「仕事も家庭も自分の時間も、すべてを充実させたい!」それは多くの働くママが思うこと。では、どうすれば、両立がうまくいくのでしょうか。このコラムでは、キャリアコンサルタントの山田真紀子さんによる両立のヒントをご紹介。今回のテーマは、子どもとの過ごし方です。
目次
「ママ大好き」と言ってくれる子どもを信じよう
復職したママから、こんな両立の相談を受けることがあります。
■昼休みも取らずに必死で仕事をして終わらせ、急いでお迎えに行ったのに子どもに「遅い」と言われると悲しくなってしまう
■子どもにイライラをぶつけてしまい、泣いている子と一緒に、自己嫌悪で自分も泣いてしまう
■”もっとママと一緒にいたい”という子どもに「ごめんね」と謝ってばかり
多くのママが、「こんなはずじゃなかった」と理想と現実のギャップに悩んでいます。しかし悩んでいるママに共通しているのは「仕事に誠実で、子どものことを一生懸命考え、子どもにとって特別な存在になれているママ」だということ。自信がなくなってしまった時は、「ママ大好き」と言ってくれる子どもを信じ、“子どもから必要とされている自分”に目を向けて、がんばっている自分と子どもを抱きしめてあげましょう。
子どもと過ごす時間は量より質っていうけれど……?
子どもと過ごす時間に悩むママたちの声を受け、「子どもとの時間は量より質」という言葉をよく聞くようになりました。一緒に過ごす時間の長さ(=量)よりも、子どもが親の愛情とサポートを充分に受けられること(=質)が大事、という意味です。
この「量より質」を考えるときに大事なのは、「他人と比べないこと」と「質を担保するために量を調節すること」です。子どもは一人一人愛情の受け取り方が違い、発達段階によってサポートの量も異なります。親の働き方も時代や家庭によって違いますし、保育園や学校によって親が関わる度合いも違いますので、育児書や先輩ママが正解を示してくれるものではありません。
量と質は、その家庭ごとに異なっていて当然なので、他人と比べて不安になることはないのです。実際に「上の子は手がかからず1歳で復職したけれど、下の子は発達がゆっくりだから3歳まで見守ります」という方や「小学生になると手が離れると聞いて時短からフルタイムに戻したけれど、うちの小学校は宿題チェックやPTAで忙しいのでまた時短に戻しました」というママもいました。
また、質を担保するために量の調節が必要になるタイミングがあります。進学、クラス替えなど環境の変化がある時期、子どもがケガや病気で心細くなっている時期、友達との関係や学習のことで悩んでいる時期、習い事や部活動でサポートが必要な時期、これらのタイミングは一時的に質を担保するために量が必要になるので状況に応じて量と質のバランスを見直しましょう。
無理なく自然にタッチケアの習慣を
時間にも気持ちにも余裕がない中でどうやって愛情伝えたらいいの? と相談を受けたときにおすすめしているのは、タッチケアコミュニケ―ションです。お互いの体温を感じながらコミュニケーションをとることで心の距離も近づき、子どもと親、双方にとって安心感や癒しにつながります。
乳幼児であれば、普段のお世話の中で抱っこをするとき、身体を洗うとき、保湿剤を塗るとき、絵本の読み聞かせをするときなど、無理なく楽しくタッチケアを取り入れることができます。たとえば、「いっぽんばーしこーちょこちょ」のふれあい遊びは1回15秒です。就寝前に15秒ふれあうだけで、ママもお子さんも笑顔で一日を終えることができるのです。
小学生になると距離が少しずつ離れていきますので低学年であれば遊びの中でふれあい、高学年以降はお互いに肩を揉んだりハンドマッサージやストレッチしたりしながら学校や部活の様子を聞く機会を作れるといいですね。
新しいことをプラスαで始めるということではなく、いつもの習慣の中に自然に取り入れるのが無理なく続けるコツです。
山田真紀子
IT系企業の会社員、キャリアコンサルタント。
IT系企業の会社員、キャリアコンサルタント。会社員として人事(教育・採用・労務・ダイバーシティ推進)業務に約12年従事、社内の女性活躍推進プロジェクトへの参加を機に、ライフワークとして社内外で女性のキャリアの充実や働くママのワーク&ライフの充実を支援する活動をしている。配偶者の転勤に伴い2012年より札幌市在住。プライベートでは7歳と5歳の2児のママ、趣味は朗読とコーラス。
http://mamaganbatte.com/
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