全国の自治体に広まりつつある「自転車保険」の加入義務化。
2020年3月時点で、自転車保険の加入を義務化しているのは、6府県5政令市でしたが、2020年4月に東京都・愛媛県・奈良県も義務化されました。
※6府県=埼玉県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、鹿児島県
この記事を読んでいただくことで、どうして自転車保険に加入する必要があるのかや、自転車保険に加入しなかった場合のデメリット、そしてオススメの自転車向けの保険が、わかるようになっております。
目次
子どもの自転車事故で約1億円の損害賠償!? 自転車保険義務化の背景
2015年10月、自転車保険義務化は兵庫県から始まりました。
自転車保険義務化のきっかけと言われているのは、2008年9月に神戸市内で発生した、当時小学生が運転していたマウンテンバイクによる事故でした。
当時小学生だった児童が帰宅時に自転車のライトを点灯させた状態で、坂道を時速20キロ~30キロで走行していたところ、散歩中だった当時60代の女性と衝突。この女性は頭蓋骨骨折で意識不明の重体だったそうです。
事故当時、この児童が自転車運転時にヘルメットを着用していなかったことで、「保護者が児童の自転車運転に対して、十分な注意や指導をしていなかったことで監督義務を怠った」と判断され、2013年の裁判で神戸地裁が児童の保護者に対して、約1億円の損害賠償を支払うよう命じました。
各自治体が取り組み始めている自転車保険の加入義務化の目的は、万が一、自転車事故を起こしてしまった場合の「被害者の救済」や、損害賠償責任を負った場合の「加害者の経済的負担の軽減」を図ることにあります。
▼詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
自転車保険加入が義務化 保険に入らなかったらどうなるの!?
2020年3月現在、自転車保険に未加入でも法的に罰せられることはありませんが、条例で義務化となっている地域では、条例違反になります。
「学校で自転車通学が認められない」「会社で自転車通勤を認められない」ということもありますので注意が必要です。
罰せられることはなくても、自転車は身近な乗り物だけに、いつ自分が加害者や被害者になるかわかりません。
自転車の車両同士の接触事故だけではなく、自転車と歩行者の接触事故も発生しています。警視庁が発表している『自転車事故分析資料(2018年中)』によると、2018年の1年間、東京都内だけでも事故件数が3万件を超えています。また、2016年度の資料では全国で年間約50万件の自転車が絡む事故が発生しています。
万が一のときのリスクに備えて、自転車保険などの個人賠償責任に関する補償がある保険や、ケガで入院や通院に関する保障がある医療保険などの加入や見直しを検討してみることも必要です。
▼詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
オススメの自転車向け保険は!?
保険会社によって補償内容や保険金額、保険料が異なるので、複数社の自転車向け保険を比べながら、自分に合った保険に加入するのがベストです。
また、本人のみ補償するタイプや家族全員を補償するタイプなどもあるので、自分の状況にあった保険を探してみましょう。
また、個人賠償責任補償に関しては火災保険や自動車保険でついている場合もあります。
補償を受けられる方またはそのご家族が、補償内容が同じような保険を他にご契約されているときには個人賠償責任補償が重複することがあります。ご契約の際にはチェックしてみましょう。
▼詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
【まとめ】「自転車保険」の加入義務化の背景や必要性の理解は深まりましたか?
自転車保険の加入はあくまで万が一のことを考えてのことですが、事故を未然に防ぐために、まずは安全運転の意識を持つことがなにより大切なことです。
そして義務化に限らず、大切な子どもや家族を守るために、自転車事故に備えた保険について考えてみてはいかがでしょうか。