世界の料理を五感で体感する<大切な家族を笑顔にする食生活 vol.2>

【コラム】暮らしをワンランクアップ

何らかのきっかけを原点に、食生活を見直す。そのきっかけは、身体の不調であったり、何気なく取り入れた情報だったり、と様々あると思いますが、誰もが望むのは「美しく健康な身体」を作ったり維持したりするためですよね。

「大切な家族を笑顔にする食生活」というテーマで前回から3回に渡ってお話しくださっている杁山梨花さんは、健康のために「青パパイヤ」を取り入れ、日本初の「青パパイヤ専門店」まで開店されました。第1回目では、主に「青パパイヤ」を家族の日常に取り入れたきっかけ、そして家族のみならず「皆様の健康のため」というモットーで青パパイヤ食が「習慣」となるようにという目標をご紹介くださいました。第2回目となる今回は「世界の料理を五感で体感する」というテーマでお話しいただきます。

第1回目 美味しく腸活&美肌! 健康のために取り入れたい「青パパイヤ」とは?
■第2回目 世界の料理を五感で体感する←この記事はこちら
第3回目 毎日の献立が困らなくなる方法

 

新型コロナで入院

きっかけはタイへの旅行

杁山梨花さんは、タイ料理で有名な、青パパイヤを使ったサラダ「ソムタム」の専門店を夫婦で経営しています。
現在は、主人がお店の運営のメインに立ち、私は0歳の娘を育てながら休日にタイ料理教室を開催したり、その他通販事業の促進やチラシづくり、新メニュー開発などを行なっています。

日本初のソムタム専門店を開き、タイ料理教室を開催するにあたり、何度もタイを訪れ、ソムタムを食べ歩き、タイ料理を勉強しました。

今となってみれば、「知らない国の料理を五感で体感した経験」によって、食事を作るという行為が、ある種の義務からもっと知りたいと思えるような楽しいことに変わったので、本当に貴重な経験だったと思っています。プロでなくても、料理を追求し、楽しめる権利があります。
家で作ることができない料理なんてないのです。

そのことを皆さんにも知っていただけたら幸いです。

私がタイ料理に本格的に興味を持ったのは、2018年にたまたま旅行でタイを訪れた時でした。

もともとタイ料理は大好きでしたが、実際に現地で食べると、それはもう格別な美味しさでした。カンカン照りの暑さの中、人通りの多い街中で汗をかきながら食べる甘辛い料理の数々は、雰囲気も味も最高でした。日本のように、広くて綺麗な店内でお行儀よく食べるものとは、まったく別の印象です。屋台が多く、テイクアウト文化が中心のタイですが、持ち帰り用の入れ物がビニール袋なのには驚きました。スープもカレーもサラダも、ビニール袋です。日本人の感覚では信じられないですが、食べてしまえば味は絶品で、タイではそれが当たり前なんですよね。日本では味わうことができない食文化の違い、楽しさを体感しました。

その旅の中でタイ料理に魅了された私は、もっと深く知りたいと思い、料理教室を訪れました。この体験が、私の人生を大きく変えることとなったのです。

知らないことを知った時の感動が自分を成長させる

料理教室ではまず、参加者数名と英語が話せるガイドさんと一緒に市場に行きます。

タイには屋台を含め、レストランがたくさんありますが、各地域に大小様々な市場があり、皆そこで食材を調達します。一般人も入れるため、観光として歩くだけでも楽しいですが、見たことのないものばかりが並んでいるので、ガイドさんがいてくれたおかげで何倍も楽しめました。

例えば、日本のナスは紫色で細長い形をしていますが、タイのナスは緑色で5センチ程度の丸型をしています。この小さなナスはカレーや炒め物でよく使われているのですが、説明がないと「何これ、日本にはない野菜だね」で、通り過ぎてしまいますよね。

しかし、ちょっとした説明を聞くだけで、「昨日のカレーに入っていた野菜、ナスだったんだ!」と一つ一つ答え合わせができる訳です。他にも、タイの屋台で食べるラーメンには得体の知れない練り物や肉、内臓が入っていますが、一つ一つそれが何なのか、加工前の現物を見て学ぶことができて勉強になりました。

ひとつ驚いたのは、内臓だと思って食べていたものが、血の塊だったことです。とても暑い市場の中に、こういった血の塊や鶏肉、魚が常温で並べられて売っているのですが、なぜかタイのお肉は食べた時に臭みを感じないのが不思議です。日本との環境の違いや、食文化の違いを目の当たりにし、終始驚きと関心でとにかくワクワクしたことが忘れられません。「面白い」「もっともっと知りたい」と前のめりに意欲が湧いたのは本当に久しぶりでした。

実体験しないと分からないことがある

市場で食料を調達した後は、バスでキッチンのある場所に移動し、いよいよ料理教室の始まりです。

イエローカレー、鶏のカシューナッツ炒め、ソムタム、マンゴーともち米のココナッツミルクがけの4種類を教わりました。タイ料理にはココナッツミルクをたくさん使用するのですが、ココナッツを専用の機械で削って絞り、手作りしました。スーパーには生成された状態の調味料が並んでいて、私たちはそれを使用するし、売ってなければその調味料を使った料理が作れないと思いがちですが、もともとはこうやって誰かが手作業で作っているんだと思うと、当たり前に使用している調味料の原材料や作り方に興味が湧きます。

タイ料理も同じで、それまではお店で食べるものだと思っていましたが、現地の市場で一つ一つ材料を見て選び、自分で調理をすると、これまで複雑に感じていた味が全て頭の中で分解されていく(理解する)喜びを感じました。

調理道具にも、クロックという初めて見るものがありました。木や土や石で出来た壺と、太めの棒がセットになっていて、壺の中で唐辛子やニンニク、レモングラスなどを叩いてサラダのソースやカレー粉を作るために使います。ソムタムも、この壺の中でニンニク、唐辛子、ライム、ココナッツシュガーを砕いた後、千切りにした青パパイヤやトマト、ピーナツ、干しエビを混ぜ合わせて作ります。この独特な調理法にとてもワクワクしたため、私が開いたソムタム専門店では、あえてソムタムを作るところをお見せするようにしています。日本のタイ料理店では、厨房を見せているところないのが勿体無いと思ったのです。

 

自分で作れない料理はない

このような経験から感じたことは、料理に限らず、私たちが「出来ない」と思い込んでいたことのほとんどは、知識がなかっただけ、ということがたくさんあるということです。

今では、私はタイだけでなく世界中の料理に興味を持ち、調べては作ることを繰り返しています。どんな料理だって、誰かが作っているから存在するのです。少しでも知らないレシピに挑戦することで、必ず何か発見があり、毎日の献立に役立つはずです。料理は挑戦するほどレパートリーが増えるし、自分でアレンジする力も身につきます。毎日の小さな発見や挑戦の積み重ねが、日々の食卓を一層楽しく色鮮やかにしてくれると感じています。

 

杁山梨花
東京都在住。夫、0歳の娘、4歳の愛犬と暮らす。2019年、日本初の青パパイヤ専門店『SOM TUM CAFFE(ソムタムカフェ)』を夫婦でオープン。現在は、子育てをしながら、通販事業やメニュー開発、タイ料理教室の開催など、自宅でも出来ることを中心に、青パパイヤの宣伝活動をしている。目標は、青パパイヤを日本のスーパーに並ぶようなメジャーな野菜にし、日本人の健康寿命を延ばすこと。
SOM TUM CAFFE(ソムタムカフェ)HP
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