数える
・怒りをぶつけそうになったら、(子どもが安全な場にいれば)自分がその場からちょっと離れる

ほかにも、窓を開けて風にあたる、お気に入りの曲を流すなど、いろいろな方法があるでしょう。要は怒りをクールダウンするということです。ぜひ自分なりの方法を見つけてみましょう。

親と子どもの気持ちの「ずれ」を言葉にして、解決していく

少し冷静になったら、それぞれの気持ちを言葉にしてみましょう。

ママと子ども

要は、親は「○○して欲しい」、子どもは「○○は、今したくない」「××したい」など、気持ちがずれているからイライラするということです。親の方は時間やスケジュールなどがありますから、つい自分の思い通りに動いてほしいと思って、怒鳴ったり叩いて言うことを聞かせようとしてしまいたくなります。でもそれは、子どもに考えさせていない、子どもに意見を言わせていないということにもなります。これは子どもの気持ちを無視し、子どもの声を奪っているとも言えるでしょう。

子どもの気持ちを考えたり聞いてみましょう。「なぜイヤだったのか」ということです。そして、「じゃあどうしたらいいのか」を子どもと考えてみましょう。

このやりとりが、子どもの心の成長・発達にとても大切です。子どもが自分でなぜイヤだったのかを考え、言語化すること、そして、どうしたらいいのかを考えること。これは、大人になって自立していくためにも必要な、コミュニケーション力でもあり、問題解決力でもあります。

子どもとの向き合い方は、「体罰等によらない子育てのために~みんなで育児を支える社会に」でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。リーフレットや冊子をダウンロードできます。

でも、時間がなかったり、子どもの話を聞く余裕がないこともありますよね。そんな場合はそうしたらいいのかを次回、お伝えします。

高祖常子
高祖常子
子育てアドバイザー、キャリアコンサルタント。
資格は保育士、幼稚園教諭2種、心理学検定1級ほか。
各NPOの理事や行政の委員も務める。子育てと働き方などを中心とした編集・執筆ほか、全国で講演を行っている。
著書は『男の子に厳しいしつけは必要ありません』(KADOKAWA)、『感情的にならない子育て』(かんき出版)ほか。3児の母。
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