高品質な睡眠をとるためのコツ<人生100年時代!健やかに生き抜く力を身につける!Vol.1>

【コラム】暮らしをワンランクアップ

今や「人生100年時代」と言われています。100歳まで生きられる、人生を楽しむことができる!と考えると、まだまだたくさんのことを経験できる!とポジティブになることもあるでしょう。
しかし、当たり前のことですが…不健康な、不健全な生活を送っていたのでは、「人生100年」を達成することができません。健康管理に注意して、健やかな日々を送れてこそ達成できる喜びだと言えるでしょう。

例えば、睡眠。人間は人生の約1/3は寝ています。時間にすると、100歳まで生きたとして、(100(歳)×365(日)×24(時間)) ÷ 3 = 292,000時間 もの時間が睡眠時間なのです。
日本人の平均睡眠時間は7時間22分と、OECD加盟国27カ国中でワースト1位。さらに睡眠時間6時間未満の人が約40%にものぼります。ペンシルバニア大学の研究チームによると、6時間睡眠を1週間〜10日間続けると、1晩徹夜した人と同程度の認知能力にまで低下してしまうことがわかりました。
しかし、大切なのは時間ではなく「質」ということは言うまでもありません。
自分では十分眠っているつもりでも、質が低下していると脳のパフォーマンスも確実に低下しており、本来の能力を発揮できていない可能性が高いといえます。

「人生100年時代!健やかに生き抜く力を身につける!」をテーマに、ライフスタイルデザイナーの栗原冬子さんにお話しいただく今月、前半の今回は「高品質な睡眠をとるためのコツ」をご紹介いただきます。

新型コロナ自宅や療養施設でも保険金・給付金は請求できる
新型コロナで入院

睡眠ホルモンを味方につける

明るくなると目が覚め、暗くなると眠くなるという睡眠リズムをつくっているのが、「セロトニン」と「メラトニン」という睡眠ホルモンです。

この2つのホルモンは、表裏一体となって昼夜の体内時計を調節しています。
まず、朝起きて目から太陽の光が入ってくるとセロトニンの分泌が高まり、14~16時間経つと日中に作られたセロトニンを材料にしてメラトニンの分泌が高まっていくことで眠気を感じ睡眠に導かれていきます。
ということは、夜、必死に寝ようとしても眠れない人は、セロトニンが不足している、つまり朝の過ごし方に問題があるということになります。

セロトニンの分泌を高めるにはしっかりと朝の光を取り入れてウオーキングやスクワットなどのリズム運動や必須アミノ酸のトリプトファンの摂取も有効的です。

食間を意識する 5/7/12の法則

睡眠の質の妨げになるのが体内時計の乱れ。食事の内容も大切ですが、実は食間も睡眠に大きく影響しています。

朝食〜昼食の間を5時間、昼食〜夕食の間を7時間、夕食〜朝食の間を12時間開けることが望ましく、体内時計を整えることができます。

特に注意するのは昼食と夕食の食間です。ここが開きすぎると、体が夕食を朝食と勘違いして夕食後に血圧や心拍数、体温も上がるという朝食後と同じ活性が起きます。そうなると交感神経が優位になり、なかなか寝付けなかったり、消化活動により睡眠の質が低下することにつながります。

また、夕食を遅い時間に取ることで、朝食との間隔が12時間取れていない場合、朝食と認識できずに活性されず、午前中ボーッとしたり、脳の働きも悪くなるのです。

睡眠ホルモン メラトニンは若返りスーパーホルモン

寝不足や不規則な生活で顔色がくすみ、目の下にクマができ、肌が荒れると言った経験はありませんか?

これには活性酸素が関係しています。この活性酸素を寝ている間に除去してくれるのが「メラトニン」です。

ただし、同じ睡眠でも、メラトニンの分泌が抑えられている日中の睡眠では活性酸素は掃き出せず、22時〜2時の「肌のゴールデンタイム」にしっかりと睡眠をとっていることが美肌の秘訣なのです。

睡眠環境を整える

・明るさ
寝室が明るいと脳が覚醒し、睡眠の妨げになります。真っ暗が苦手な人は間接照明などで調節しましょう。

・室温
夏は25℃前後、冬は15℃前後

・音
テレビやドアの開閉音は妨げになりますが、ヒーリングミュージックなどをタイマー設定しておくのはオススメです。

・香り
ラベンダー・オレンジ・サンダルウッドなどのリラックス作用のあるアロマテラピーを寝室に取り入れる。

・入浴
38〜40℃のぬるめのお湯でゆったりと入浴する。

その他、睡眠力を高めるための習慣として…

・夕方以降はテレビやPC画面を見過ぎないようにする。
・スマホやタブレット端末のブルーライトは就寝1時間前から控える。
・就寝約4時間前からはカフェインの摂取を控える。
・寝酒は睡眠の質を低下させるのでNG

これらに留意し、質の良い睡眠を心がけましょう!

栗原冬子
ライフスタイルデザイナー(株)Bon22代表取締役
https://bon22.co.jp

1994年青山学院大学卒業後、ANA国際線客室乗務員として入社。子育てがひと段落した頃、在職中から興味のあったアロマテラピーの道に進み、2012年(株)Bon22を設立。同年、公益社団法人日本アロマ環境協会理事に就任。健康管理士として企業、行政機関、学校などで食育、健康、呼吸法などの講演も行い、ヨガ、ピラティスインストラクターとして企業の健康アドバイザーを務める他、香りの空間プロデューサーとしてホテル、クリニック、企業、イベントなどのオリジナルアロマも展開している。著書:『アロマテラピーレシピ事典永久保存版』(マイナビ出版 )他。

教育資金バナー