呼吸を意識し、心と体を健康に<自分でできるボディメンテナンス vol.3>

【コラム】暮らしをワンランクアップ

身体の健康や美しさをキープしたい気持ちはあっても、常に「ボディメンテナンス」に意識的でいることは大変ですよね。
でも、日常の何気ない心がけがボディメンテナンスに繋がるとすればどうでしょうか。

マッサージセラピストの藤田朱美さんにボディメンテナンスについて教えていただくシリーズ、第1回目は「姿勢」について、第2回目は家庭でも取り入れられるハンドマッサージについてご紹介いただきました。最終回となる今回は、「呼吸」で心と身体を健康にする方法について教えていただきます。

 

ストレスに囲まれた現代人のライフスタイル

呼吸の役目は、酸素を吸って二酸化炭素を吐き出すという空気の交換です。生きていくためには、必要不可欠。呼吸中枢である延髄からの司令が神経を通って胸やお腹、首にある筋肉を動かし、吸ったり吐いたりができるのです。

吸った時は肋骨の間隔が広がり横隔膜が下がり肺が膨らみしっかりと空気が入り、吐く時は肋骨の間隔が縮まり横隔膜が上がり肺が縮み空気が出ていきます。現代人は浅い呼吸をしている人が多いと言われています。

 

呼吸が浅いことが、ストレス状態に繋がる?

呼吸が浅い→自律神経の交感神経が優位になる→ストレスを加速させる脳内物質のドーパミンとノルアドレナリン、そしてコルチゾールが分泌→より交感神経が高ぶる→呼吸は浅く早くなる→よりストレスが高まる→連鎖する→常にストレス状態で怒りっぽくなる。
自律神経とは、体の内部の状況の変化を自動的に調整し、消化、吸収、循環、代謝などを整える無意識の反応で交感神経と副交感神経のどちらかが優位になります。

常に追われてませんか?

少しストレスがかかっている状態、例えば、仕事をしている時や何か緊張している時、怒っている時は交感神経が優位になります。それによりドキドキと心拍数が上がり、末梢血管が縮まってカーっと血圧が上がり、戦ったり逃げたりできるように血糖値を上げる、といった体の反応があります。交感神経が優位になっていると、神経を高ぶらせて心が不安定になります。現代の生活は常にストレスがあります。明日までにメールしなくちゃ、子どものお迎えに行かなきゃ、試験でいい点を取らなきゃ、など、あれをしなきゃ、これをやらなきゃと常に追われている状態ではないでしょうか?

 

交感神経を沈め、「吐く息」を長くしていきましょう

深呼吸をする女性
私たちに必要なのは、交感神経を鎮め、副交感神経を優位にする時間を持つこと。常に戦っている状態からリラックスすることです。

 

「呼吸」で自律神経をコントロール

副交感神経が優位に働くと、心拍数は下がりゆったりとした呼吸になり、末梢血管が広がり血液の流れが良くなります。それにより、血圧が下がり、また血糖値が下がり、消化液の分泌や消化管活動が盛んになるので、消化吸収が高まって排泄を助けます。これは、エネルギーを充電している状態です。交感神経も副交感神経も自動的・無意識的に切り替わります。ですので、勝手に働いていて意識的にコントロールができないのですが、ただ、唯一「呼吸」を使って自律神経をコントロールすることができます。これは、最近の医学的実験でも証明されています。
では、どのようにして呼吸を使って副交感神経を優位にするのでしょうか?

