親の介護や実家の権利、争続にならないために【マンガで考える! 暮らしとお金】

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0歳の男の子の子育てに奮闘中の共働き夫婦、篤志(34歳)と愛美(31歳)。
3年前に夫を亡くし1人で住んでいる篤志のお母さんの家で久しぶりに兄夫婦と集まることに。そこで母の異変に気が付きます。




「遠方に住んでいる兄夫婦と自分達夫婦。もし1人で住んでいる親の生活に不安が出てきたら?残念ながら兄弟で介護の負担を押し付け合いになるってことも少なくないんだきゅ~う…」

目次

親の介護、誰が面倒みる?

両親ともに健在で何不自由なく暮らしていても、いずれ来る親の介護に不安を覚える人は少なくはありません。今、ご両親のどちらかに何かあったら「誰が親の面倒をみるのか?」あなたはじっくりと考えてみたことがありますか?

あなたがもし一人っ子であれば、親の介護はいずれ否応なく降りかかってくること。
たとえば、
・会社の介護休暇制度についてあらかじめ調べておく。
・実家のある自治体ホームページで、福祉の窓口や要介護申請をする手順や必要書類などを調べておく。

兄弟姉妹がいる人は、それとなく
・「最後まで家で介護されたいか」など親の考えを知っているか聞いてみる。
・今の職場で、どの程度休みが取りやすいか(逆に取りにくいか)確認しておく。

など、今できることがあるものです。

義父の介護をした長男の嫁。介護の見返りを主張できる?できない?

介護の先にいずれ来る「相続」について。

2020年4月に民法の大きな改正がありましたので、ここでは「特別寄与者(特別寄与料)」と「配偶者居住権」について簡単に取り上げておきます。

ひとつめは、生前の被相続人への貢献が考慮される「特別寄与者(特別寄与料)」です。

たとえば、長男の嫁が義父母の介護をすることもあると思いますが、ご存知の通り、相続人となれるのは、配偶者やその子ども、それらがいない場合は直系尊属や被相続人の兄弟姉妹、というふうに相続順位が決められおり、その中に長男の嫁は含まれません。

改正民法では、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者=特別寄与者として、相続人ではない親族にも寄与分を考慮してもよいことに。特別寄与者は、相続発生時に相続人に対して「特別寄与料」を請求することができるようになったのです。

ただ制度上はそうであるとしても、親族との「争続」が起きないように配慮は必要です。
介護をしている時に、親から報酬とみなされるようなお金は受け取らない、介護にかかった費用明細をきちんと残しておくなどの対策をしておくことが望ましいでしょう。

次に「配偶者居住権」ですが、これは、遺産分割で自宅を処分しなくても残された配偶者が被相続人の所有する家に住み続けられるように、自宅を所有権と居住権に切り分けて登記できるように新設された制度です。

ここでは詳しく触れませんが、自宅不動産が主な相続財産で金融資産があまりない場合でも、配偶者がある程度の生活資金を維持しながら自宅に住み続けることができることを目指して制度が考えられています。

「財産と言ったって自宅ぐらいしかないから大丈夫でしょう」「実家は親がそのまま住めばいいんだし……」と相続トラブルを他人事と考える人は珍しくありません。ですが、相続人のひとりに遺留分を主張され、金銭で代償することができなければ泣く泣く自宅を手放すことにもなりかねません。

親の懐事情を知る子どもはそう多くないのでは、と推察します。
気になる方は、まずインターネットで調べたり、自治体の法律相談などで話を聞いてみるなど情報収集してみてください。同時に、親とも「今度こんな制度ができたんだって」など積極的に話題にしてみましょう。ニュースをきっかけに、親も相続について考えるようになるかもしれません。

まとめ

「どこで」「どんな介護」をしてもらいたいのか?
最期の看取りに希望することは何か?
蓄えた資産や先祖代々の土地をそれぞれ「誰に」残したいのか?
なかなか重い話題ではあります。

しかし、何も話さずに時が過ぎてしまうと…… 後で大変な思いをしたり後悔したりするかもしれません。

両親や兄弟姉妹と、現状や将来について気軽に話し合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。



「介護が必要になるタイミングは急に訪れるもの。相続の問題にも繋がってくるから、パニックにならないように、事前に準備しておきたいものだね!」

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