iDeCoを活用して老後資金を準備する!!【マンガで考える! 暮らしとお金】

マンガで考える! 暮らしとお金
0歳の男の子の子育てに奮闘中の共働き夫婦、篤志(34歳)と愛美(31歳)。
老後資金は2,000万円を目標に貯蓄が必要という話を聞き、投資に興味を持つ篤志です。



「節税対策にもなると今話題のiDeCoやNISA。周りが始めていて気になっているという人も多いのでは?今回は、iDeCoの特徴を見ていくんだきゅ〜う!」

 

将来の自分のために「貯める」「投資する」上でメリットが大きい、iDeCo制度の概要や特徴、NISAとの使い分けについても学んでみましょう。

目次

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは!?

iDeCoは、個人が毎月積み立てをして、掛け金の運用先は自分で選択しながらも、原則60歳になったら年金か一時金として受け取る制度です。商品は定期預金などの元本確保型や投資信託等の投資商品がセレクトでき、その運用次第で将来受け取る金額が変動します。

ただiDeCoは一度スタートしたら60歳まで途中引き出しができない点に注意が必要です。
長期に渡っての支払いが可能かどうか、資金計画を立ててみましょう。

拠出期間の途中で支払いが困難になった場合、1年に1回は金額変更や停止・再開が可能です。
特に女性の場合、結婚や出産前によって収入が変動する可能性もあるため、長期で拠出していくことを躊躇される方もいますが、収入ダウンした期間はiDeCoの減額、停止をしておき、働き始めたらまた再開するなど計画すると良いと思います。

iDeCoのメリットやデメリットについて見てみましょう。

1.掛け金の全額所得控除は最大のメリット!

iDeCoの月々積み立てた掛金は全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)され、課税所得が下がる分、所得税、住民税がそれぞれ安くなる効果があります。日本の所得税は収入が高い人ほど税率が高い累進課税制度を採用しているため、収入が多い人ほどiDeCoを活用するメリットが大きいのです。

例えば毎月2万円ずつ積立で年間24万円の所得控除がされ、所得税率5%の方の場合、所得税1万2000円、住民税2万4000円(住民税10%)の合計3万6000円が軽減される計算となります。これは1年間の計算で、20年、30年経過した場合の効果としてはさらに大きくなります。

もちろん軽減効果は収入や家庭環境によって差がありますので、ご自身の場合でぜひ計算してみませんか?iDeCo公式サイトのかんたん税制優遇シミュレーションをご参考下さい。
https://www.ideco-koushiki.jp/simulation/

2.運用時の税優遇

通常は利息や運用益から税金、利益に対して税金20.315%が差し引かれますが、iDeCoで運用した場合にはこの税金がかかりませんので、よりお金を増やしやすい環境になるのです。

3.受取時の税優遇

iDeCoは原則60歳から「老齢給付金」として受け取りを開始できます。その際に受取方法も自分で選択でき、税金のかかり方も変動します。一時金であれば退職所得控除、年金として分割受け取りであれば公的年金等控除が適用されます。もしくは一時金と年金の併用から選択も可能で、いずれの方法を選んでも、各種控除の対象となりますので一定額まで税金がかかりません。

今や専業主婦の方でも加入できるようになりました。収入がゼロや扶養の範囲だと所得控除のメリットはないものの、上記②運用時や③受取時の税優遇を享受しながら自分年金を作ることが可能です。

また投資にチャレンジしたい方は、NISAとどちらを選択したら良いのか、違いを把握しておきましょう。

投資をする上でのNISAとの使い分けとは!?

NISAやつみたてNISAは小規模投資非課税制度で、配当金や運用益にかかる税金20.315%が非課税になります。投資可能金額・期間は、NISAなら年間120万円が5年間、つみたてNISAであれば、年間40万円が20年間です。

しかしiDeCoではこの運用益が非課税になる上、所得控除で税制面でのメリットがあるため、老後資金準備のためであれば、やはりiDeCoがベストでしょう。ただ、教育資金や住宅取得資金など、60歳より前に必要になる資金で使うのであれば、NISAあるいはつみたてNISA口座を活用し、必要になったら引き出して使う選択が良いかと思います。家計の中で余裕があれば、iDeCoにプラスしてNISAの両方を活用していくのも良いでしょう。
※iDeCoは元本を保証されているものではありません。価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。

時代に合わせてiDeCo制度も一部修正!

令和2年度税制改正大綱により、iDeCoの加入可能年齢が65歳未満に引きあがり、(国民年金に加入している場合)、現在、60歳から70歳の間で選択できる受取開始年齢は、5年延長され、75歳まで選択できるようになりました。(2022年5月よりスタート)

また企業型確定拠出年金との併用も可能となるなど、年金と共に長く働く環境を整える改正となります。

老後資金準備としては、税制優遇を受けながら投資ができるiDeCoの選択がベストですが、もしライフプランと合わないようでしたらNISA等も活用し、自身の将来のためにもしっかり計画していきましょう。

 

「iDeCo、NISA、積み立てNISA、それぞれの特徴やメリットデメリットを考えて自分のライフスタイルに合うものを選びたいよね。自分達だけで選ぶのが難しい場合はプロに相談してみるのもおすすめだきゅ〜う!」

 

水野圭子
水野圭子
金融機関を経て2010年にFPとして独立。マネーセミナーや企業研修講師として、賢いお金の使い方や貯め方、増やし方のノウハウを延べ3000人以上にお伝えしている。最近ではキャリアとライフプラン、金銭教育をミックスさせた女性従業員向け研修も増加傾向ある。FP相談歴は10年以上。女性が経済力をつけて人生の選択肢がふえることを願い、去年からはネットラジオでの番組にて毎週マネー情報を配信。
水野圭子の他の記事を見る
教育資金バナー