 

吸う息よりも吐く息を長くしてみる

その方法はシンプルです。呼吸に意識を向け、吸う息よりも吐く息を長くしてみましょう。しっかり吐ききってから、またゆっくりと吸っていく。そして、吸った長さよりも長めにゆったりと吐く。それを何度か繰り返します。

もし可能なら、お腹の膨らみ、縮みを意識して腹式呼吸をしてみるともっと深い呼吸が取れます。
プレゼンや試験など、緊張する場面の前や、ずっと集中してパソコン作業をした後、嫌なことがあった後など、ゆったりと数回呼吸に集中してみて下さい。

眠りにつく前にも腹式呼吸をしてみましょう。お布団に入って寝ようとしても、頭の中に気になることや仕事の続きが浮かんできたら、腹式呼吸を数回繰り返してみましょう。横になったままお腹の上に手を乗せて、それを押し上げるようにして空気でお腹を膨らませていき、ゆっくりと吐いていきます。手の下にあるお腹の膨らみ、縮みのみに意識を持っていきます。少し瞑想状態のようになりますので、眠りにゆっくりと入っていく導入になるでしょう。

呼吸が深くなると
→ 副交感神経が優位
→ 脳内の幸福物質のセロトニンが分泌
→ よりリラックスする
→ 消化吸収や排出が高まり、血行が良くなり体全体に酸素と栄養分が送られ、二酸化炭素と老廃物が排出される
→ 細胞が活性する
と変化します。

また、血行がよくなることでリンパの流れが良くなり、リンパ球が体のすみずみまで行き渡るので、免疫力も向上します。細胞単位で健康につながるのです。

 

ヨガやストレッチを取り入れることも効果的

ストレッチをする女性
また、ヨガや瞑想でも呼吸に意識を持っていきます。特に吐く息を長めに取ることで、心を落ち着かせてより集中力を上げたり、五感を磨いたりする力が磨かれていきます。そうすると、ストレス耐性が高まり、メンタルが強くなるのです。

感情も多くは呼吸と連動しています。ハッとした、びっくりした、安心した、喜んだ、興奮した……どれも呼吸の状態と身体の反応が繋がっているのが体感できますよね。そういった感情の反応は体の反応として潜在意識に記憶されると言われています。呼吸は心と体を繋いでいる素晴らしいツールです。

 

背中の凝りを溜めないこと!

しかし、体が凝り固まっていると、呼吸が浅くなります。呼吸筋と呼ばれる胸や首、お腹にあるそれぞれの筋肉が呼吸する時に働くのですが、やはりこれらが柔軟に無理なく働いていることがとても大事です。特に猫背や巻き肩などの方は、胸が縮こまって呼吸が浅くなりがちです。時々胸を開き、肩を外に回したりしてゆっくりストレッチしてみて下さい。また、呼吸する時に広がったり縮んだりしている肋骨は胸側から体の後ろ、背中側にも続いているのです。背中が凝ると大きく深い呼吸がしにくくなり、リラックスしにくくなります。呼吸をスムーズにして体と心をリラックスするためには背中の凝りを溜めないということも大切です。

 

最後に・・・

忙しい時、お仕事の合間、疲れたな〜って感じる時。時々は深呼吸をしてみましょう。新鮮な空気を体に入れ、リフレッシュできる、どこでも簡単にできるお手軽なリラックス法。長生きと、長息はどこか通じるものがあるかもしれませんね。頑張っている体に酸素をいっぱい入れてあげましょう。呼吸を整えて、心も体も健康にお過ごし下さい。

 

藤田 朱美(ふじた あけみ)

一般社団法人スウェディッシュ・ディープティシューセラピー協会代表理事FLOWボディセラピースクール代表Body Therapy NY*FLOW*・オーナーセラピストマッサージセラピスト/講師/瞑想指導者/ラジオパーソナリティ米国NYのマッサージセラピーのカレッジを卒業後、マンハッタンの複数のサロンのトップセラピストとなる。8年のNY滞在後帰国。銀座にボディセラピーNYフロウとフロウボディーセラピースクールを開業。リラクゼーションを超えた本格的セラピーを提供し多くのファンを持つ。解剖学的手技を学びに全国からセラピストが訪れる。瞑想指導者としても瞑想会やリトリートを開催。ゆめのたね放送局土曜日朝9時「いまここからだラジオ」パーソナリティ。

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