一年を通して、夏と冬のボーナス支給後は気が大きくなりがちの方が多いのでは?ボーナス支給があると、つい使うことに気持ちが傾いてしまいますが、まず現状把握から始めてみましょう!
年初に「今年はいくら貯めるぞ!」と目標と立てた方もいると思いますが、果たして、目標としていた預金はちゃんと増えていますでしょうか?
なかなか思うようにお金が貯まらなかった人こそ、使う前の段取りが大切です。
知らず知らずのうちに緩んだ家計の立て直しからはじめましょう!
このコラムは、ギチギチと節約に励む方法ではなく、節約疲れを起こさないことを念頭に置き、一度で済む方法や簡単にゲーム感覚でできる節約法をまとめてみました。
「これなら長く続けられそうだ」と思ったものからぜひ試してみてください!
目次
子育て世帯の「貯め期」はいつ?
一般的に言って、子の成長とともに家計支出は増える傾向にあります。
なぜなら、食費など日常の出費だけでなく、習い事や通塾費用、部活動に関する出費など節目を経過するごとにお子様のためにお金を使うことが増えていくからです。
決して脅かすわけではありませんが、今夏のボーナスで一息ついたご家庭が、来年には不測の出費などでさらに出費がかさむ可能性もあります。
ボーナスで一息ついた今こそ、家計見直しのチャンスなのです。
とくに、お子様が就学前、あるいは小学生であるご家庭は、児童手当が支給されていること、教育費がそれほどかからないことから、まさに絶好の「貯め期!」にあたります。この時期に財布の紐を緩めず、家計収支を見直すことをおすすめします。
ズボラ節約の王道は○○費の見直しから
多くのファイナンシャル・プランナーさんが提唱しているため、何度も耳にしているかもしれませんが、ズボラさん、どんぶり勘定な人ほど「固定費を中心に見直す」ことをやはり推奨したいと思います。
固定費を改善するメリットは「一度変えるとその低減効果がずーっと続くこと」!
ズボラ節約の王道(笑)なので、やらない手はありません。
主な固定費を書くと、
・住居費(住宅ローンや家賃)
・(あれば)車などのローン
・生命保険や自動車保険などの保険料
準固定費で高額になりがちなものとしては
・通信費
・電気代やガス代
・ジム代など習い事費用
・雑誌の定期購読料や月額課金アプリ
などが挙げられます。
住宅ローンの借り換えや自動車ローン・奨学金の繰り上げ返済などローン関係を見直すためには元手が必要です。ボーナス後の今はそう言った意味でも見直しにピッタリなのです。
共働きで忙しい人やどこから手を付けていいかわからない人は、できそうなところからはじめてみる。毎月支出の大きな出費から順番に2つほど手掛けてみるでOKです。
「今より支出が下がるプランをネットで探す」、「必要なければ“解約”手続きをとる」。
休日にご家族で旅行や日帰りで観光などのレジャーを楽しもうと考えている方も多いと思いますが、その前に、ぜひ一度自分に合った節約方法を検討してみてください!
そのこだわりが仇になっているかも……
家計相談をさせていただく中で気がついたことがあります。
それは、「財布の紐が緩くなる支出」にもさまざまなパターンがあることです。
その中でありがちな支出に、お子様関係や趣味の支出、ライフスタイルのこだわりに関わる支出が挙げられます。
たとえば、
・お子様の習い事費用
・自己投資など学びに関する費用
・旅行費用
・趣味のバイクや車にかける費用
・被服や美容にかける費用
・ガーデニングやDIY費用
など、趣味や生活スタイルのこだわり部分に要注意!!
「聖域化」しやすく、支出を落とすことに心理的な抵抗が出てきてしまいます。その結果、長い間のうちに支出額が膨らむ傾向にあります。
さて、ここまでにお読みになった時点で、1分間のブレイクタイム!
自分の買い物の中にこのような支出がないか、胸に手をあてて「真剣に」考えてみましょう。
さて、いかがでしたか?
「たしかに自分、この出費は無制限に使いがちだな」と感じることがもしもできたら、半分以上は節約「成功」と言ってもいいぐらい!意識化するだけでも財布の紐は引き締まるもの。使い過ぎに歯止めがかかるようになるものです。
節約を楽しく、長く続ける工夫は「ゲーム性」にあり
こだわりが強くお金をかけがちな部分に、さらに月予算やご褒美として買うなどの「ゲーム性」を加えると、“鬼に金棒”かもしれません。
普通は、好きなこと、こだわりがあることに妥協したくないですよね。
・お金をかけずに同じ満足度を得るにはどうすればいいか?
