お子さまの行動範囲がぐんと拡がる春。子ども医療費助成制度という公的な備えがあるものの、親としてはお子さまの事故や病気に対する不安が増す時期なのかもしれません。
そこで今回は、学資保険ではない「子どもの病気やけがへの備え」をテーマに、子どもの公的医療費助成制度と学校でけがや体調不良を起こした場合に役立つ共済制度についてまとめてみました。気がかりがある方はぜひ最後までお付き合いください。
目次
住むエリアによって異なる子ども医療費助成制度の内容
お子さまが病院に通院・入院して治療を受ける際に大きな助けとなる子ども医療費助成制度。お住いの自治体によってその内容が変わります。ご存じでしたか?
たとえば、対象となる子どもの年齢。
都道府県単位でみると「就学前」、市区町村単位では「中学3年生まで(15歳年度末)」を助成対象とする自治体がもっとも多いという結果に(参考:令和2年度「乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」厚生労働省)。
親の所得制限についても同様に、所得制限の無い市町村や一部の年齢のみ制限が無くなった市町村など多種多様です。
子ども医療費助成制度の内容は固定ではありません。年度によって助成対象や内容が変わる場合もありますので、時々自治体HPでチェックすることをおすすめします。
子どもの医療保障は必要?それとも不要?
前項で触れた制度の活用により、お子さまの不意のけがや病気などで医療費がかかったとしても、大人の治療費に比べて家計への影響は小さいと言えるでしょう。
ただ、子ども医療費助成制度は保険適用の医療費に対する補助です。差額ベッド代や病院への付き添いでお勤め時間が減ったなど、治療費以外の出費や収入減少に備えることはできません。
手元資金が少ない子育て世帯や、お子さまの通院・入院に伴い実収入が減る可能性の高い世帯では、こうした医療費以外の出費に備えるために医療保障を買うという考え方もあるのではないでしょうか。
とは言え、子ども向けの医療保険にもたくさんの種類があります。ご自身で調べるのが難しい場合、一括で見積もりがとれる保険サイトを利用してみる、子どもを対象とする医療共済に1口加入しておくのも一案です。
登下校時や授業中、休み時間のけがへの備え「災害共済給付」
4月は、さまざまな書類の提出を伴います。バタバタとして忘れ去られがちですが、学校で加入手続きをする共済制度に「災害共済給付」があります。
『その原因である事由が学校の管理下で生じたもので、療養に要する費用の額が5,000円以上のもの』が給付対象で、お子さまのけがだけでなく、給食で中毒を起こした、体育の授業中に熱中症で倒れたなどの疾病も対象に含まれます。
制度の適用範囲をひとことで示すキーワードが「学校の管理下」という言葉。聞きなれない言葉ですが、具体的に書くと「授業中」「休み時間」「通学時」など日常の学校生活中はもちろんのこと、遠足や校外学習など学校から離れた場所での行事中や移動中に起きた事故・疾病も当てはまります。
お子さまが学校でけがをするなど給付の対象となるような場合、学校の先生からも説明があると思いますが、気になる方は、独立行政法人日本スポーツ振興センターの「学校安全Web」で、災害共済給付制度の概要を事前に確認しておくと安心です。
活発なお子さまで生活全般にわたる事故やけがへの不安が残る方は、さらに自転車保険や個人賠償責任保険(特約)も検討してみましょう。
<参考>
■厚生労働省>報道・広報>報道発表資料>2021年9月>令和2年度「乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」について
■学校安全Web>災害共済給付付>保護者の方へ
海老原 政子 (「おゆみの相談室」代表)
大学卒業後、SE、インテリアコーディネーターなど仕事に明け暮れる生活から一転、出産1年後に未経験ながら国内生保に再就職。営業活動するなかでライフプランの重要性に目覚める。ファイナンシャルプランナー資格を取得後に独立。現在、働くママのキャリアチェンジ前後の家計相談や保険の見直し、住宅ローン相談を行う。マネーセミナー講師やコラム執筆実績も多数。子育て中の主婦の目線を活かした家計改善アドバイスが好評。
<保有資格>
ファイナンシャルプランナー(二級FP技能士/AFP)、住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会)
「エムプランニング」WEBサイト
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