ドライブレコーダーであおり運転に備える!購入とドラレコ特約、比較してみた!【暮らしとお金のヒント】

暮らしとお金のヒント

ニュースで流れるあおり運転の映像は、モラルの欠けた行動に目を見張るものがあり、「もし自分の身に起きたら?」と思うと怖くなります。

社会問題となったあおり運転は、道路交通法の改正案に動きがあり、今後少しでも法の力で抑制されることを期待したいものです。
ただ、いつ誰にでも起こりうる身近な問題だけに、各個人が備えておいた方が得策で、その備えの一つが証拠としてドライブレコーダーに映像を残すことです。

この記事では、ドライブレコーダーの入手方法について、自分で購入する場合の選び方や予算、そしてドラレコ特約を活用する場合の各社の特徴や注意点を見てみましょう。

 

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最近のあおり運転事情

そもそもあおり運転とは?

車体を接近させて早く走るように挑発したり、進路妨害や異常な幅寄せなどをしたりすることを総称してあおり運転と呼びます。道路交通法上では、主に「車間距離の保持義務違反」や「無理な進路変更の禁止」、「不必要なクラクションの使用」、「高速道路上における停車」などが罰則の対象として挙げられます。

高速道路走行

あおり運転の件数が急上昇中!

あおり運転の件数を把握するために、内閣府が発表した令和元年交通安全白書にある「車間距離不保持の取り締まり件数推移」を確認してみましょう。

車間距離不保持の取り締まり件数は、2016年や2017年には7,000件前後でしたが、2018年には13,000件、2019年には15,000件と上昇し続けています。
また、その7割以上は高速道路であり、2017年にあったあおり運転の死傷事故の記憶がよみがえります。


参考資料:参考資料:内閣府:令和元年交通安全白書「車間距離不保持の取り締まり件数推移」(2015~2018年)
2019年データは警視庁交通局
https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/r01kou_haku/zenbun/genkyo/topics/topic_13.html
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00130002&tstat=000001027458&cycle=7&year=20190&month=0

今後のあおり運転への罰則などの対応策

これまで、「車間距離不保持」などへの罰則はあったものの、危険なあおり運転を明確に取り締まるための法令がなかったため、あおり運転に対する罰則を創設する法案が2020年3月3日に閣議決定されました。国会で成立すると、2020年夏頃には罰則化が有効になるかと思われます。

通行妨害目的で、交通の危険のおそれのある方法により、「車間距離不保持」や、「急ブレーキ禁止」違反をした場合、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」となります。さらに、高速で停車させるなどのより危険な行為を行った場合、「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」となります。
また、免許の取消処分の対象にあおり運転が追加される予定です。

あおり運転が増加している中で、客観的証拠を収集できた場合には刑法などが適用されますが、そのためにはやはりドライブレコーダーの映像が必須となってくることでしょう。

 

ドライブレコーダーは購入とドラレコ特約、おススメはどちら?

そもそもドライブレコーダーとは?

運転中の映像・音声を撮影・録画するカメラのことをドライブレコーダーと言い、事故で衝撃を受けた場合には、その前後10秒位の映像は自動的に保存する機能があります。

事故やトラブルの際に当事者間での証言が違うこともあり、事故処理の手続きに時間がかかるケースがあります。
しかし、ドライブレコーダーに記録された映像がある場合には、事故当時の様子を推定でき、真実も解明しやすくなります。

ドライブレコーダー

ドライブレコーダーを購入する場合の選び方

ドライブレコーダーの販売価格は1万円~4万円と機種によって値段の差が大きいですが、2万円くらいと手の届きやすい価格帯のものが主流となっているようです。

価格が高くなるほど画質も鮮明で、夜間やトンネルでも映像が見やすくなります。

初めて手にする人がどんな点を意識して購入すべきか、主な項目について挙げてみましょう。

<ドライブレコーダーの判断基準(一例)>

【筆者がチェックした主な特徴と値段設定】

  • 安さ重視で 200万画素モデル(海外メーカー)… 1万円以内
  • カメラタイプで解像度2560×1440の画素数綺麗、小さいモデル…約15000円前後
  • 前後2カメラで1920×1080万画素。エンジンONで高速録画…約2万円前後
  • 前後2カメラで370万画素の高画質に夜間録画時のノイズに強い…約3万円前後

最低限度の装備がついている機器なら1万円前後で購入ができますが、せっかく搭載するのであれば、夜間の走行でも対応する200万画素以上、前後カメラは必要で、予算は2万円位を見ておいた方が良いように感じます。

購入はカーショップや大型家電量販店、ネットなどでも可能です。

また購入以外にも自動車保険にドラレコ特約を付帯する方法もあるのでチェックしてみましょう。

保険会社のドライブレコーダー特約(ドラレコ特約)とは?