・ご褒美をもらうために、今すべきことは何か?
そう言った方向に気持ちを切り替えることができれば、他の支出抑制につながります。
たとえば、
・DIY予算を立て、新品ではなくオークションを利用したり手作りできないか考える
・趣味の車関係に使う予算はボーナスや残業代の●パーセントまでとする
「ゲーム」は子どもがするものとは限りません。「お金をかけずに楽しむ、続ける」ためにゲーム性を持たせる、マイルールを設定してみるのもおすすめです。
節約に疲れたら、買い物習慣を少しだけ見直してみる
家計を変えるということは、多くの場合生活スタイルを変えると同義です。
日々「節約しなきゃ!」という環境はかなりストレスフルですよね。
お金を使うところと節約するところに分ける。
メリハリのきいた家計やりくりは、節約疲れを起こさないコツでもあります。
節約に疲れたら、こんなことも試してみましょう!
1)食料・日用品のストックは最低限に!
オムツや洗剤など事や子育てで切れたら困るモノ。困るのは避けたいので、つい買いすぎ、ストックしすぎかもしれません。
自宅からスーパーまでの距離や買い物頻度にもよりますが、そう何個もストックが必要でしょうか?
過剰なストックは一種の【浪費癖】。保管場所が必要ですしストックが多くて肝心なときに取り出せず、また買ったりしていませんか?
「3,4個予備がないと心配で、困る」そう思っている人こそ、ストックを1つだけ!(場合によってはストックゼロ)にチャレンジしてみましょう。
「必要なものだけで暮らす」
長い間にモノが増えがちな今。シンプルですが、家計管理の基本だと思っています。
さらに言えば冷蔵庫の中身もシンプルイズベスト!
棚奥から「同じものが出てきた!」なんてことありませんか?
冷蔵庫の常備品の見直し。これもおすすめです。
2)財布の紐を引き締める魔法の台詞
男性女性問わず財布のヒモが知らずにゆるむウィークポイントはあるものです。
ただ財布のヒモがゆるんでいることに気がつかず(あえて目をつぶる)ことで、無駄買いを助長している可能性があります。
俗にいう「俺、○○には目がないんだよな」とか、お金に糸目をつけず「大人買いしちゃったー」などと言っている、アレです。
そんな台詞が口をついて出た時。
思わずポチッと「カートに入れる」ボタンをクリックしそうになった時。
ちょっとだけ冷静になって「これって、今買っていいもの?」とつぶやきましょう。
この台詞(マイ3秒ルール)を徹底しただけで、ひと月の買い物金額はきっと変わるはず!
「これって、今買っていいもの?」
ぜひレジ前、カート決済前の習慣にしてみてください。
3)そもそも行かない、そんな方法もあり
そもそもの話ですが、「財布の紐が緩むお店はどこか?」
を知っている人も少なくないと思います。
その商品を目にするお店、そこを訪れる回数を減らす!
これだけで自然に支出が抑えられます。
また、お店に入る前に、買いすぎないよう店を出る時間をあらかじめ自分と約束して、急ぎ足で店内を回る。これくらい慎重に買い物をする気構えも大切です。
まとめ
節約や家計の見直しができないのは「行動を変える」ことが予想以上に難しいからです。
誰にだって、「あれもほしい!これもそろえたい~」こうした弱い部分はあります。
全然ダメなのではなく健全で、可愛らしいとすら筆者も思います。
でも、エスカレートする傾向があることを知っておいてほしいと思います。
一念発起で「えいっ!」と固定費を徹底的に見直す!
お金を使いがちな自分を強く意識する!
精緻な家計管理をしなくても、家計の見直しをすることはできます。
海老原 政子 (「おゆみの相談室」代表)
大学卒業後、SE、インテリアコーディネーターなど仕事に明け暮れる生活から一転、出産1年後に未経験ながら国内生保に再就職。営業活動するなかでライフプランの重要性に目覚める。ファイナンシャルプランナー資格を取得後に独立。現在、働くママのキャリアチェンジ前後の家計相談や保険の見直し、住宅ローン相談を行う。マネーセミナー講師やコラム執筆実績も多数。子育て中の主婦の目線を活かした家計改善アドバイスが好評。
<保有資格>
ファイナンシャルプランナー(二級FP技能士/AFP)、住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会)
「エムプランニング」WEBサイト
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