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今回は「今日は何の日?」編ということで、6月11日の『傘の日』をご紹介!梅雨入りすると、雨が降る日が多くなり、街中でカラフルな傘を見かけるようになります。最近では強風に耐えられる性能を持ったビニール傘も登場していますが、買い物に出かけた際、雑貨店や百貨店などで自分のお気に入りの傘を見つけるのも楽しいですよね。
今では当たり前のように使っている洋傘の歴史を知ることで、傘の深さを感じることができるかも。
目次
「傘の日」の由来
暦の上で6月11日は入梅になることが多いということで、1989年(平成元年)に日本洋傘振興協議会が「傘の日」と設定。雨が多い時期になると、傘は日常で欠かせないアイテムとして、傘が持つ機能性やファッション性など、それぞれの傘が持つ魅力や、傘の使い方などを紹介しています。
洋傘の歴史
日本最古の洋傘は、江戸時代後期の1804年に中国からの輸入品の中に「黄どんす傘」という記述があったことから、現在、これが洋傘として特定できる最も古い洋傘にまつわる記録だそうです。日本は鎖国が続いていたこともあり、西洋の文化が入りにくくなっていたため、なかなか日本人に洋傘の存在を広く伝えることが難しい時代もありました。
1853年にアメリカ海軍の軍人であるマシュー・ペリーが率いる艦隊が浦賀(神奈川県横須賀市浦賀)に停泊、いわゆる「黒船来航」は洋傘が日本国内に広まったきっかけになったともいわれています。1854年にペリーが再来航した際、上官の人たちが傘をさしていたことを、多くの日本人が目にしたことで、それが話題となり、本格的に洋傘の輸入が始まりました。とは言っても、庶民にはまだまだ手に入りにくく、洋学者や医師など、一部の人たちが洋傘を使用していた程度だったようです。
時を超え、1881年(明治14年)には東京に洋傘製造会社が設立されました。まだまだ純国産の洋傘とはいえなかったのですが、日本政府の華族や欧米の外交団が舞踏会などを催して欧風文化を広めた、いわゆる「鹿鳴館時代」の影響によって、洋傘の純国産化が進んでいきました。鹿鳴館の影響もあり、一般の人たちにも欧風文化が広まり、多くの人が純国産の洋傘を手にしやすい環境になってきたのかもしれません。
大正時代になると洋傘はファッションの一部として一般に受け入れられてきたようです。モダンなデザインの傘やレース張りの傘など、個性豊かな洋傘は女性のオシャレアイテムとして人気になったようです。
第二次世界大戦後、日本は復興に向けて動きだしました。その中でも洋傘製造の発展は目覚ましいものだったそうです。1949年(昭和24年)には洋傘を製造していた各社がドイツ製の折りたたみ骨をモデルにした「折りたたみ傘」の開発・商品化に着手。その後、様々な改良を重ねて、1960年代には小型かつ軽量という折りたたみ傘が女性に人気を博したのです。また、今では当たり前ともいえるワンタッチで開くジャンプ傘も登場。男性の間では人気が高かったようです。
<日本の洋傘史の年表>
西暦 | 年号 | 主な出来事 |
1889〜92年 | 明治22〜25年 | 材料も含めた洋傘の純国産化を実現 |
1905年 | 明治38年 | 日露戦争に大勝。特需で洋傘市場も急拡大 |
1932年 | 昭和7年 | 晴雨兼用傘発売 |
1949年頃 | 昭和24年頃 | 一部メーカーが折りたたみ傘の開発に着手 |
1951年 | 昭和26年 | ホック式の改良折りたたみ傘が開発される |
1953年 | 昭和28年 | 国産のナイロン洋傘生地登場 |
1954年 | 昭和29年 | スプリング式折りたたみ傘が開発される。 ナイロン折りたたみ傘全盛時代へ |
1960年 | 昭和35年 | ジャンプ傘登場(別名:飛上り傘) |
1960年 | 昭和35年 | ポリエステルの洋傘生地が開発される |
1965年 | 昭和40年 | コンパクト傘登場。女性人気でヒット商品に |
1965年 | 昭和40年 | 三段折りのミニ傘が登場 |
(参考)日本洋傘振興協議会
今回は「傘の日」にまつわるお話をお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。梅雨の時期に限らず、雨が降るとお気に入りの傘を使いたくなりますよね。小さくて軽い折りたたみ傘はとても便利です。濡れた傘を収納できるグッズも数多く販売されていますので、お店で是非チェックしてみてくださいね。