自動車保険に付帯できるドライブレコーダー特約(ドラレコ特約)とは、保険会社がドライブレコーダーを貸し出してくれるサービスです。

ドライブレコーダーを自身で購入するのと大きく違うのは、事故対応への連携がスムーズな点です。

事故などが起こった場合、前後の動画記録が自動的に送信され、保険会社のコールセンターとのやり取りや事故時の映像が共有できます。また、GPS搭載で消防への連絡やレッカー対応までをスムーズに対応してもらえます。

事故の対応だけでなく、安全運転診断や支援事前対策など、事故軽減に向けて運転技術改善の効果も期待できます。

ドライブレコーダーイメージ

ドライブレコーダー特約(ドラレコ特約)の各社比較

自動車保険にドライブレコーダー特約を付帯することで、機器がレンタルでき、何かあった場合に備えられます。特約だけの単独加入はできません。

ライブレコーダー特約(ドラレコ特約)は月々の保険料が650円~850円程度で加入できます。主にドライブレコーダーを取り入れている 4 社の特徴を比較してみましょう。

<ドライブレコーダー特約の各社比較>
ドライブレコーダー特約の各社比較
出典:各損害保険会社のHPより抜粋

東京海上日動は特約保険料が他者に比べて安い点、損害保険ジャパンはALSOKが24時間対応してくれる点、三井住友やあいおいニッセイ同和では家族への情報共有が充実している点などに特徴があります。

上記4社で自動車保険に加入されている場合には、特約をつけることで手軽にドライブレコーダーを手に入れられるかもしれません。

ただし、損害保険ジャパンのドラレコ特約では、エンジンをつけて起動までに数秒かかります。すぐに移動した瞬間に事故に遭い、ドライブレコーダーの起動中で録画されていない例もあったそうなので、取り付けた機種の取り扱いはよく把握する必要があります。

ドライブレコーダー特約(ドラレコ特約)の3つの活用メリット

1.事故時の初期対応がスムーズになる

強い衝撃を感知すると、保険会社のコールセンターに自動でつながり、事故前後の記録も自動的に送信されるため、事故の初期対応がスムーズとなります。

また、ドライブレコーダーにGPS機能もついているため、救急車やレッカーなどの案内もできるしくみです。ドライブレコーダーを通じて、事故を受け付ける保険会社もあれば、携帯で対応する会社もあり、詳細の対応は各社で違いがあります。

事故対応の流れ

参考資料:東京海上のHP「ドライブエージェントパーソナル」より
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/service/auto/total-assist/shohin/dap.html

2.運転診断シートの活用で運転の仕方が良くなる

ドライブレコーダーで記録されているデータを分析して運転のくせなどを見える化したものが運転診断のレポートです。

急発進や急停車を無意識にしている場合、回数を指摘されたことで改善に至るケースもあります。運転技術も向上し、全体的に事故軽減にも繋がります。

3.自動バージョンアップが行われる

自身で購入するとバージョンアップなどのメンテナンスを怠ってしまう場合もありますが、自動バージョンアップが行われます。

独立行政法人国民生活センターによると、ドライブレコーダーの事故時の記録がされていなかった事例も報告されています。

ドライブレコーダーを使用している18歳以上の男女2000人にアンケート調査を行ったところ、SDカードのフォーマットや交換が必要なことを知らないケースもあるようです。

メンテナンスもしていかないといざという時に役に立たないケースもあります。購入時には説明書などに目を通すことだけでなく、画像がきちんと記録されるかを数ヶ月ごとにチェックするようにしましょう。



出典:独立行政法人国民生活センター「ドライブレコーダーの映像を定期的に確認しましょう」
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20180802_2.pdf

ドライブレコーダーの購入とドラレコ特約、おススメはどちら?

ドライブレコーダーを自分で購入する場合とドラレコ特約のメリット・デメリット

SDカードのメンテについて

筆者の見解だと、運転や機械操作に慣れている人ならドライブレコーダー購入の方がおススメですし、高齢者や運転に慣れていない人や車の買い替えを検討している人は自動車保険のドラレコ特約を活用してみるのが良いかと思います。

コスト面の比較であれば、自分で購入した方が安くすみます。
機器は1万円前後、平均でも2万円台でも探せますので、ドラレコ特約だと1、2年の利用でペイできることになります。

ドライブレコーダーの機械だけの比較であれば、自身で購入した方が選択肢も広いですが、ドラレコ特約を選択するメリットとしては事故サービスの充実です。

あおり運転や事故の被害に遭った際に、自分で保険会社に連絡したり、ドライブレコーダーの映像を送ったりするなどといった作業がスムーズにできるのかが心配な方は、サポートが充実した自動車保険にドラレコ特約を付帯することも検討なさってみてはいかがでしょうか。

その場合、損害保険会社のドラレコ特約も単体では利用することができず、あくまでも自動車保険に特約を付帯する形となります。ご自身の加入している保険会社が導入していないのであれば、今すぐに保険会社を変更するよりは、更新時にドラレコ特約を付帯できる保険会社も併せて比較してみると良いでしょう。もし悩まれる場合には、今加入されている保険会社さんや保険ショップなどに相談なさってみてくださいね。

 

水野圭子
水野圭子
金融機関を経て2010年にFPとして独立。マネーセミナーや企業研修講師として、賢いお金の使い方や貯め方、増やし方のノウハウを延べ3000人以上にお伝えしている。最近ではキャリアとライフプラン、金銭教育をミックスさせた女性従業員向け研修も増加傾向ある。FP相談歴は10年以上。女性が経済力をつけて人生の選択肢がふえることを願い、去年からはネットラジオでの番組にて毎週マネー情報を毎週配信。
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