子どもの将来の夢や希望する進路を叶えてあげたい!
わが子の夢や希望を喜んでサポートできるように、教育費を準備する方法を知っておきたいですよね。
このコラムでは、全3回にわたって「教育費を賢く準備する方法」を、テーマごとに分けて3回で伝えしていきます。
- 1回目は「教育費は、いつ、いくらかかるのか」←この記事はココ
- 2回目は「教育費を上手に貯める方法」
- 3回目は「教育費を支援する制度の最新情報」
お話をしてくださるかんのみきさんは、ご自身で「かつては浪費家で貯金が全くできなかった私でしたが、お金の貯め方のコツがわかった今では、3人分の教育費を計画的に準備することができています」と仰います。
かんのさんのご経験も含めて紹介いただきながら、教育費っていくらかかるの? どうやって貯めていけばいいの? いまの家計で教育費をまかなえるかな? そんな教育費の不安を解消していきましょう。
目次
見通し・積み立て・子育て支援活用で教育費を賢く準備
教育費は、住居費・老後資金とともに「家計の3大支出」と言われ、家計にとって大きな負担となります。必要となるそのときまでにコツコツと準備していくことが大切です。そこで教育費を賢く準備する3つのポイントは以下の通りです。
今回は「教育費がいつ・いくら必要になるか」をお伝えします。
教育費の総額はオール国公立とオール私立(理系大)で約3倍ちがう!
教育費が総額でいくらかかるのか。それは子どもの進路によってまったく違ってきます。例えば、小学校から大学まですべて国公立の場合は平均で約721万円、小学校から大学(理系)まですべて私立の場合は平均で約2,215万円となり、その差は約3倍にもなります。進学先が公立か私立かだけでなく、大学の場合は学部によってもかかる費用が大きく変わります。文部科学省が2年に1度調査している「子供の学習費調査」をもとに、いま子育て世帯が子ども一人あたりにかけている教育費の平均額を確認していきましょう。
【小学校】公立と私立の差は5倍!公立なら教育費の貯めどき
(出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」をもとに執筆者作成)
学校にかかる費用:学校教育のために家計から支出した経費…授業料、PTA会費、寄付金、修学旅行費、学用品、クラブ活動費、通学費、制服、給食費など
塾など:補助学習費及びその他の学校外活動費…家庭学習費(学習机、問題集、参考書など)、家庭教師費、学習塾費、体験活動・地域活動(ハイキングなどの屋外活動、ボランティア活動など)、芸術文化活動(ピアノ、絵画など習うための費用など)、スポーツ活動(スポーツ技術を習うための費用)、教養
小学校1年間にかかる教育費は、公立と私立で差が5倍にもなり、公立では約32万円、私立では約160万円です。公立の場合は学校にかかる費用は少なく、私立小学校へ通う子どもは全体の1.2%と少数派で、多くの家庭では教育費の負担が少ないこの時期に教育費をしっかり貯めていきたいところです。
【中学校】公立と私立の差は約2.8倍!公・私ともに受験対策の負担が大きくなる
(出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」をもとに執筆者作成)
中学校1年間の教育費は公立では約49万円、私立では約141万円、公立と私立の差は約2.8倍になります。この差は学校にかかる費用の違いによるものです。一方で塾などの費用は、公立と私立で差はありません。高校受験のための塾代や家庭教師代にお金をかけている家庭が多いようです。
【高校】授業料無償化の対象か・大学受験をするかで負担に大きく影響する
(出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」をもとに執筆者作成)
高校(全日制)1年間の教育費は公立では約46万円、私立では約97万円です。その差は約2倍で、2年前の調査のときより縮まりました。これは私立高校の授業料と、塾などの費用が減ったためです。 2020年4月からは「私立高校授業料の実質無償化」がはじまり、私立高校授業料の負担が減る家庭はさらに増えました。私立へ通う場合は、この無償化の対象かどうかで教育費の負担は大きく変わると言えます。 もうひとつ注意しておきたいのが大学の受験費用です。この平均額には大学へ進学しない子どもも含まれています。大学受験をする場合には、塾などの費用は平均額より多くかかると思っておいて良いでしょう。また、大学受験には受験料や合格後に納める入学金など、まとまったお金が短期間で必要となります。高校3年生までにすぐに引き出せる現金を用意しておきたいところです。
【大学】教育費のピーク!私立大は学部で費用はさまざま、国立大はどの学部も同額
(出典:文部科学省「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)」 「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」をもとに執筆者作成)
初年度納付金は入学金と1年間の授業料の合計額、2年目以降は毎年かかる1年間の授業料の平均額です。4年間の合計額は、国立大学で約244万円、私立文系で390万円、私立理系は約541万円、私立医歯系は6年間の合計額、約2,357万円でした。
ここにパソコン代や交通費、一人暮らしをするのであれば下宿費がさらにかかってきます。毎年大きな金額がかかるこの時期はまさに教育費のピークと言えます。(小学校が私立の場合を除く) 国立大学の場合はどの学部でも入学金・授業料とも同じですが、私立大学は学部によって入学金と授業料が全くちがいます。そのため、早めのうちに子どもが希望する進路を聞いたり、教育費を親がどこまで負担できるかを子どもに伝えておいたりすると良いでしょう。
地域性や価値観によっても教育費はさまざま
ここまで、国が調査した平均データを紹介してきました。しかし、このデータはあくまで平均でしかありません。人口が多い都市部ほど教育費の平均額は上がる傾向にあります。また、その家庭の価値観によっても教育費のかけ方は違ってくるでしょう。 家族で「わが家の教育方針」を話し合っておくと良いですね。どんな風にわが子に成長してほしいか、教育で何を大切にするかの優先順位をつけるなどしておきましょう。そうすることで「周りの子がみんなやっているからうちも……」などと、周りに流されてムダなお金をかけてしまうことを防いでくれます。わが子のための大切な教育費ですから、効果的に使えるように見通しをもっていきましょう。
<参考サイト>
・文部科学省 子供の学習費調査-調査の概要
・平成30年度子供の学習費調査の結果について「表 1学校種別の学習費総額」
・文部科学省 平成30年度子供の学習費調査の結果について
・文部科学省 2020年4月からの「私立高等学校授業料の実質無償化」リーフレット
・文部科学省 平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について
・国立大学等の授業料その他の費用に関する省令
かんの みき
東京都立川市在住で3児の母。女性と子どもを応援するお金の専門家。
お金の管理が苦手で貯金がまったく出来なかったものの、子育てをしながらお金の勉強や資格取得をしたことで、将来の不安がなくなり明るく前向きなものに。そんな経験から女性が抱えるお金の不安を解消するお手伝いがしたいと「女性専用マネーサロンWith you」を開業。お金の相談・マネー講座・執筆などで子育て中のママを中心にサポートしている。マイライフエフピー®︎認定講師、マイライフエフピー®︎認定ライター
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