共働き家庭の家計管理はどうしてる? お互いの不安・不満を減らすコツとは【マンガで考える! 暮らしとお金】

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0歳の男の子の子育てに奮闘中の共働き夫婦、篤史(34歳)と愛美(31歳)。夫婦のそれぞれのお買い物について、疑問を持っても言い出しにくいようですね。うまく家計管理を続けていくコツはあるのでしょうか?



「大変だきゅ~う!夫婦のお財布管理、みんなはどうしてる?むずかしい問題だね!

お互いの金銭感覚や将来への目標をうまくすり合わせるためにはどうしたら良いのかなぁ?」

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共働き家庭の家計管理が難しく感じるのはなぜ?

共働き世帯が増えている今、家計管理のやり方にも変化が見られます。
今回は、共働き家庭の家計管理について、お互いの不安や不満を減らすためには何が必要なのかを考えてみましょう。

共働き家庭の家計管理の問題点はいくつかあります。

ひとつは、共働き家庭は、入り口が複数あるから複雑ということ。収入の入り口が2つあるということは、少なくとも管理する口座は2つ以上になるので、家計にどれだけのお金が入ってきて、どれだけのお金が出ていくのかが把握しづらくなるのです。お互いの収入を把握していないというケースもあります。複雑になりがちな家計管理をできるだけシンプルにするためにも、夫婦間の信頼関係を築くためにも、最低限の情報開示は必要です。

また、夫婦のどちらにも収入があると、日々の生活には支障が出にくいことから、ひとつひとつの出費に対して、判断が甘くなりがちです。ある程度の自由になるお金があるだけに、危機感が薄くなり、将来への備えが手薄になりがちなご家庭もあるのではないでしょうか。
現在の貯蓄額やこれからの必要になるお金を明確にすることで、「こんなはずじゃなかった!」と後悔することを避けられます。

さらに、夫婦が共に外で働いていると、時間的な問題もあり、家計管理にかけられる時間が少ないという問題点もあります。

共働き家庭の家計管理には、情報の「開示」・「見える化」・「共有」が大切なポイントだといえます。ポイントを意識しながら、さらに管理の仕方について考えてみましょう。

共働き家庭の家計管理の仕方は大きくわけて3つ

共働き家庭の家計管理は大きくわけて3つあります。

負担分担パターン

それぞれが支出の負担を分担するパターンです。
夫は20万円で妻は15万円、といったように「金額」を決める場合と、住居費などの固定費は夫で、食費などの変動費は妻、といったように「費目」で決める場合とにわけられます。

このパターンの場合は、
● どのように負担を分担するかを事前にしっかり話し合う
● 貯蓄金額を含めた上でそれぞれの負担を考える
● 収入や支出に変化があったときに随時見直す
ことを意識しておくといいでしょう。

収入合算パターン

夫婦それぞれの収入を合算して、1つの財布として家計を考えるパターンです。

このパターンの場合は、
● それぞれの強みを活かして、二人ともが家計管理に関わる
● どちらか一方に決定権が偏りすぎないように注意する
● 自由に使えるお金の使い方にはお互い干渉しない
ことを意識しておくといいでしょう。

片方全額貯蓄パターン

どちらか一方の収入だけで家計をやりくりし、もう一方の収入は全額貯蓄するパターンです。

このパターンの場合は、
● 貯蓄の目的や金額を明確にする
● 双方の口座にわけて貯蓄をする
● 個人の裁量で使えるお金を確保する
ことを意識しておくといいでしょう。

家計管理で共有したい3つの情報

共働き家庭の家計管理には情報共有が不可欠ですが、情報の中にはさまざまなものが含まれます。
家計管理をするうえで、夫婦間で特に共有しておきたい3つの情報をご紹介します。

「現状」を共有する

まずは、「現状」です。

毎月の収入・支出や現在の貯蓄額を夫婦で共有できているでしょうか。
共有以前に、もし二人とも把握できていないのであれば、まずは現状把握から夫婦で一緒に取り組んでみるといいですね。
現状がわからなければ、課題も見えないし、課題がわからなければ、改善もできません。
まずは現状を夫婦でしっかり共有することを優先にしましょう。

「これから」を共有する

「マイホームは持ちたいか?」
「子どもの教育費はどこまで準備するか?」
「リタイア後はどんなことをしたいか?」
家族のこれからについて、夫婦で話し合ったことはありますか?

