分けるといい話。投資の原則のひとつ「分散」とは【暮らしとお金のヒント】

暮らしとお金のヒント

投資の大原則として「長期」投資、「分散」投資、「低コスト」投資があります。
今回コラムでは、手法それぞれについての基本と「分散」投資についてまとめてみました。

「分散」と言うと何やらお堅い、専門的な手法と感じますが、そう難しいことではありません。資産運用をはじめたい人やお勤め先の制度を使い運用指図している人などにおすすめの考え方です。ぜひご一読を!

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投資に成功するための3原則=「長期」「分散」「低コスト」

株式や投資信託、不動産など元本保証のない金融商品をリスク資産と呼びます。リスク資産へ投資するならそれだけの見返りは欲しいもの。成功確率を上げるために心がけたいのが冒頭の投資3原則です。

「長期」投資は読んで字のごとく、投資の成果を短期には求めず、長期で考えることが大切だということ。果実の樹の成長を見守る投資スタイルです。

たとえば「Googleを上場時に100万円分買っていたら、今どれくらいの資産価値か?」といったシミュレーション記事がありますが、Google(Alphabet Inc.)であっても株価は上がったり下がったり変動します。短期売買では損が出ないとは限りません。しかし、5年10年のスパンで株価を見れば右肩上がりの成長曲線に。その間所有していれば配当金もあります。

2つ目、「分散」投資は後ほどお話ししましょう。

最後の「低コスト」投資は、投資に付随してかかる経費(手数料など)を意識すること。
コストを抑えて運用できれば、利回りが低くても利益が出やすくなるからです。

「分散」投資とは

あらためて「分散」投資とは何でしょうか?
用語集的な書き方をすれば、【投資の対象をさまざまに分散する手法】のこと。

「商品(銘柄)」分散だけにとどまらず「資産(アセット)」分散があり、値動きの違う対象に「分けて」投資をすることで、全体としてリスクを抑えるやり方です。
「時間」分散といって、購入時期を分けて高値掴みを避けることも含まれます。

たとえば経済圏の異なる国の株式をそれぞれ購入することで、ある経済圏が低迷しても、その他の地域が堅調に成長すれば資産全体は伸びます。
また、国内資産同士であっても、値動きの激しいIT株と家賃収入が見込める不動産に分けて投資をすることで、その後IT株が値崩れし損切りしたとしても、不動産で安定的に利益を得ることが可能かもしれません。

将来がわからないからこそ「分けて」備える。
「分散」投資は“転ばぬ先の杖”の一種と言えるかもしれません。

時間を分散するメリットと注意点

「時間」分散とは、購入時期を分散すること。
年間100万円を投資する場合、1回で100万円全額を買うのではなく、10万円ずつ、10回に分けて購入することで平均取得単価を下げる効果があります。

注意点としては、市場全体が右肩下がりである場合、時間を分けても値下がりリスクは避けられません。投資対象そのものを変えるなど別の手立てが必要となります。

資産を分散するメリットと注意点

一般的に言えば、株式と債券、不動産に分けて投資をしたり、国内企業と海外企業をミックスして所有したりすることで地域や企業単体のリスクを抑え、「資産」全体ではリターンが得られることがメリットです。

ただ分散投資するための元本が必要で、投資初心者と言うよりは資産が膨らんできた中級者が意識すべき手法かもしれません。

「時間を味方につける」長期投資、「リスクを小さくする」分散投資、「手取りを大きくする」低コスト投資。現実は複合的に考えて実行しますが、投資に迷った時の羅針盤となりましたら嬉しいです。

海老原 政子
海老原 政子 (「おゆみの相談室」代表)
大学卒業後、SE、インテリアコーディネーターなど仕事に明け暮れる生活から一転、出産1年後に未経験ながら国内生保に再就職。営業活動するなかでライフプランの重要性に目覚める。ファイナンシャルプランナー資格を取得後に独立。現在、働くママのキャリアチェンジ前後の家計相談や保険の見直し、住宅ローン相談を行う。マネーセミナー講師やコラム執筆実績も多数。子育て中の主婦の目線を活かした家計改善アドバイスが好評。
<保有資格>
ファイナンシャルプランナー(二級FP技能士/AFP)、住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会)
「エムプランニング」WEBサイト

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