ハンドマッサージでコミュニケーションを。癒しの効果を感じて<自分でできるボディメンテナンス vol.2>

【コラム】暮らしをワンランクアップ

最近、ご主人や奥様と手を繋いだのはいつですか? お子さんと手を繋いだのはいつですか? ご自身のお母様やお父様と手を繋いだのはいつですか?

恋愛中のカップルや、小さなお子さんのお母さん、ご両親様の介護中などでない限り、手を繋ぐことって意外としていないかもしれませんね。長年連れ添ったご主人や奥様に限っては、もう、いつのことやら……という方も多いのではないでしょうか?

マッサージセラピストの藤田朱美さんにボディメンテナンスについて教えていただくシリーズ。第1回目は「姿勢」について教えていただきました。

第2回目のこの記事では、家庭でも取り入れられるハンドマッサージについてご紹介いただきます。

姿勢をよくすることから始めましょう<自分でできるボディメンテナンス vol.1>

呼吸を意識し、心と体を健康に<自分でできるボディメンテナンス vol.3>

手を繋ぐのが恥ずかしいのは、文化の違い?日本人の性質?

欧米では、年配のご夫婦でも手を繋いだりする光景はよく見かけられます。それこそ歴代のアメリカ大統領でもご夫婦で手を繋いで報道陣の前に出ている様子を、テレビで見かけることもありますよね。文化の違いでしょうが、いくつになってもご夫婦で手を繋ぐことはとても自然で普通のこと。

しかし、日本ではちょっと気恥ずかしさもあり、なかなかできないと思います。そこで、ご家族でハンドマッサージをし合うというのはいかがでしょうか?

 

家族でハンドマッサージを

ハンドマッサージと言ってもプロ並みに行う必要はないのです。ご自宅にあるいつもお使いのハンドクリームかボディークリームなどを使用すればOKです。マッサージクリームやマッサージオイルがあれば、より滑りが長く持ちます。(マッサージ用でない場合、浸透がとても良く、何度も付け足すことになるのですが、まずはお手持ちのもので試してみて下さい)

では、その簡単なやり方をご案内しましょう。

 

ハンドマッサージの手順

①最初にお相手の手のひらをご自身を手のひらの上にのせてちょっと観察してみます。切り傷や打ち身や軟骨の異常などがあればそこは避けます。

②クリームを少しだけ多めに取り、ご自身の両手のひらでゆっくりとこすって温め、お相手の右手を取り両手で上下にはさみ、お相手の「手の甲」をくるくると円を書くように滑らして手の甲を温めていきます。
ここで、マッサージをする側の方も手に近寄りすぎず適当な距離を取り、肩の力を抜いて、姿勢を整え、ゆったりとした気持ちで行って下さい。


手にクリームを塗る
③今度はお相手の手をひっくり返して、手のひらの部分をくるくるとご自分の手のひらで円を書くようにマッサージします。

手のひらをマッサージする

④お相手の小指を、付け根からニギニギしながら指先までにぎっていきます。

⑤同じやり方を順番に薬指から親指で繰り返します。

指を繰り返しにぎにぎ

⑥少し刺激が必要な場合は、握りこぶしを作り、指の関節でお相手の手のひらをごりごりと刺激してみましょう(年配の方や小さなお子さんには不要です)。
その時は相手の表情を見ながら加減して下さい。

手のひらをごりごりと刺激

⑦また手のひらを、ご自身の両手でくるくると円を描いてそっと手を離します。

両手でくるくると円を描く

⑧ 手順②〜⑦を、もう一方の手(この場合は左手)に繰り返します。

コツは、お互いが気持ちいいな、癒やされるなという感じのゆっくりとしたリズムで行ってみること。特に小さなお子さんやご年配の方には、あまり強い圧は向いていません。もし、お子さんが途中で飽きてしまったら、そこまでで終わり、無理に進めようとしないこと。そして、マッサージをする側も心を落ち着かせて、優しい気持ちで行ってみてくださいね。

終わったあとのお相手の方の表情や雰囲気に何か変化があるかどうかを感じてみて下さい。感想を聞いてみてもいいかも知れませんね。

 

コミュニケーション手段のひとつとしての、ハンドマッサージ

以前、私が区民カレッジでハンドマッサージの講座をした際、参加者にはさまざまな年代の方がいらっしゃいました。みなさんにハンドマッサージを楽しく学んでいただき、宿題として、誰かにハンドマッサージをしてどうだったかの感想を書いて提出してもらいました。

小学校高学年のお子さんを持つお母さんは、「ハンドマッサージをお子さんにしたところ、小さい時は手を繋いでいたのに、だんだんと手を繋がなくなってしまい、久しぶりに手をにぎってみて、じっくりと手をみたらこんなに大きくなったのかと、とても感慨深かった」と言われていました。

また、50代後半の女性の参加者は、ご自身のお姉様にマッサージをしたところ、「小さい頃に一緒に遊んでいた時のことをお互い思い出して、とても懐かしくなりました。なかなかこういった触れてるいう体験はなかったのでいい時間が持てました」と感想をお話ししてくださいました。

確かに、大人になってからの関係と子どもの頃って姉妹でも違ってきますよね。また、高齢のお母様を介護をされている方は、「今まで親子関係があまりいい関係ではなかったのに、ハンドマッサージをすることで、何だか母の表情が柔らかくなって、介護を始めて初めてありがとうと言ってくれた」と、とても嬉しそうに教えて下さいました。

私はアメリカのカレッジに留学していた時にニューヨーク市の老人介護施設にマッサージのインターンをしたことがあるのですが、その時に担当させていただいた患者さんは、もう言葉を発することは無く、目だけでの合図しかできない方でした。まず、マッサージしてもいいかを伺い、目でYESのリアクションをいただいてからハンドマッサージをしました。マッサージをしている間はずーっと私の顔を見ていたので、内心「アジア人はめずらしかったのかな? うう〜っつ、ちょっとやりにくいなー」と思っていました。ところが、マッサージも終盤に掛かり、「これで終わりますね」と言って離れる時に、すごくリラックスしたいいお顔になられていました。なんだか私自身とっても嬉しくなり、ちょっとうるっとしました。マッサージは実は施す側もとっても癒やされるものなのです。

ご家族と一緒に静かにただマッサージしている手に集中するも良し、思い出話をしてもよし、失敗してもまたそれもよし。一つのコミュニケーションの手段としてハンドマッサージをしてみてはいかがですか?

人に触れることはとてもパワフルな効果があり、ミラクルな変化が起こるかも知れません。大切な人と、少し手を繋いでみませんか?

藤田 朱美(ふじた あけみ)

一般社団法人スウェディッシュ・ディープティシューセラピー協会代表理事FLOWボディセラピースクール代表Body Therapy NY*FLOW*・オーナーセラピストマッサージセラピスト/講師/瞑想指導者/ラジオパーソナリティ米国NYのマッサージセラピーのカレッジを卒業後、マンハッタンの複数のサロンのトップセラピストとなる。8年のNY滞在後帰国。銀座にボディセラピーNYフロウとフロウボディーセラピースクールを開業。リラクゼーションを超えた本格的セラピーを提供し多くのファンを持つ。解剖学的手技を学びに全国からセラピストが訪れる。瞑想指導者としても瞑想会やリトリートを開催。ゆめのたね放送局土曜日朝9時「いまここからだラジオ」パーソナリティ。