2022年のお正月を自宅で迎えた方がいる一方、久しぶりに実家に帰省してのんびりした方もいると思います。お孫さん、お子さんに長いあいだ会えなかった方々にとって、家族や親せきが顔をそろえて迎えられたお正月はきっと、喜びもひとしおだったと思います。
懐かしい祖父母とともに過ごす子どもたちにとっては、会える嬉しさもさることながら、お年玉という大きなお金を手にするチャンス!ダブルで楽しい、ワクワクする季節ですよね。親からすると「お年玉をもっと大切に使ってほしい」「お年玉を親が預かるかどうかで揉めがちだ」など、お子様のお金のつきあい方について考える機会でもあります。
今回コラムでは、子どもの金銭教育に活かすお年玉ルールや子名義の預金口座のメリットやデメリットをまとめました。「うちの子にはお金の管理はまだ難しいかな?」という方も、「お年玉は、ある年からずっと子どもに一任している」という方もぜひご一読を!
目次
「お年玉をすぐ使いきってしまう」そんな心配があるなら
お年玉は一説によると「お金」ではなく餅、歳神さまへのお供え餅を子どもに配ったのが始まりだそうです。現代の子どもにとっては、ある意味で年に一度の“稼ぎ時”“使い時”です。親としては、お子様が小さなうちはそれほど心配なことはなくとも、一人当たり5,000円、1万円……と、いただく単位が大きくなると「お年玉の使われ方」が気がかりですよね。
お年玉は、親戚や祖父母などからのお祝い金。もらったお子様のものではありますが、お年玉をきっかけにお金とのつきあい方を考えてほしいなら、お年玉に一定のルールを設けることをおすすめします!
たとえば、いただいたお年玉の半分を子ども名義の口座で貯め、残る半分は現金で子どもにすぐ手渡す。お年玉の一部を子どもの選んだ団体に寄付するようにする。お小遣い制のお子さんであれば、毎月のお小遣いに12等分したお年玉を上乗せするなどさまざまなルールが考えられると思います。
ただし、親の勝手ルールでは子どもに大きな不満が残ります。「一緒に考え、双方納得の上でルール化する」これが大前提です。間に合うようであれば、今年のお年玉からぜひ話し合ってみてください。
預金口座を作りお金の管理法を考えさせる手も
小学校高学年や中学生になってもお年玉をすぐ使いきるお子さん。親として心配ですよね。そのような場合、一度に全額手渡さないなどお金の渡し方を再検討する、思い切って現金手渡しをやめてみるのも一案です。
そう、子ども名義の預金口座を作り、お金の流れにワンクッション挟むのです。
金融機関を経由してお年玉を渡せば、お金の出し入れを“見える化”できます。
「いつ」「いくら」渡したか、「いつ」「いくら」引き出したか。通帳に数字が残るため、わざわざお小遣い帳をつける必要もありません。
曜日や日にちを決めて定期的にATMから引き出すなどお金の管理ルール化がしやすく、その通りに管理できているか、通帳で親が後からチェックするのも簡単です。自宅近くに支店のある金融機関を選べば、お金の出し入れもそれほど苦ではないと思います。
預金口座開設で伝えたいこと、注意すべきこと
通帳の新規発行が有料になった金融機関もあるため、どこの金融機関にするか悩ましいところではありますが、預け先を選ぶところから親子一緒に考えてみるのも生きた金銭教育と言えます。
たとえば、どんな手数料があるのか?なぜ銀行によって手数料が違うのか?
預金口座を開くとその口座で自動積立ができる、将来バイトしたとき給料振込ができるなど預金口座でできることも話してあげてくださいね。
預金口座開設にあたり注意点もあります。
それは、お子さん自身で管理している子ども名義の預金口座は、当然ながら子どもの財産だということです。
多額のお金を一時に口座に預けた場合、親から子への贈与とみなされます。また、たとえ親子といえども、親が自由に口座・定期預金の解約や引き出しができないデメリットがあります(15才以上になると子どもの意思確認が求められることがあるからです)。
手間をかけて預金口座を開設するのなら、子ども名義の口座で何を実現したいのか、目的や利用の仕方も考えましょう。
海老原 政子 (「おゆみの相談室」代表)
大学卒業後、SE、インテリアコーディネーターなど仕事に明け暮れる生活から一転、出産1年後に未経験ながら国内生保に再就職。営業活動するなかでライフプランの重要性に目覚める。ファイナンシャルプランナー資格を取得後に独立。現在、働くママのキャリアチェンジ前後の家計相談や保険の見直し、住宅ローン相談を行う。マネーセミナー講師やコラム執筆実績も多数。子育て中の主婦の目線を活かした家計改善アドバイスが好評。
<保有資格>
ファイナンシャルプランナー(二級FP技能士/AFP)、住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会)
「エムプランニング」WEBサイト
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