三重県にお住まいで、介護支援専門員として勤めながら、「子ども食堂」などを展開するNPO法人で理事長も務める岡田聖子さん。彼女が、毎日イキイキと暮らしている秘訣は何でしょうか。今夢中になっていること、おすすめのストレス解消法、健康のために意識していることなどを伺いました。
岡田 聖子(おかだ しょうこ)さん
三重県在住。介護老人保健施設でケアマネージャーとして、最期のその瞬間まで後悔のないように寄り添うことを目標に日々奮闘している。また、NPO法人shining理事長も務め「子ども食堂」などの活動を展開している。現在、長男6歳、夫、ご両親と暮らしている。
※岡田聖子さんによる「介護支援専門員に聞く!介護で不安にならない悩まないためのお助けコラム」
介護で不安にならない悩まないためのお助けコラム一覧
目次
人と人とを結ぶ。地域でつながり、心の世界を広げる社会を
私は介護老人保健施設のケアマネージャーの仕事に加え、NPO法人shiningで活動もしています。
NPO法人shiningでは、『地域で子どもを見守り、育てる。』を理念に、月1回の子ども食堂を開催しています。
私たちの考える子ども食堂の存在意義とは、「地域の知らない人同士が繋がれる場所になること」だと考えています。
子ども同士、親同士、そして異年齢の繋がり。
実際に関わっていると大人も子どもたちから学ぶこともとても多いことに気づきます。
子ども達も様々な年代の人々と交わることでコミュニケーション能力がついていきます。
私は閉ざされた社会で大人になったために、社会に出た時に上司や先輩とコミュニケーションが取れずに悩む若者をたくさん見てきました。
幼いころから多くの人と繋がり交わるという関係性、そして何より自分のことを気にかけてくれる人たちがいるという安心感、それが現代の子どもたちには必要不可欠なのです。
また、多くの人たちとコミュニケーションを取ることにより、知見が広がり、夢や希望も広がります。
10人いれば10通りの考え方や、人生経験があります。
子どもたちにはそれを肌で感じとり、多くの夢や希望を持ってほしいと考えています。
子どもも大人もお互いが声をかけあい、助け合える社会へ 『みまもりんご』を普及させたい。
その活動の中でも、現在私が特に力を入れているのが『みまもりんご』というストラップの普及活動です。
このストラップは、子どもたちにとって安心できる大人の印として、大人に身につけてもらうためのストラップです。
実はこのストラップ、現役子育て世代の声から生まれました。
子どもが困っていても自分からは声をかけづらい、または声をかけたら逃げってしまったという悩みがあったそうです。
そのことから、お互いが安心して声かけできる仕組みや目印が欲しいという要望が上がり、その声を実現したものなのです。
知らない大人とは話をしない、さらには挨拶もしないという地域があるという話を聞いたことがあります。
私はそんな社会は何だかおかしく感じています。
本当はこんなストラップがなくても、困っている子どもたちを見かけたときは声をかけて助けてあげられる社会が理想です。
しかし残念ながらそれがなかなか難しい時代となってしまったので、意識ある大人が子ども達を常日頃から気にかけ、関わることのできる社会になる手助けとなればと『みまもりんご』の普及活動を行っています。
この『みまもりんご』が全国に広がっていくように頑張っていきます。
自分がやりたい、行きたい!の気持ちは公言して周りを巻き込んで
そんな私ですが、旅が大好きで、以前にはバックパッカーとして東南アジアを周ったこともあります。
先進国より、ちょっと神秘的な場所や古代遺跡に魅力を感じる質です。きっとそれは歴史好きな母の影響もあるのだと思います。
私は小学校の頃にはもう、死ぬときはエジプトのピラミッドの前で死にたいと言っていました。
古代遺跡を見ては、昔の人々はどんな風にこの建物を作ったのか?なんの目的があって作ったのか?など想像するのが楽しくて仕方がなかったのです。
ピラミッドや古代遺跡には今の科学をもってしても解明できない謎があり、そこには昔の人々の知恵とアイデアがたくさん詰まっていて、現代には誰も答えを知らず、だからこそ無限に想像できるところに終わらない夢を見ています。
家族や周囲に古代遺跡や神秘的なものが好きと伝え続けているおかげか、家族も子どもを見てあげるから行っておいでと言ってくれます。
そして赤ちゃんの頃からそんな話ばかり聞かせていた子どもも興味を持ち、子ども自身が写真や雑誌などで変わった場所を見つけてきてくれることも。今では一緒に秘境と呼ばれる場所を中心に旅しています。
最近、神秘的な音がする楽器『HAPI Drum』を子どもと叩く時間も楽しくてなりません。
まだ全然上手には叩けませんが、適当に叩いても癒しの音色が出る魅力的な楽器なのです。
25歳に体験した死の恐怖。自分の身体の声を聴くことが何よりもの健康法。
精力的に活動をしプライベートも楽しんでいる私ですが、実は25歳の頃、本当に死を覚悟したことがありました。
原因不明の高熱が続き1か月入院。
ずっと絶飲食で、点滴だけの生活で体重は30キロ以下にまで減りました。
その後幸いにも回復しましたが、その経験からやりたいことをやろう!そのためには健康が必要だと実感しました。
今は自分の身体の声を聴くように意識し、睡眠をしっかりとり、疲れたら無理せず休むようになりました。
おいしいものを食べたり、図書館に引きこもってひたすら本を読んだり、自分がリラックスできる時間も確保しています。
それに加え、朝に母とラジオ体操をしたり、野菜をしっかり食べて水分もたくさんとることを心がけています。
人と自然とが共存するような里山を死ぬまでにはつくりたい!数々の私の夢。
これからも私は様々なことにチャレンジをしていきたいと考えています。
来年はNPO法人として畑を借りられることになりました。
そこで子どもたちや地域の高齢者を巻き込んでお野菜を作り、収穫祭や芋煮会をしたいと考えています。
また、地域の人が誰でも気軽に立ち寄れる第3のお家を作りたいです。
そしてゆくゆくはNPO法人を安定して継続できるようになった時に次世代に引き渡したいと考えています。
やはり子育てや子どもに関する地域の課題は現役子育て世代が一番わかっていますから。
あと何年かして子どもも大きくなったら、私は裏方に回って、その時の課題に向き合う方々のサポートに回りたいと考えています。
死ぬまでにはムーミン谷のような里山を作るのが夢です。人間が自然と共存する、そんな場所を作りたいのです。
そしてまたバックパッカーの旅の続きもしたいと考えています。