頻発する自然災害、高まる防災意識。火災保険は今後どうなる?【マンガで考える! 暮らしとお金】

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0歳の男の子の子育てに奮闘中の共働き夫婦、篤志(34歳)と愛美(31歳)。
今日はかつてない特別警報級の大きな台風が来ています。テレビで被害状況を見て、実家が心配になる愛美は…。


 

IQくん「突然訪れる自然災害。もし家が災害によって破損した時は、どういう保険で対応できるんだろう? 実は火災保険には色々あるんだきゅ〜う !ポイントを見ていこう!」

 
 
「線状降水帯」といった聞きなれない気象にまつわる言葉が頻繁にニュース番組をにぎわすようになった近年。想定外の規模の異常気象はまた甚大な災害をも生み出します 。

ここでは、風水害への備えとして、火災保険の置かれた状況や必要となる補償などについてまとめています。火災保険の契約や更新時に抜け・漏れなく補償を買うため に知っておきたい基礎知識をぜひここで学んでください。

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保険金支払いの状況と火災保険の水災・風災

まずは、災害時の保険金支払いの状況を見てみましょう。

日本損害保険協会のまとめた資料がここにあります(下表※1)

出典:一般社団法人日本損害保険協会「風水災等による保険金の支払いについての概況」

この表によると、過去最大の自然災害による支払い保険金は2018年9月の台風21号によるもので、火災/自動車/海上保険で総額1兆円規模に!2019年の台風15号、19号の合計支払額も1兆円ほどで、いかに被害が甚大だったかがわかります。

火災保険の自然災害による支払保険金の統計が別にあるのですが、そちらのデータから、2017年度、2018年度、2019年度を比較すると、対2017年度比で、風・雹(ひょう)災は2018年度≒5倍強、2019年度≒2倍ほど、水災は2018年度≒5.6倍、2019年度≒10.3倍となっています。

「風」台風と「雨」台風 の違いによる被害の差と推察されますが、いずれにしても過去最大級の被害が続いたわけです。

「今後、我が家にも大きな自然災害が降りかかったら、どうしよう!」と不安になりますよね。では、もし自然災害が増えていけば、火災保険は一体どうなるのでしょうか。

<参考>第一回火災保険水災料率に関する有識者懇談会資料「火災保険における保険金支払いと収支の状況等」

今後の火災保険はどうなる?

誤解を恐れずシンプルにまとめると、火災保険を契約できる期間は「短く」なり、かつ保険料は「値上げ」される傾向が今後も続くと筆者は予想します。

仲間内で掛金を出し合って不幸にあった方への見舞金とする。もともと保険とは助け合いの仕組みです。集めた準備金で賄えないほどの被害が発生してしまったら、仕組みを存続させることは難しくなります。収支を改善するためには保険料を上げざるを得ません。

実際、損害保険各社が保険料改定の参考値・ベースとしているデータ・参考純率は全国平均で10.9%アップすることが決まっています。

<参考>損害保険料率算出機構2021年6月ニュースリリースより「火災保険参考純率 改定の案内」

台風や豪雨に備えるなら火災保険「風災」「水災」が重要!

風水害とまとめられることの多い、台風や豪雨による被害。
火災保険では、「何が」原因でその損害が発生したか?ここが重要視されます。

ただ厄介なことに、私たちからすると「台風のせい」と言いたいところ、同じ台風による被害でも「風災」か「水災」か?状況によって使える補償が異なるのです!

一例をあげると、強風で瓦屋根が飛んで雨漏りして家屋に被害が出たとすれば「風災」補償がセットされた保険契約でなければいけません。
たとえば、台風が長くとどまり大雨が続き、裏山の一部が崩れて窓から土砂が流れ込んできた!?そんな被害状況なら「水災」補償が必要になります。

海や川のそばではなくても、土地の状況から土砂崩れが起きる可能性があります。都会であれば、ゲリラ豪雨による浸水被害もあり得ますよね。
そんなときに心強い味方が「水災」補償です。

ただし、これら水災に対する補償は、契約時につけるかどうか選択できる場合があり、水災補償をつけておかないと損害は補償されません。注意しておきたい点ですね。

まとめ

風水害に巻き込まれるなどのトラブルは考えたくもないでしょうが、一般的に、火災保険を使う事態となれば、被害金額も相当だと思われます。いざという時に補償されるよう、自宅周辺の地勢リスク、建物の構造やその耐久性、築年数による老朽化などを勘案した保険選びが大切です。

自然災害の報道などを契機に補償内容を見直しておけば、きっと被災した時にスムーズな行動がとれるのではないでしょうか。


IQくん「備蓄などの準備だけじゃなく、防災の1つとして今一度確認しておきたい火災保険。自分たちで判断できなそうであれば、プロの声を参考にすることをおすすめするんだきゅ〜う!」

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