介護離職に介護疲れ、介護士不足…介護と付く言葉をここ数年で耳にすることが増えましたよね。皆さんは“介護”と聞くと、どのようなイメージをお持ちですか?
このコラムでは、介護支援専門員であり、NPO法人shining理事長の岡田聖子さんに介護についてお話を伺いました。
どのご家庭でもいつかは“介護”に時間を費やす時期はやってくることでしょう。その時に不安になったり悩まないように、介護について考え、知識を増やしておきましょう。
※介護支援専門員に聞く!介護で不安にならない悩まないためのお助けコラム
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目次
“介護”のイメージはどのようなものですか? 介護って何?
一般的にはオムツを替えたり、お風呂に入れたり、食事を食べさせたりというイメージを持っているのではないでしょうか。〇〇してあげるという一方的なイメージを持っている方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
そもそも介護するとはどういうことなのでしょう?
”介護”を広辞苑で調べると「高齢者や病人などを介抱、看護すること」と書かれています。
ここでは高齢者の介護についてお話したいと思います。
介護の本当の意味。正解を見出すことは難しい!
確かに介護するということは、高齢者や病人などを介抱、看護しますし、お世話もします。3大介護と呼ばれる食事・入浴・排泄介助は、もちろん生きていく上でとても大切な介護ですし、絶対に必要な介護でもあります。
しかし、それだけではありません。介護するということの正解を探していくことはとても難しいことですし、これが正解といった介護も存在しないのではないかと考えています。
私たち専門職が考える介護とは「最期のときを迎えるまでその人らしく生きる」を大切にしています。
「最期のときを迎えるまでその人らしく生きる」
これは、どういうことか簡単に言うと「本人の想いを大切にする」「本人の気持ちに寄り添う」ということです。
例えば、旅行が大好きだった方が認知症を発症し、一人で旅行は無理だとなったときは、どのようにすれば旅行にいけるか?を考えるのも介護する側の役目なのです。リハビリを行えば行けるのか?身体が旅行にいける状態でなければどのようにすれば旅行に行った気分になれるのか?を考えます。
DVDをみてもらう?写真を見てもらう?など色々な選択肢を準備し提供します。これも介護することになるのです。
「生活の自立支援の援助」
そしてもうひとつ大切なのが、「生活の自立支援の援助」です。
これは、失われていった能力を考えるより、残っている能力を考えて本人が出来るように手助けしていくこと。
わかりやすく言うと、自分で移動できるよう手すりをつけたり、段差をなくしたりということになります。バリアフリーなんかもこれにあたります。自宅で介護することを考えたときにまず最初に考えなくてはならない一つとなってきます。
住み慣れた自宅で過ごしたいと思う高齢者はとても多いものです。ただ、一人で、あるいは家族で介護していくということは、思った以上にハードルが高いものです。抱え込まずに専門職に相談するのが、介護する側・される側お互いにとって良い選択が見つかる近道ですので、一人で抱え込まずに専門職に相談してみてくださいね。
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NPO法人shining理事長。介護支援専門員。
三重県鈴鹿市在住。1児の母。古代遺跡が大好きでバックパッカーをしていた時にタイの孤児院で知り合ったタイ人の親友がスマトラ沖地震で被災し、音信不通となる。彼女と約束した「子育て支援に情熱を注ぐ」を決意。老人保健施設で働く傍ら、忙しいママが子育てをしながら輝けるよう2014年6月NPO法人shiningを同じ志を持った仲間と設立。現在子ども食堂を始め、子ども見守り隊”みまもりんご”ストラップを全国に広めるために奮闘中。
今後の目標は、ママや子どもが安心してくつろげ、地域の人々が気軽に交流できる、第3のおうちを作ること。
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https://media.hoken-clinic.com/column/6776/