兵庫県にお住まいで会社役員を務め、レストラン経営を行なっている光岡大介さん。光岡さんが、毎日イキイキと暮らしている秘訣は何でしょうか。今夢中になっていること、おすすめのストレス解消法、健康のために意識していることなどを伺いました。
光岡大介(みつおか だいすけ)さん
「ファーム&カンパニー株式会社」代表取締役
アンテナレストラン「野菜ビストロレギューム」経営
妻、長男(17歳)、次男(15歳)、三男(12歳)、長女(10歳)、四男(5歳)の7人家族。
「野菜ビストロレギューム」公式オンラインショップ
https://legumes-shop.com
目次
「食」を切り口に、地域の魅力を発信
私は、九州・佐賀県で生まれました。大学時代に環境工学を専攻し、卒業後はアクセンチュア株式会社に入社してコンサルティング業務に携わっていました。しかし、長男の誕生を機に退職。2003年に有機野菜の八百屋を開業して、以降生産者との関りを深め、2010年より兵庫県有機農業生産出荷組合事務局長として新規就農者の支援や販路開拓、消費者との交流事業を担うようになりました。
そして、2011年に生産者とともに「ファーム&カンパニー株式会社」を設立し、代表取締役に就任。同年兵庫県西宮市にてアンテナレストラン「野菜ビストロレギューム」を開業しました。2015年7月、食べ物付き情報誌「兵庫食べる通信」を創刊し、以降編集長も務めています。
2017年より兵庫県西宮市農業委員も務め、2019年、兵庫県ローカルフードシェアリング推進協議会を設立し、共同購入マルシェ「シェアマル」事業をスタートしました。これまでに農業体験等で畑にお連れした人数は1500名以上。地域の魅力を「食」を切り口に発信しています。
今、改めて振り返ると、17年前から主に兵庫県内の有機農業生産者と関わってきて、彼らの真摯に土や自然と向き合う姿に感銘を受けている自分がいます。その生産者が生み出す食べ物をまずは美味しく食べてもらえるように、そして実際に顔を合わせることができるきっかけを作りたいと考え、私自身も日々活動しています。主な事業はレストラン経営ですが、“畑と食卓をつなぎ感動のある食卓を届ける”ことが私のミッションです。
「顔の見える食卓」がもたらすもの
生産者の地道な苦労が報われた時は、やはり「この仕事、楽しい!」と思いますね。食べてくださる方の美味しかったという感想や、畑にお連れして野菜が育つところを実際に見てもらえた時、顔の見える食卓を実現できた時が、一番うれしいです。
最近では2020年5月の営業自粛中にはじめた「オンラインレストラン&MUSIC♪」という、お客様とレストラン、そして農家さんをZOOMで繋ぎ、交流とお食事や音楽を楽しむイベントが好評です。
今のような事業に邁進する背景には、私自身も生産者の現場を体験したことがあります。これが一番大きな影響力を持っていると言ってもいいかもしれません。日々の食卓に並ぶ食べ物は、どこかに作っている人がいて、それを育む豊かな自然があります。食べ物の裏側のストーリーを知ると感謝の気持ちも沸くし、より美味しく食べられますからね。
顔の見える食卓は一方通行ではなく、双方が見える、つながるのが一番大切だと思っています。食べる方はより大切に頂けますし、作る方ももっと美味しい野菜を作ろうと頑張れます。兵庫県は産地と消費地が近いので地産地消に向いています。お互いが繋がりやすいので、レストランやマルシェ、イベント等を通じて実際に知り合える機会を作るようにしていますよ。
時代のニーズに合わせながら、「美味しいもの」で人と人を繋いでいく
ズバリ、「美味しいものを食べる」ことが、私のストレス発散方法です。仕事のストレスは、仕事で発散しています。
「食べることは生きること」という言葉があるように、体は食べたものでできていて、「作る」「食べる」「生きる」は繋がっています。健康のためにも、丁寧に作られた旬のものを食べるように心がけています。
とはいえ、新型コロナウイルスがレストラン経営にもたらした影響は少なくありません。先にも少し触れましたが、営業自粛期間中「オンラインレストラン&MUSIC♪」というイベントを開催しました。お客様に事前にレストランのお料理をお届けしておいて、イベント当日はZOOMやYouTubeライブでお客様と農家さんや音楽家、レストランを繋ぐという内容です。自宅のリビングでレストランのお料理を味わいながら、音楽や農家さんとのお話を楽しめるため、新しいつながりの形、レストランの形として、今後もチャレンジしていきたいです。
これからの夢、目標は、まじめに言うと「作る」「食べる」「生きる」が繋がる地域社会を進めていくこと。もっと平たく言うと、農家さんも食べる人も、都会も田舎もハッピーになれる関係づくりを目指したいと思っています。
食は命の根本ですから全員が当事者です。時代に合わせながら、ずっとそこに関わっていけると嬉しいです。