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保険を学ぶQ&A
このコーナーでは、保険の選び方やお金にまつわる情報をお届けします。
さらに、「お金に関するネタ」や「季節のネタ」、「ちょっぴり気になる女子の疑問や悩み」について、全国の男女にアンケート調査を行った結果や解説もご紹介。あなたの「知りたい!」に答えます。このコーナーを読めば、お金や保険、ライフプランについて詳しくなれるはず。
下の子の学資保険加入を検討と同時に、上の子の将来に学資金をどうしたらいいか悩んでいます。何社かに見積もりも頂きましたが、今ひとつ決めきれておりません。
上の子はもう7歳なので、加入できる学資保険もかなり限られていますし、学資保険にとらわれず個人年金保険や下の子の学資保険の保険金額を高く設定し、貸付制度を利用する方法もあると言われ、さらに悩んでいます。どのように考えたらよいでしょうか。
下のお子さんは短期払で、学資保険への加入を
下のお子さんがまだ1歳という年齢なのに、ひとりでお子さんを育てるのはご苦労も多いと思います。教育資金についても、心配が尽きないことでしょう。
今回は先に、下のお子さんの教育資金準備からアドバイスします。下のお子さんは、1歳という年齢を考えれば、迷わず学資保険に加入されたほうが良いと思います。学資保険に加入していないと、大学の入学前にかかる費用の工面に苦労する羽目になってしまうからです。
学資保険の保険金額は、合計で200万円が目安。最近では、学資金を一時金で受け取るのではなく、年金のように分割して払われるタイプが主流ですので、受け取りの合計額が200万円程度になるように加入するようにしましょう。
可能であれば、10歳などで保険料の支払いが終わる「短期払」を利用できると、安心です。17歳や18歳まで保険料を支払うプランに比べて、毎月の保険料負担は重くなりますが、下のお子さんが10歳になられる頃には、上のお子さんはすでに高校生。上のお子さんの教育費が重くなっているはずです。上のお子さんの教育費負担で、下のお子さんの学資保険を解約してしまうリスクを避けるためにも、短期払にするのが望ましいでしょう。
学資保険は、保険金額を多めに設定したいところですが、保険料を払いきれなければ、そのメリットを活かせません。保険金額を多くすることよりも、10歳まで、払い続けられる保険料はいくらなのかを考えたうえで、加入プランを決めるのがおすすめです。
上のお子さんは児童手当や児童扶養手当で準備を
次は、上のお子さんの学資保険加入について。すでに7歳になられていることを考えますと、これから学資保険に加入するのはお勧めできません。加入できる学資保険があるとしても、保険料の払い込み期間が短いので、保険料が高額になってしまうからです。上のお子さんの教育資金に関しては、これから受け取れる児童手当と児童扶養手当にできるだけ手を付けずに、専用の口座に移動させて貯めておくのが、現実的だと思います。
ご質問にありました「下のお子さんの学資保険の保険金額を増やす」というプランですが、この方法は難しいと思います。大学時代の2人分の学資を、学資保険だけで準備するならば、保険金額を1000万円くらいに設定しなければならないからです。下のお子さんの学資保険で、それだけの保険料を払うのは現実的ではないでしょう。下のお子さんの学資保険は、下のお子さんの大学の入学資金に使うと割り切って契約するのが良いと思います。
また教育資金のためだとしても、いざというときに貸付制度を利用するのは避けるべきです。貸付制度の利用を前提にしてしまうと、お金が必要になった時に気軽に利用してしまう可能性があります。貸付制度を利用した後、返せないまま時間が経過してしまうと、入学費用のために学資保険に加入したにもかかわらず、入学費用が準備できない結果になるかもしれません。貸付制度を当てにせず、10歳まで、確実に支払える保険料はいくらかを冷静に考えましょう。
最後に整理しますと、下のお子さんの学費は学資保険で準備し、上のお子さんの学資は、児童手当や児童扶養に手を付けずに、月々の家計をやりくりするのが適切なプランになると思います。
(出典:保険クリニック「7歳と1歳の子どもがいます。学資保険には加入したほうが良いですか/ファイナンシャルプランナー畠中 雅子」、FPが教える家計の学校、2017年6月掲載、https://www.hoken-clinic.com/sp/teach_qa/detail193.html)