連日続く熱中症警戒アラートではじまった8月。新型コロナウイルス感染拡大も心配ですが、屋外イベントの多い夏は熱中症も心配ですよね。こまめに水分補給するなど予防が大切ですが、もしも熱中症にかかってしまったら、医療保険は役に立つのでしょうか?
今回のコラムでは、熱中症と保険についてまとめてみました。レジャーの前にぜひご一読ください。
目次
熱中症は病気扱いなのか?それとも事故扱い?
保険においては、その「原因」が何かによって取り扱いが異なることが多いのが事実です。
たとえば、入院が「病気」によるものか、「不慮の事故」に起因するかによって入院給付金の対象となるか否かわかれる場合も。
一般的に、医療保険(生命保険)で病気を対象とする保障は「疾病入院保障」、不慮の事故の場合は「傷害入院保障」がついているときに給付対象となります。
一方、傷害保険は、そもそも病気は対象とならないため、単に「入院保障」と表記されることが多いので注意が必要です(「病気は補償対象外です」などの注意書きがよくパンフレット等に付記されています)。
では、熱中症は病気、事故どちらの扱いとなるのでしょう?
パタンと急に倒れたりするので、事故のように思われますが、めまいや立ちくらみ、頭痛などの予兆があり徐々に悪化するため、保険においては病気扱いとなります。つまり【病気を対象とする保障】の出番というわけですね。
ただ、傷害保険で備えることも可能です。基本補償に含まれなくてもオプションとして「熱中症(危険)特約」を付加することができる保険商品があります。ご家族の夏の過ごし方によっては検討の余地があるかもしれません。
1日単位で加入できる「熱中症お見舞い金保険」
家の中で熱中症にかかる危険性ももちろんありますが、心配なのは屋外でスポーツやお仕事をする場合や屋外イベントに参加するケースではないでしょうか?
「この日は一日中外だし、日陰もなさそうだし。ちょっと心配だな……」
そんなときに、ピンポイントで熱中症に保険で備える方法もあります。
それが、「熱中症お見舞い金保険」です。
注意点もあります。それは、せっかく保険加入しても保障内容が途中で変わったり、保険料が上がったりする可能性があることです。
みなさんは新型コロナウイルスに感染したら保険金が支払われる保険、俗に言う「コロナ保険」をご存じでしょうか?「コロナ保険」は予想通り加入者数を伸ばしたものの、長引くコロナ禍で保険金の支払いが増えてしまい、販売停止になったり保険料が大幅にあがったりした保険商品がありました。
熱中症は未知の病気ではありませんので、統計的な裏付けを元に保険設計されていると思いますが、筆者もしばらく注視したいと思います。
まとめ
病気や事故を始終心配している人はいませんが、保険はそもそもが“不測の事態への備え”です。保険料を納めて加入しているのであれば、「もし私が今○○になったら、この保険はどこまでカバーしてくれるだろう?」といった確認を平時からしておくべきではないでしょうか。
気になったらそのままにせず、調べる!保険証券や加入時の設計書などで時々保障(補償)内容の点検をすることをおすすめします。
<参考>
■住友生命保険相互会社>ニュースリリース>業界初の「熱中症お見舞い金保険」を開発
■第一スマート少額短期保険株式会社>お知らせ>コロナminiサポほけん販売停止のお知らせ
■朝日新聞デジタル>記事>新型コロナ情報>ペイペイで買えるコロナ保険も3倍値上げ 3カ月で1500円に
海老原 政子 (「おゆみの相談室」代表)
大学卒業後、SE、インテリアコーディネーターなど仕事に明け暮れる生活から一転、出産1年後に未経験ながら国内生保に再就職。営業活動するなかでライフプランの重要性に目覚める。ファイナンシャルプランナー資格を取得後に独立。現在、働くママのキャリアチェンジ前後の家計相談や保険の見直し、住宅ローン相談を行う。マネーセミナー講師やコラム執筆実績も多数。子育て中の主婦の目線を活かした家計改善アドバイスが好評。
<保有資格>
ファイナンシャルプランナー(二級FP技能士/AFP)、住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会)
「エムプランニング」WEBサイト
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