残暑を乗り切るためにも五感で楽しめる”涼”を取り入れよう!<インテリアコーディネーターに聞く!心が喜ぶインテリア術 Vol.3>

【コラム】暮らしをワンランクアップ

部屋のイメージを決めてしまうインテリア。おしゃれな部屋で暮らしたいけれど、実用的で家族みんなが過ごしやすい空間でもあってほしいですよね。

「子どもの成長に合わせた、心に寄り添うリビング作りを<インテリアコーディネーターに聞く!心が喜ぶインテリア術 Vol.1>」では、子どものライフステージで変化するリビングの作り方をテーマに、そして、子どもの成長に合わせたリビングの作りのコツ、実例写真やおススメ家具をご紹介<インテリアコーディネーターに聞く!心が喜ぶインテリア術 Vol.2>では、ライフステージにあわせたコーディネートのポイントとおすすめ家具を、インテリアコーディネーター小島真子さんにご紹介いただきました。

このコラムでは、”五感で感じる涼空間のポイント”をテーマにお届けします。

目次

残暑を感じさせない涼空間のポイントとは

7月からの連日のニュースによると、2018年は、猛暑ではなく酷暑という表記。自分の体温より高い気温の中では、体を動かすのも、食事をとるのもだるくなります。だからと言って、エアコンをかけっぱなしの部屋で過ごしてばかりいるとけだるさが続いてしまったる、熱中症になったりすることもあります。

まだ続く夏の季節を楽しめるように、エアコン頼りではない、五感で感じる涼空間のポイントをご紹介いたします。

色の効用を利用し、体感温度-3度の空間作り

青系の寒色を利用すると、体感温度がマイナス3度変わると言われる部屋作りが可能です。

広い面積を占めているドレープカーテンの色を変えてみてはいかがでしょうか? また、一般レースに比べると熱量が20%軽減されているという機能性カーテン・ミラーカーテンを酷暑対策に利用してみても。

寒色系のドレープカーテンにしたら、室内への装飾用のアートやファブリックパネルも色を合わせたいですね。そうすることで、色のつながりができて、簡単に夏色コーディネートの出来上がりです。

カーテンで使われている一色を、ソファのカバーと合わせてもGOOD!

食空間も涼を意識して

夏は暑くてついつい体の火照りを抑えるために冷たいものに頼ってしまいがちで体調を崩してしまうこともありますが、それは冷たい部屋で冷たいものを食べすぎてしまっている部分があるからでは?

室内と外気の気温の差を作りすぎては体にもNG。エアコンを利用しすぎずに、五感の機能を分散して涼を感じるように調整していくのがおすすめです。

エアコンと、サーキュレーターや扇風機を併用して使用してみてはいかがでしょうか。

また、より一層涼を感じられるように、ガラスの器などを多用する食空間にしてみると良いでしょう。また、貝殻などのモチーフを利用してみても爽やかさが感じられます。

そして、ダイニングテーブル上やディスプレイとして使う花器や花材なども夏や涼を意識したものを。

テーブルフラワーは、向日葵やケイトウを使用するのもおすすめです。
花器は、ガラスベースのものか、もしくはブルー系のもの、籐素材など夏っぽい感じのイメージがするものを選んでみると、視覚で感じられる涼空間を演出しやすくなります。

また、かき氷やスイカ・冷やしトマト・きゅうり・素麺など味覚から感じられる涼と、テーブルフラワーに用いるグリーンや流木、竹の香り他、海の香りのルームフレグランスを用いてみると、嗅覚から感じられる涼も楽しめます。

夜間の寝苦しさは、色と素材で解決

快眠を促す空間全体のコーディネートとして、ファブリックは落ち着く色を選び、色数を少なめにするコーディネートがおすすめ。

まず、眠りを誘うお部屋全体のインテリアカラーとしては、癒し・鎮静効果のあるグリーン・ブルー・パープルなどを取り入れてみましょう。近年流行のグレーも他の色と合わせやすく、落ち着きます。

中でも寒色系の青色は、「神経の興奮を鎮める」という鎮静効果の他、色の効用として「体を冷やす」という側面もあります。

夏の寝室作りは、寒色系のお色でのコーディネートを積極的に取り入れるのもおすすめです。

但し、全部をブルーにしてしまうとお部屋全体のメリハリがなくなってしまうので、ベッドリネンとクッション、カーテンなど色の掛け合わせや、同色でも濃淡を使ってコーディネートを楽しみましょう。

また、快適な眠りを誘うポイントとして、ベッドリネン類の素材選びも重要です。
素材としては、通気性、水分の吸水・速乾性に優れ汗を多くかいてもベタつくことがなく、洗濯もしやすいオーガニックコットンやリネンがおすすめです。

視覚と触覚から、夏の寝苦しい夜を軽減し、涼を感じるベッドルーム作りが体感できます。

夏の風情は五感によびかける涼空間

インテリアが整ったら、直接体を冷やしてさらに涼を取り入れてみましょう。太い静脈がある部分にひえピタを貼ったり、おしゃれな氷嚢が販売されているのでそちらを利用してみても。

また、タライは1つあると便利ですね。水を張ったタライに足をつけたり、野菜を冷やしたり、水遊びに使用したりなど多様使いをすることができます。家にひとつ用意しておくと良いでしょう。

ただ、体を直接冷やす場合は、やり過ぎには気をつけてくださいね。

竹製の座布団などを敷いた縁側にたらいで飲み物を冷やしながら、花火や風鈴の音を楽しむこと。夏の風情として楽しんでいることは、実は五感によびかける涼空間であり、それは先人からの知恵だったのですね。

縁側に庇やオーニングを付けて外空間を楽しんでみたり、最近では庭先だけでなく、ベランダでグランピングを楽しむ「ベランピング」も注目されています。なかには一般住宅の庭や屋上をグランピング仕様に切り替える人もいるほどです。

何かと出かけるのが面倒なこの季節。次回のインテリアコラムでは気軽にグランピングを楽しむポイントをご紹介していきます。


小島 真子

株式会社 Laughstyle 代表
インテリアコーディネート事務所の株式会社Laughstyle代表を務める。法人代表としてサロン、オフィス、社員寮、ホテルなどのインテリアコーディネートを中心にイベント用のスタイリングも行っている。個人でも新築・リフォーム・引越し時のインテリアコーディネートやインテリアアイテムのレイアウト相談を行う。また、インテリア関連のセミナー講師や、執筆活動、コンサルティング、ディレクション、またメディア協力でも活動中。現在キャンピングカーのインテリアデザインも行っており、オリジナルデザインとして販売中。
https://www.laugh-style.jp/

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