目的を明確に、笑顔で伝えよう<伝え上手になるヒミツ Vol.1>

伝達のプロ・板羽 柚佳(いたはゆか)さん 【コラム】暮らしをワンランクアップ

自分の言葉で相手に「伝えること」の大切さ。大切だからこそ、丁寧に向き合わなければいけない動作であり、難しさもあわせ持っているのです。では、どうやったら「伝え上手」になれるのでしょうか?

今回から3回にわたって、伝達のプロ・板羽 柚佳(いたはゆか)さんに「伝え上手になる3つのステップ」を伝授していただきます。

 

目次

伝え上手になるには、3つのステップを踏むこと

私は、「いたはゆか」の名前で、テレビやラジオ業界で20年以上、「伝える仕事」に携わっています。
この業界は、一つの作品に対して多くの人たちが関わり創り上げていく、一期一会の世界です。そこで結果を出せなければ、次は、声をかけてはもらえない……そんなシビアな世界で、時間に制約のある、兼業ママという立場の私がここまで仕事を続けて来られたのには理由があります。

私は現在、家事や子育てのバックアップをしてくれる家族や、プライベートを把握しマネージメントをしてくれる所属事務所スタッフ、そしてともに作品を創り上げていく現場のスタッフなど、さまざまなシチュエーションで、日々、数多くの人たちと関わっています。その都度、細やかにコミュニケーションを取り、対する相手の考えや思いを汲み取り、こちらができることの最大限を提案し、協力しあいながら物事を進めていくということを、淡々と粛々と繰り返してきたことで、それぞれの場所で信頼できる人間関係を構築し、また仕事の現場では、結果を出し続けることができ、私自身の存在価値をコツコツと積み上げてこられたことが大きな要因と考えています。

その中でも、各シチュエーションでコミュニケーションを取るうえで、特に大切にしてきた3つの方法を、3つの段階に分けて、お伝えしていきます。

 

ファーストステップは「伝える目的を明確にする」

ここで質問です。
あなたは子どもや夫、あるいはママ友や会社の同僚などに何かを伝えたいとき、まずは、どんな行動を起こしますか? 声をかける? いいえ、実はその前に、とても大切なことがあるんです。それをするとしないとでは大きな差が出てくる大切な行動です。

と、その前に……
これまでにこんな経験がありませんでしたか?
話している最中、相手からの返答や問いに答えていくうちに、だんだんと話が逸れていってしまい、何を伝えたかったのかわからなくなる、あるいはどうでもよくなってしまう、なんていうこと。

実はこれ、伝える前にあることを実行するだけで、改善できてしまうのです。
それが今回のテーマです!

伝え上手になる3つのステップのファーストステップは……
<伝える目的を明確にする>です。

point

伝える相手に声をかける前に、まず、なぜ、それ伝えるのか?ということを自分の中で明確にすることで、伝えるとどうなるのか? あるいは、話すことを素直に聞き入れてもらうにはどの伝え方が適切かなど、伝えたいことを相手にしっかりと理解してもらうために必要なことがわかってきます。
そうすると、伝えている最中に話が少し逸れても、女性にありがちな、伝えていくうちに何を伝えたかったのかわからなくなる、あるいはどうでもよくなってしまう、ということを回避することができるのです。

伝える前に、まず、誰に何を伝えるのか? なぜ伝えたいのか? 伝えたことで得られる結果は? その結果を得るためにどう伝えることが効果的か? などを、自分の中でしっかりと明確にしてみてください。頭の中で考えるだけでなく、実際に紙に書き出すのもおすすめです。書き出しを目で確認することで、より良い伝え方を思いつくこともあります。これを私はひとりミーティングと呼んでいます。

伝える目的を明確にして、伝える。準備8割・現場2割。きちんと準備をしておけば、どんなに話が脱線(?!)しても、目的つまりゴールが決まっているので、軌道修正が可能です。また、しっかり準備をしたから大丈夫!という自分への信頼感によって、心に余裕をもって伝えることができます。

さあ、これで、伝える準備が完了しました!
さていよいよ。ここからが本番!となるわけですが、もう一つ、心がけておくと、より一層、伝えやすくなるツールをシェアしておきますね。

それは……笑顔です。

笑顔の女性

笑顔にもいろいろありますね。太陽のような明るい笑顔、楽しくなる笑顔、温かい笑顔、癒しの笑顔、ほほえみなど。あなたが得意な笑顔はどんな笑顔ですか? 一度笑ってみてください。苦手な人はぜひ、鏡の前での練習をおすすめします。自分が一番好きなその笑顔とともに、話し出すと……不思議なことが起こります。

どんなことかというと……それはまた、別の機会にお伝えしましょう。

伝え上手になる3つのステップ。ファーストステップの今回は、目的意識、つまり伝える前に必要な心構えについて、お話ししました。ただ話すだけでは伝わらない。伝えたいことがあるならまずは先にやっておくことがある。是非、お試しください。

次回は、伝えたいことがとてもスムーズに伝わる、わかっているようでわかっていなかった、とっておきの方法です。

 


板羽 柚佳(いたは ゆか)

オフィスシナジー代表伝達のプロ。「いたはゆか」としてレポーター、ラジオDJとしてデビュー。以来、関西をベースに、ナレーター、声優として活動。有名企業のCMや番組などを多数担当。現在は、MBS系で人気のスポーツ番組「戦え!スポーツ内閣」を担当している。パラレルキャリア推進派。自宅にフラスタジオを構えフラを教えるかたわら、コミュニケーションコーチングやスピーチトレーニングなども行っている。20年以上のキャリアの中で確立させてきた、さまざまなシチュエーションでの、効果的な伝え方を、誰にでもできる方法でわかりやすく教えている。1973年生まれ、乙女座、B型、2人の娘を持つ母でもある。
教育資金バナー