ぐんぐん成長こどもご飯<最高のパフォーマンスを発揮する食事術 Vol.1>

【コラム】暮らしをワンランクアップ

みなさん、お子様の食事事情にお悩みはありませんか?

“野菜を食べない” “好き嫌いが激しい”というお悩みの他に、働く忙しいママが増えたことで “料理を作っている時間がない” “バランスの良い食事がわからない” といった現代風のお悩みもあるかもしれません。どの悩みも、お子さんを思ってこそでてくることです。

とは言え、自問自答を繰り返したところで答えは出ず、そういうときこそプロに相談したいものですよね。

今日から3回に渡ってお話を聞かせてくださるのは、子どもの食事問題に真摯に向き合っているママ・パパに少しでも寄り添い、力になるためにはどうしたら良いのだろう?という疑問から、今ではInstagramに簡単時短栄養満点ご飯をUPしている、管理栄養士の矢部まり子さん。「自分史上最高のパフォーマンスを発揮する食事術」をテーマにお話くださいます。

第1回目の今回は、「ぐんぐん成長こどもご飯!」について、教えていただきます。

 

目次

たんぱく質を意識して!

ステーキ

早速ですが、食事の際“野菜を摂ること”はとても大事ではありますが、一番大事なことは身体の基本となる“たんぱく質を摂る”ことです。

たんぱく質(protein=プロテイン)という言葉は、古代ギリシア語で“第一なるもの・主要なもの”を意味します。古代ギリシア文明の頃からたんぱく質の重要性はわかっていたのですね。

肌や髪だけでなく、筋肉・骨・血液・臓器などの主となる成分はたんぱく質なのです。ですので文頭の“野菜を食べない”というお悩みであれば、『種類を増やそうとせずに、食べられる野菜を食卓に出してあげれば大丈夫ですよ』とお答えしますし“好き嫌いが激しい”というお悩みには『肉魚卵豆製品の中から、食べられるものを多めに食べさせてあげてくださいね』とお伝えします。

もちろん、野菜や色々な食材を食べるということは大事ですが、作り手であるお母さんがそこに時間をとられてしまうよりも、“食べられるたんぱく質をしっかり食べていく”ということのほうが作り手も食べる側も負担の少ないとても大事なことなのです。

 

たんぱく質の摂りかたのポイント

たんぱく質の摂りかたにも、ポイントがあります。

まず一つはしっかりと量をとること。イメージとしては、たんぱく質を最優先で食べて、たんぱく質と野菜類でおなかを満たすようなイメージです。そこにまだ食べたいなという気持ちがあれば、お米を併せる。

子どもはお米が大好きですが、お米やパンなどでお腹を満たしてしまうと、身長や体重の伸びに影響することもあるので、意識してたんぱく質の優先度をあげるようにしてみてくださいね。

また、今まで充分なたんぱく質を摂取していなかった場合、急にたくさんの量を摂ろうとすると、胃が重く感じたり、お腹が張った感覚を訴える方もおられます。

なぜなら、食べ物を消化する消化酵素も“たんぱく質”が原料になっているからです。

その場合は、消化に負担がかかりにくい、白身のお魚や生でいただけるお刺身・脂身の少ない鶏むね肉やささみ、豆腐類を上手に使って少しずつ摂取量を増やしていきましょう。

忙しい朝ごはんは、納豆ご飯とお味噌汁でも大丈夫!その代わり、納豆にはしらすやかつおぶし、ミネラル摂取のための青のりをたっぷり入れ、お味噌汁は具沢山の豚汁や、卵を一個分おとしたスープなどにし、朝からお手軽にココロとカラダが喜ぶ栄養摂取をさせてあげましょう!

 

おつまみコーナーや割引食材を活用しましょう

また、学校から帰ってきて夕飯までのつなぎの時間や、塾に行く前、行った後の補食でお困りの場合は、是非おつまみコーナーをのぞいてみてください。

ナッツ類

おつまみコーナーにはするめや鮭とば、うずらの卵の塩漬けや素焼きのナッツ、めかぶや昆布など栄養豊富なものが多くそろっています!これらを選ぶ際のポイントは原材料がシンプルなもの!

たとえば、“するめ”の場合、原材料が“いか・塩”のものもあれば、少しそそるようなピリ辛味もあります。となると、原材料だけでなく添加物や化学調味料まで増えてきてしまうのです。

ビーフジャーキーなども同じように裏側の栄養表示を見て選べば、鉄分補充にもぴったりですし、受験生の場合、血糖変動による眠気が起きにくくもなるのです。

幼児期のお悩みの一つである“背が伸びない”原因のひとつには亜鉛という栄養素の不足の関与がわかっていますが、亜鉛を多く含んでいるのは牡蠣や牛ロース肉・レバー・卵黄など。こちらもやはりたんぱく質をしっかりと摂取していれば一緒に摂れる栄養素なのです。

以上のように、まずはたんぱく質の摂取を意識するだけで、こどものパフォーマンスを最大限に発揮できる簡単ごはんが作れます。

働くお母さんが増え、毎食のご飯作りの苦労はこれまで以上だと思いますが、難しく考えず、作る気力がない時はステーキを焼きましょう! 夕方のお肉コーナーでステーキ肉は比較的値下げされていることが多い家計お助け食材でもあるのです。
それらの食材を使ってパパッと調理すれば、外食よりも添加物が少なく、罪悪感も少ない、超時短なのに栄養満点ご飯の出来上がり!

まずは負担に感じない程度に手軽に、できることから、はじめてみてくださいね!

 


矢部まり子
株式会社ビタミンM 代表取締役 管理栄養士
\\医療費より食費//をモットーに、老若男女問わず食事や栄養を基盤とした予防医療の普及に力をいれている。従来の栄養指導よりも更にひとりひとりの栄養状態に合わせたオーダーメイドな食事指導を行っている。
現在はクリニック以外にも保育園やオンラインセミナーなどで、科学的根拠のある“バランスの良い食事”の知識の啓蒙活動中。身長176㎝!家事育児にプラスし筋トレに奮闘中のワーキングマザー!
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