お互い共通の目標を明確にし、家計管理を頑張ることで、家族のチームワークもより強固なものになるはずです。

「気持ち」を共有する

自分が感じていること、必要としていることを言葉にして、相手に伝える━
相手の感じていること、必要としていることを自分の勝手な解釈を加えずに、理解しようとする━

夫婦といえでも、なかなか難しいことではないでしょうか。
家計管理のお悩みを伺っていても、夫婦感で気持ちを共有できていないことでのすれ違いが多いように感じます。

現状を共有したくても、相手が共有することに同意してくれないこともあるかもしれません。そんな時には、現状が把握できていないことに不安を感じていること、お金の使い方を詮索したり、責めたりしたいわけではなく、将来のために一緒に協力したいと思っていることをまずは伝えてみるといいかもしれません。

また、現状を共有したくても、相手が関心を示してくれないことも。そんな時には、家族のことを夫婦で一緒に考えられないのは寂しく感じることや、一緒に問題を乗り越える過程でお互いをもっと理解し合いたいと思っていることを伝えてみるといいかもしれません。

まずは自分の気持ちを伝えて、自分が必要としていることを具体的にリクエストしてみましょう。

家計管理を続けるなかで、「どうして自分ばかり……」と感じることもあるかもしれません。
不満の元になっている自分の気持ちや、何を必要としているのかを自分自身でも改めて掘り下げて考えた上で、相手にリクエストしてみることをオススメします。

共働き家庭の家計管理の不安や不満を減らす3つの コツ

お金に関する不安や不満は、夫婦であってもなかなか話しづらいことかもしれません。
お互いに感じている不安や不満を伝え合うことももちろん大切ですが、少し自分が意識するだけで、お互いの小さな不安や不満を減らすこともできます。

数字で伝える

日々、家計に意識を向けているのであれば、「今のままでは大変なことになる!!」ということが体感的にわかるかもしれません。
けれど、普段、家計管理をパートナーに任せっきりにしている場合は、「このままじゃダメだ」と言われても、何がどれくらいダメなのかを具体的にイメージすることが難しいでしょう。

そんなときは、「現状、毎月5万円ずつ赤字を出している状態で、これが続くと2年後には貯蓄が0円になる」と伝えられれば、具体的にイメージしやすいはずです。
パートナーに家計の話をするときには、「数字で伝えられないか?」を意識するようにしましょう。

お互いの価値観を尊重する

お金の使い方は価値観を大きく反映します。
お互いの価値観に合ったお金の使い方ができているか、を意識しておくといいでしょう。

例えば、家電を買うにときに、安さを重視する人もいれば、デザイン性を重視する人、機能性を重視する人もいるでしょう。どれが正解というわけでもありません。
使えるお金には限りもあるし、パートナーの希望と自分の希望が相容れないときもあるでしょう。

いつでもお互いの価値観に合ったお金の使い方ができるとも限りませんが、お互いの価値観を尊重したいと思っていつつの選択かどうかは、相手に伝わるはずです。

自分の価値観もパートナーの価値観も、両方とも尊重する。そんな姿勢はお互いの不安や不満を減らすのに役立ちます。

公平性を大切にする

パートナーが必要のない不安や不満を抱かないために、公平性を大切にしましょう。
例えば、お小遣い制度を導入するのであれば、二人ともに導入しましょう。
「使わないから」と妻にお小遣いを設定していないご家庭もありますが、実は妻個人の支出が家計に紛れていることが多々あります。
そしてその額を計算してみると、夫に渡しているお小遣いよりもずっと多いことも。

夫婦のお小遣いを平等にする必要はなく、どちらか一方が多くても、それをお互いが納得していればいいのです。

「これくらい」と思うようなちょっとしたことでも、パートナーの信頼を失ってしまう可能性があることに注意が必要です。

まとめ

夢や目標に向かって、家族が応援し合ったり、協力し合ったりできる関係でいること。そのためには、情報や思いを共有し合える関係が必要です。
その関係がしっかりとできていれば、日々の管理方法にそれほどこだわらなくても、満足度の高い家計管理ができるのではないでしょうか。

家計管理の見直しをきっかけに、さらに幸せなパートナーシップを育んでくださいね!



「まずは、夫婦で話し合うことが大切だね。ふたりで決められるかな?と感じたら、プロに相談するのが良いかも。ちょっとした家計のことでもOKなんだきゅ~う!」

長谷部敦子長谷部敦子(はせべあつこ)
AFP/2級FP技能士/メンタルオーガナイザー
20代前半での父親の看取り介護を機に、“お金”と“心”の整え方を学ぶ。
現在は、お金のことが苦手だった自身の経験をもとに、子育て中の母目線での執筆活動や、働きたい女性に向けて家計管理の仕組みづくりのサポート、マネー講座の講師業を行っている。
ラーゴムデザイン 代表
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